[レビュー] TRN T200 (1) アタック感強めなドンシャリが楽しいコスパ機

当ブログの商品リンクにはアフィリエイトリンクが含まれます。

今回はTRN T200のレビューです。エージング後の音の評価だけでよろしければ『エージング35時間~』から後ろだけご覧ください。

TRN T200の白背景画像

製品仕様

  • ブランド:TRN
  • 型番:T200
  • ドライバ構成:1BA+1DD
  • Bluetooth Ver.:5.0
  • 対応コーデック:SBC, AAC, apt-X
  • チップセット:QCC3020
  • 待機時間:180時間
  • 連続使用時間:6.5~7時間
  • バッテリー容量:本体 50mAh/ケース 600mAh

TRNの有線イヤホンと同様、白箱に製品の画像が印刷された外箱です。

TRN T200の外箱の画像
TRN T200の内箱の画像

同梱品は充電ケース、充電用USBケーブル、イヤーピース1種類3サイズ、説明書です。

TRN T200の同梱物の画像

充電ケースには必要最低限の機能しかないので大きくはありません。ケース側のバッテリー残量を目視できませんが、実際に使った感じだと満充電3回分くらいかな。

TRN T200の充電ケースにイヤホン本体を入れた状態の画像

ハウジングの質感は安っぽさなないと思います。ビルドクオリティ上の問題も特になし。

TRN T200のハウジング画像1

ハウジング形状はTWSによくある楕円ではなくTRNの有線イヤホンのような耳の形に合った形状です。

TRN T200のハウジング画像2

ノズル先端の金属フィルターはメッシュ素材です。

TRN T200のハウジング画像3

音質

箱出し

私の耳と付属イヤーピースでは箱出しは低音が弱かったです。また、少し響いていましたがこちらは数時間のエージングで概ねおさまりました。

エージング35時間~

エージングが進むと適度な重みと量のある低音が出てくるようになりました。エージングが面倒であれば最初は低音が出るイヤーピースでしばらく使ってみれば良いと思います。私は箱出しからしばらくはAZLA SednaEarfit Short(Amazon)を使っていました。

以下は付属イヤーピースで評価していきます。

高音の主張*
4.3
★★★★★
★★★★★
高音域の音量
4.2
★★★★★
★★★★★
中音域の音量
3.8
★★★★★
★★★★★
低音域の音量
4.0
★★★★★
★★★★★
アタック感*
4.3
★★★★★
★★★★★
  • 『高音の主張』は金属音などの目立ち具合です。
  • 『アタック感』は低音のアタック感の音量的な強さ(ドンシャリのドンの強さ)です。
  • シンバルの主張強め
  • ボーカルが少し下がり気味
  • アタック感が音量的に強め
  • 音の距離感のわりに音場広め
  • 解像度やや高め
  • 分離、定位はやや良し

周波数特性チェック用のスイープ音源で耳で聞いてチェックした限りでは低音域は下の帯域からまずまず出ていて高音域はピークがやや高く音量も大きめ、中音域が谷になるので相対的に少し凹んでいます。高音の主張と重みのあるアタック感が音量的に強いドンシャリ傾向です。

高音域はやや主張が強くピークも高め。シンバルの音などが主張気味です。私は許容範囲ですが耳の若い方には刺激が強く感じられる可能性がありそうです。音量的にも大きく聞こえてくるので、高音しっかりめのドンシャリが好みでない場合は気になるかもしれません。また、シンバルに関してはやや音の細さとシャリ感があります。

中音域は谷になっている分だけボーカルも少し遠く音量的にやや小さめに聞こえるもののボーカル曲に向かないと言うほど激しくはありません。ボーカル以外の音の距離感もやや遠めに感じるので音楽を聞いている時の音場の広さにいくらか効果が出ているのではないでしょうか。

TWSは低~中低音域を少し盛り気味な製品が多い印象ですが、TRN T200の低音域は十分ながらも量は多すぎず厚すぎず、中~高音域の明瞭さの妨げにならない程度です。アタック感は強めなので実際の音域ごとの音量差よりもドンシャリ感を強く感じます。低音の距離感は少し近めですが抜けが良いことと中音域とのバランスの効果か音楽を聞いていて音場が狭いとは感じません。

通常価格5千円以上のTWSということを加味すると解像度は高い方なのではないかと思います。情報量、分離、定位もまあまあ良いです。

わずかですが響くのを感じます。ただし装着が少しでも甘いと聞き取れないレベル。また、T200の付属イヤーピースがTRNの有線イヤホンの付属イヤーピースと近い質感のシリコンで、同じく響きをよく拾うタイプのせいもあるようです。イヤーピース変更すると気にならなくなることが多いです。

その他

充電器

TRN T200の充電ケースはイヤーピースが収まる部分に余裕があり、大きすぎるものを除き一般的な有線イヤホン用イヤーピースを使っていても充電することができます。KZ標準の溝入りイヤーピースならLサイズも収まります。コーン型のウレタンイヤーピースが入ったのには驚きました。

TRN T200の床材背景画像
画像のイヤーピースはSednaEarfit ShortのMサイズです。

AZLA SednaEarfit Light Short(Amazon)はMサイズは問題なく収まりますがMLサイズだと充電はできるものの引っかかり、取り出すときは引っ張り出すようになります。

