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[レビュー] TRI-i4 (2) おすすめイヤーピース編

TRI-i4のレビュー、第2回はおすすめイヤーピース編です。TRI-i4はイヤーピースによる音域バランスの変化を感じやすく、変更することでクリアグレーの付属イヤーピース(以下、付属クリアグレー)よりも中高音域に寄った印象を受けることが多いです。

TRI-i4とイヤーピースの画像

使用ケーブルは付属ケーブル、音の基準はクリアグレーの付属イヤーピース(以下、付属クリアグレー)です。付属クリアグレーは低音が少し膨らみアタック感強め、高音は若干抑え気味なものの伸びやかで音場広めな傾向があります。

相性が悪いイヤーピースでは中音域、特にボーカルがくもりやすいです。くもりが出ないイヤーピースに限定しておすすめします。

なお人間の耳の形状はそれだけで個人を識別することができるほど千差万別です。私が良いと思ったイヤーピースが必ず皆さんの耳の形状に合うとは限りません。その点はご了承ください。

公開済みレビュー記事は以下からどうぞ。

シリコン

ELECOM スペアイヤーチップ

ELECOM スペアイヤーキャップ(Amazon)はややカサカサしたシリコンのイヤーピースです。しかし素材感と安さのわりには使えるイヤーピースだと思います。Sは11mm、Mは12mm、Lは13mmです。

  • 高音のピークは変わらないが他の凸が部分的に出ている
  • バスドラとベースがやや目立つ
  • 歯擦音が気になることがある
  • 付属クリアよりドンシャリ感強め

高音の主張具合は付属クリアグレーと大きくは変わらないのですが、一番のピークとは違う部分の高音の出っ張りが高く出ているようで少し刺さり気味になる楽曲があります。私は許容範囲内ですが歯擦音もやや強まっています。

高音の主張が強く低音も十分に出ているので付属クリアグレーよりドンシャリ感が強めに感じられます。付属クリアグレーの音よりももっと刺激が欲しいならこのイヤーピースが良いでしょう。刺さるのが苦手な人には向かないかもしれません。

final Eタイプ(クリアレッド)

final Eタイプは2019年3月28日にリニューアル(ケースと軸が追加)されており、Amazonでは旧タイプが完売後入荷していないようです。eイヤホンでは確実に新タイプを購入できます。なおイヤーピース自体はほぼ同じように見えます。

final Eタイプは色違いが数種類ありますが傘と軸のシリコンの固さが一部異なるので音も多少異なります。SSは約10mm、Sは約11mm、Mは約11.7mm、Lは約12.7mm、LLは約13.3mmです。

  • やや中高音域寄り
  • 低音域が弱る
  • 低音のアタック感が音量的に弱まる

低音域が付属クリアグレーよりも全体的に少し弱り、やや中高音域寄りになります。中高音域寄りになるイヤーピースの中ではバランスが良いと思います。

付属クリアグレーの音よりももっと音の輪郭がくっきりして欲しい、低音の力強さはさほど求めていないのならおすすめです。

final Eタイプ(ブラック)

前述のイヤーピースの色違いです。

  • やや中高音域寄り
  • 高音は付属イヤーピースに近い
  • 低音がタイト

付属クリアグレーより低音のアタック感がわずかに強めでタイトなためドンシャリ感が強いです。高音は付属クリアからあまり変わっていないような気がしますが、歯擦音が微妙に気になることがあります。

よりメリハリを効かせたい人におすすめです。

FAudio FA Instrument

FAudio FA Instrument(Amazon/楽天市場/Yahoo!ショッピング)はボーカルにフォーカス、低音を強化しつつ中高音の明瞭度が向上する傾向のあるイヤーピースです。Sは約11mm、Mは約12mm、Lは約13mmです。

  • 軽く中高音域寄り
  • 全体的に少し濃くなる
  • ボーカルが出てくる

低音域が少し強化されつつ中高音域も付属クリアグレーより出ているため、少し音色が濃くなり軽く中高音域側に寄ったややドンシャリです。全域に低音成分が増えているようで高音の楽器のやや線が細い印象が改善します。

全体的に濃さが足りないと感じる人におすすめです。

final Bタイプ

final Bタイプはシリコンがやや薄くドーム形状のイヤーピースです。Sは10.5mm、Mは12.5mm、Lは約13.5mmです。

  • 中低音域寄り弱ドンシャリ
  • 低音の音の芯が太くなる
  • ボーカルが少し出てくる

低音の音の芯が太くなったような印象を受けます。アタック感はさほど強くなっているわけではなさそうですが低音の力強さが感じられるようになります。また、ボーカルが少し遠くなりやすい楽曲でも遠さを感じにくいです。

高音の主張の程度は付属クリアグレーと同程度です。低音の強化で線の細さが少し改善していると感じます。

中低音域を少し強化しつつ付属クリアよりもタイトにしたい人におすすめです。

JVC スパイラルドット++

JVC スパイラルドット++は無印スパイラルドットよりもシリコンがモチモチと柔らかいためか反響が抑えぎみになっています。XSは10mm、MSは11mm、Mは12mm、MLは13mm、Lは14mmです。

  • 高音域の解像度が向上
  • 高音の主張がわずかに強まる
  • 低音のアタック感が音量的に少し弱まる
  • 音場やや広め

高音の凹凸がより微細に感じ取れるようになり高音域の解像度が向上します。高音の主張がわずかに強まるのできらびやかさも向上したように感じられます。付属クリアグレーは低音が強く出やすいので比較するとアタック感が音量的に少し弱まります。

