[レビュー] Tin HiFi T3 (2) おすすめイヤーピース編

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Tin HiFi T3のレビュー第2回はおすすめイヤーピース編です。

人間の耳の形状はそれだけで個人を識別することができるほど千差万別です。私が良いと思ったイヤーピースが必ず皆さんの耳の形状に合うとは限りません。その点だけはご了承ください。

音の基準は付属の赤軸グレーのイヤーピース(以下、赤軸グレー)です。

第1回レビューは以下からご覧ください。

シリコン

audio-technica SOLID BASS 2018

SOLID BASSには2種類があります。ひとつめは以前からある軸と傘の色が異なるER-CK50(Amazon/楽天市場)、もうひとつは2018年以降のモデル用として販売されている軸と傘が一体成型になったER-CKS50(Amazon/楽天市場)です。ここで紹介するのは2018年以降モデル用のER-CKS50(Amazon/楽天市場)です。XSは10mm、Sは11mm、Mは12mm、Lは13mmです。

  • 高音の主張が抑えられる
  • 低音がよりタイトになる
  • 中低音域の濃厚さが少し増す
  • 低音のアタック感が音量的に少し強まる

高音のきらびやかさが衰えない範囲で主張が抑えられます。赤軸グレーでは高音成分が多い楽器の生々しさがいまひとつでしたが、このイヤーピースでは高音成分が適度に減衰して生楽器の音がリアルになったと感じます。また、低音域がよりタイトになりますが、濃厚さとアタック感の音量的な強さは少し増します。

赤軸グレーより高音の角が取れるのでシャープさや疾走感が衰えたと感じる人もいるかもしれません。しかしT3の高音成分だけを良い感じに抑えてくれる相性の良いイヤーピースです。赤軸グレーと形状がかなり似ているので、赤軸グレーが耳の形状に合っていればこれも大丈夫だと思います。

audio-technica finefit

audio-technica finefit(Amazon/楽天市場)は高音を抑えて低音を強化するタイプのイヤーピースです。XSは10mm、Sは11mm、Mは12mm、Lは13mmです。

  • 高音の主張が抑えられる
  • 低音が少し強まる

上で紹介したSOLID BASS(2018)よりも更に高音の主張が抑えられます。きらびやかさはギリギリ保っているような気がしますが明らかに高音のピークが低くなるのでクラシックなどの高音が欲しい楽曲で相性がやや悪くなる場合があります。

高音以外の変化は小さいのですが高音の減衰による影響で中低音域が濃くなったように感じるかもしれません。

赤軸グレーでは高音の主張が強くて耳が辛い、ブラックではアタック感が物足りない、ウレタンは好みでないならわりと良いと思います。赤軸グレーの高音は強く感じるけれど辛くない、やや過剰な高音成分のバランスだけ抑えたいならひとつ上で紹介したSOLID BASSの方がおすすめです。

audio-technica SOLID BASS(ホワイトレッド)

audio-technica SOLID BASS(Amazon/楽天市場)はその名の通り低音域が締まる傾向があります。XSは約10mm、Sは約11mm、Mは約12mm、Lは約13mmです。今回おすすめするのはホワイトレッドです。

  • 中低音域がよりタイト
  • 濃さと厚みが衰える
  • ステムから少しだけ距離が取れる

低音域の一部が少し衰え中低音域の膨らみが更に抑えられることから全域の濃さと厚さが衰えます。付属イヤーピースでT3の音が濃く厚いと感じることはなかったのですがSOLID BASSに変えてからまた赤軸グレーに戻すと意外と濃さと厚みがあったことに気づきます。

軽く薄くなったとまでは感じませんので、中・低音域を更にタイトにしたいなら良いと思います。

また、SOLID BASSの方がわずかに高さがあるのでステム先端からの距離をわずかに長く取ることができ、楽曲によっては微妙に近いかも?と感じる音が程良い距離感になったような気がします。