装着感

TRN T200は耳の形状に沿った形をしています。私の耳の形はTRNのイヤホンとの相性が良いことが多く、T200もかなり装着感が良いです。頭を振ってもズレません。

ちなみに私の耳ではこの形状の有線イヤホンを直感的に装着する時よりも後頭部下方向にちょっとだけ回転(左は時計回り、右は反時計回り)させる感じにすると上手く収まりました。

音漏れ・遮音性

付属イヤーピースでも遮音性はまずまず良く音漏れも気にならないようです。

連続再生時間

実際に連続使用してみたところapt-X接続かつ中音量で6~6.5時間くらいでした。公称値が最長6.5~7時間なので妥当なところだと思います。

通信強度

通信強度は普通~やや良いです。8畳のリビングの真ん中にトランスミッター→ダイニング→キッチンまで途切れず繋がります。遮蔽物にはやや弱いですがTWSとしては一般的な程度だと思います。DAPをポケットやバッグに入れると切れるというわけではありません。

BluetoothトランスミッターとDAP(Fiio X7 MarkⅡ)では問題なかったのですがスマホ(Xperia X Performance)だけWi-Fiの電波干渉に弱かったです。PCのすぐ側に置いてネットしているとブツブツ切れていました。ただしXperia X Performanceも古いのでこちらが原因の可能性も…。

TRN T200とXperia X Performanceの画像
なぜかXperia X PerformanceだけWi-Fiの電波干渉に弱め。

タッチ操作

ハウジングのマーク部分がタッチ操作のボタンになっています。感度も良く、操作していて不満に感じることは特にありません。

ホワイトノイズ

ホワイトノイズは聞こえますが小さめ。静かな場所で使っていると再生中に小さく聞こえるものの静かめ楽曲以外では聞こえないか気にならない程度です。

機能的な問題

音質以外の問題で気になることはありました。前述した機器との相性が悪いと電波干渉に弱めなことの他、送信機器との再接続に失敗することがある、スマホやDAPとの接続時に自動で音楽再生が始まることなどです。また、放置エージングしている時に充電切れしているわけでもないのに勝手に止まっていることが2回ありました。これは誤ってタッチしてしまった可能性もあるので不具合かどうかはっきりしません。

総評

低~中低音域を盛りすぎていないのでこもった感じがなくなかなか明瞭です。アタック感が強くノリ良く音楽を楽しめるタイプの音色で、打ち込み系楽曲との相性が良いです。箱出し付属イヤーピースではもっと軽い印象でしたが30時間ほど鳴らしてからは付属イヤーピースでも満足できるくらいの低音が出るようになりました。

エージングが進めば付属イヤーピースも悪くないです。

アタック感強めかつ高音域の主張があるドンシャリ傾向なので相対的に中音域が谷になりますが激しく凹んでいるわけではなくボーカルが遠すぎて聞き取りづらいと感じるほどではありませんし、ボーカルを少し出せるイヤーピースもありました。

付属イヤーピースは高音、特にシンバルの主張が強めで音量的に大きく出るので楽曲によっては少し気になることがありました。また、低音域の下の方も十分出ているのですが重低音がごくわずかに足りないかなと感じることがありました。この点もイヤーピースを変えるともうちょっと出ます。

TWS用でない市販イヤーピースが入るので、装着感も含めて少しでも気になる点があるなら変えてみることをおすすめします。市販イヤーピースを持っていないならまず有線イヤホンの付属イヤーピースを試すのが良いと思います。

音質以外の機能的な問題がいくつかありはしましたが、だいぶ気に入っています。シンバルの主張強めで低音を盛りすぎていないドンシャリが好みならおすすめ度は高いです。

初期装備のTRN T200をおすすめできるのは、低~中低音域を盛ったTWSにこもりを感じて不満な人、高音の主張が強いのが好みな人、ドンシャリ傾向の音色が好きで5千円前後のTWSを探している人です。

逆に初期装備のTRN T200をおすすめしにくいのは、TRNの有線イヤホンが耳の形に全く合わない経験があった人、重低音の重みを最重視する人、高音の主張が強いのはあまり得意でない人、低~中低音域を盛った厚みと量のある低音が好みな人です。

試した限りではシンバルの主張はイヤーピースで抑えるのに限度があったのでこの部分が強いのが好きでないなら候補から外した方が良いでしょう。

音質以外の機能の問題が気になる人にもおすすめしにくいです。一番面倒なのは再接続に失敗することがある点。送信側をペアリングモードにしなければならないのでちょっと煩わしいです。機器との相性もありめったに失敗しない組み合わせもあるので一概には言えませんが、スマホやDAPで再接続に失敗するとBluetoothの設定を開かなければならないので手間を感じます。

個人的にはかなり気にいっているのですがまあまあドンシャリしているので好みは分かれるかもしれません。中華イヤホンが好きな人なら満足できるんじゃないかと思うんですけれども…。

TRN T200は市販イヤーピースを幅広く試すことができますので、レビュー第2回にイヤーピース編レビューも書く予定です。

追記:レビュー第2回を公開しました。