TRI-i4自体の音の伸びやかさに加えてスパイラルドット++の特徴としての音の拡散があるので、音場はわずかに広がったように感じられます。

SOLID BASS(ホワイトレッド)

audio-technica SOLID BASS(Amazon/楽天市場)はその名の通り低音域が締まる傾向があります。XSは約10mm、Sは約11mm、Mは約12mm、Lは約13mmです。今回おすすめするのはホワイトレッドです。※既に生産終了しているため市場在庫限りです。

  • 付属クリアグレーより低音が締まる
  • 低音の密度が増す

低音がタイトになり音の密度もやや増したような印象を受けます。高音の主張の程度は付属クリアグレーと大きく違わないようですが低音が締まったことで見通しが良くなりよりはっきりと聞こえるように感じる楽曲が多いです。

おすすめはホワイトレッドですが、より高音の主張が欲しいならブラックの方が出ます。ですが個人的にはブラックは若干騒がしいような気もします。

AZLA SednaEarfit Light

AZLA SednaEarfit Light(Amazon/Yahoo!ショッピング/楽天市場)はAZLA SednaEarfitのシリコンを薄くしたイヤーピースです。傘も軸も既存版より弾性のある柔らかいシリコンで、高音が良く出ます。音の広がりは既存版の方がややタイト。高さがあるのでノズルからの距離を稼ぎたい時にも良いです。SSは10.4mm、Sは11.2mm、MSは11.9mm、Mは12.6mm、MLは13.3mm、Lは14mmです。

  • 軽く中高音域寄り
  • 高音の主張が強まる
  • 低音のアタック感が音量的にやや弱まる

高音の主張が強まり、ピークが持ち上がってシンバルとスネアドラムに高音成分が強めに付加されたようになります。生楽器演奏の高音がよりリアルになる半面、刺激が強まったと感じる人もいると思います。私は高音の刺さりは気になりませんが、歯擦音の強い英語圏の女性ボーカルの楽曲でサ行が少し気になることがありました。

TRI-i4の高音がほんの少しだけマイルド過ぎる、生楽器の音に高音不足を感じるならおすすめです。

A-Focus es-T1(傘がブラック)

A-Focus es-T1は球形のシリコン製汎用イヤーピースです。Sは約10mm、Mは約11mm、Lは約12mmです。

  • 付属クリアグレーより低音が締まる
  • 中音域がくもる楽曲がある場合は改善

おすすめするのは傘の色がブラックのものです。形状も素材感も付属クリアグレーに似ていますがes-T1の方が少しだけ固めです。

全体的に付属クリアグレーに近いので、低音の締まり具合にだけ不満がある場合はこれが良いと思います。色が選べますがおすすめは傘がブラックのものです。

丸七二代目長楽

丸七二代目長楽(Amazon)は七福神商事オリジナルイヤーピースです。Sは11.0mm、Mは12.0mm、Lは14.0mmです。

  • 中高音域寄り
  • 高音の主張が強まる
  • 低音が若干弱まる

高音の主張が強まり低音が若干弱まることで付属クリアグレーよりも中高音域寄りに感じられます。全体的に付属クリアグレーよりもすっきりとします。エージングが終わる前のTRI-i4は低音がやや膨らむ傾向があり全体の邪魔になっていたので長楽が良く合っていました。

ePro audios ePro Horn-shaped Tips

ePro audios ePro Horn-shaped Tips(Amazon取扱なし/Yahoo!ショッピング/楽天市場)は先日発売されたばかりのイヤーピースです。ホーン形状で高さがあり耳の奥に深めに突っ込まれる感触があるので、これが苦手な人には合わないかもしれません。

  • 重低音が強化
  • 高音の先の細さが改善
  • 中低音域の解像度が向上

一聴してベースラインが強く出るのがわかります。重低音が強まっているようです。どっしり感がだいぶ強まるので、低音寄りのバランスです。そのおかげか、高音でたまに感じることがあった線の細さを感じなくなりました。

低音が音量的に強化されるだけでなく音の輪郭がはっきりして低音域を中心に解像度が向上します。

ウレタン

misodiko M430S

misodiko M430S(Amazon)は表面がビニールコーティングされたウレタンフォーム素材のイヤーピースです。コーティングのおかげで高音の減衰が少なく、響きが吸収されにくく、なかなか優秀です。難点は指で潰した状態をキープしないため耳に無理やり突っ込む必要があることです。Sは11.2mm、Mは13.0mm、Lは14.0mmです。

ステムの太さがジャストサイズなのはM430Sなのですが欠品しがち。同じ商品ページから選択できる軸サイズ違いのM410Sでも入ります。

  • 高音の先の細さがやや改善
  • 低音がタイト

ウレタンイヤーピースとしては高音はあまり減衰しません。低音はタイトでやや重低音が強化されているのか高音でたまに感じることのある線の細さがやや改善します。

基本的にはシリコンイヤーピースの方が相性は良いと感じますが、ウレタンの方が好みならこれが良いと思います。

まとめ

TRI-i4は箱出しでは低音の締まり不足が感じられるので相性の良いイヤーピースはかなり限られており個人的には丸七長楽一択だったのですが、エージングで低音の膨らみが改善することでイヤーピースの選択の幅も広がります。低音に不満がある場合はまずエージングしましょう。それだけで不満が改善するかもしれません。

TRI-i4のレビュー、第3回はおすすめリケーブル編です。リケーブル編の前に他のイヤホンのレビューを挟むかもしれません。

*7%コードの有効期限は2019/12/31です。