なお同製品ブラックは高音の主張のバランスがいまひとつなのでおすすめはホワイトレッドのみです。

JVC スパイラルドット++

JVCスパイラルドット++スパイラルドットの上位モデルです。無印スパイラルドットよりもシリコンがモチモチと柔らかいためか反響が抑えぎみになっています。売れ行きが良く、本記事公開時点ではどの販売店でも欠品もしくは取り寄せになっています。XSは10mm、MSは11mm、Mは12mm、MLは13mm、Lは14mmです。

  • 中高音域の高音成分が抑えられる
  • 音が自然に広がる

高音のピークは赤軸グレーよりも控えめになりますが金物系の主張は抑えすぎず、中高音域に高音成分が乗り過ぎるのを抑えてくれます。ギター、バイオリン、女性ボーカルに高音が多く含まれすぎていると感じられるのが解消します。

ドットの効果で音が拡散し適度に音が広がるので、付属イヤーピース各種で分離が良すぎると感じているならいくらか自然になると思います。

AET07

これまで型番AET07aで販売されていましたがパッケージ変更で現在はAET07(Amazon/楽天市場)になっています。

  • 高音の主張が抑えられる
  • 低音が少し強まる
  • 中音域が少しあっさりする
  • 伸びやかさが衰える

開口部が広めなイヤーピースが好みならAET07がバランスが良いと思います。個人的にはT3の音をあっさりさせてしまうので好みから外れるのですが、付属イヤーピースの音よりドライ感が欲しいならアリだと思います。

AZLA SednaEarfit

AZLA SednaEarfitは開口部が広く軸が固めなドーム型のシリコン製イヤーピースです。背は低いですが軸が少し長くなっているので音の出口から距離を取ることができます。SSは10.4mm、Sは11.2mm、MSは11.9mm、Mは12.6mm、MLは13.3mm、Lは14mmです。

  • 高音の主張が抑えられる
  • 低音が強まる
  • メリハリが向上
  • 中音域が少しあっさりする
  • 伸びやかさが衰える

高音域のピークは赤軸グレーより控えめですが低音が強まり輪郭がはっきりめなためかメリハリが強まります。生楽器演奏では迫力が増す印象です。

シリコンが固めで開口部の大きいイヤーピースは中音域があっさりしがちですが、このイヤーピースでは低音が強くなっていることに加えT3は中低音域に適度に厚みがあることと元々脚色がない中音域だからかあっさり感はあまり感じません。ただし伸びやかさが衰えてゆったりした楽曲との相性は更に悪くなっている気がします。

ウレタン

misodiko M410S

misodiko M410Sは表面がビニールコーティングされたウレタンフォーム素材のイヤーピースです。コーティングのおかげで高音の減衰が少なく、響きが吸収されにくく、なかなか優秀です。難点は指で潰した状態をキープしないため耳に無理やり突っ込む必要があることです。Sは11.2mm、Mは13.0mm、Lは14.0mmです。

  • 高音はシャリ感だけ減衰
  • 低音はややタイト

シリコンの感触が好みでなく、付属ウレタングレーでは高音の減衰が大きすぎると感じるならこれがおすすめです。

ANJIRUI T400

ANJIRUI T400は安価なウレタンフォーム素材のイヤーピースです。AliExpressで購入できます。Mは約12mmです。

  • 付属ウレタングレーとほぼ同じ

ほぼ同じと言うかたぶん同じ製品じゃないかと。付属ウレタングレーが加水分解してベタベタになった場合の交換用におすすめです。

まとめ

比較的メジャーなイヤーピースの中に相性の良いものが多く、より安価なイヤーピースではバランスが上手く取れませんでした。

付属イヤーピースもわりとT3との相性が良いのですが、個人的には赤軸グレーのバランスで高音のピークを少しだけ抑えるのがベストだと感じました。私はSOLID BASS 2018を使っていますが、イコライザーを使う人は赤軸グレーでも良いんじゃないかとは思います。

付属ウレタングレーと同等製品と見られるウレタンイヤーピースがAmazonに販売されており手元にあるはずなのですが見当たらないので、それについては見つかったら追記します。