NICEHCK DB2 – 楽曲も音源も機器も選ばない超万能型ながら若干の誇張はある

当ブログの商品リンクにはアフィリエイトリンクが含まれます。

今回はNICEHCK DB2のレビューです。NiceHCKから製品提供を受けています。外装画像等のレビューがご不要であれば『音質』から後ろもしくは『総評』だけご覧ください。

NICEHCK DB2の白背景画像

製品仕様

ブランドNICEHCK
型番DB2
ドライバー10mmDD(チタンメッキグラフェン) + 1BA
インピーダンス16Ω
感度107dB/mW
再生周波数帯域20-20kHz
ハウジングPC + アルミニウム合金
ケーブル2pin 0.78mm 3.5mm / OFC
ストア価格
NICEHCKBlack Fiday
3,160円+79pt
NiceHCK Audio StoreBlack Fiday
$17.08-18.65
[$17.97-19.545%]
nicehck.com$17.97-24.99

パッケージは女の子のオリジナルキャラクターイラストです。以前からこの手のイラストはMOONDROPにおいて採用されていた(社長のご趣味だとか)のですが、様々な思惑から他メーカーも採用するようになってきており増殖していますね。正直プレゼントには選択しづらいです。

NICEHCK DB2の外箱の白背景画像 NICEHCK DB2の箱の中の白背景画像

OFCケーブル、シリコンイヤーピースKBEAR 07が1組5サイズ、グレーのシリコンイヤーピースが1種類3サイズ、合皮イヤホンバッグ、ケーブルタイ、イラストカードが付属します。

NICEHCK DB2と同梱物の白背景画像
イヤーピースサイズが豊富なのは嬉しいです。

価格以上の見た目に仕上がっていると思います。

NICEHCK DB2のハウジングを並べた白背景画像
NICEHCK DB2のハウジングを真横から撮影した白背景画像1 NICEHCK DB2のハウジングを真横から撮影した白背景画像2 NICEHCK DB2のハウジングを真横から撮影した白背景画像3 NICEHCK DB2のハウジングを真横から撮影した白背景画像4

ハウジングはNICEHCKの上位価格帯であるNICEHCK NX7 MK4と同じ形状でフェイスプレートの加工も同様なようです。NX7 MK4はチューニングノズル式なためノズルの形状は異なります。フェイスプレートの縁の金属が同じ種類かどうかまでは不明。

NICEHCK DB2とNICEHCK NX7 MK4のハウジングを並べた白背景画像1 NICEHCK DB2とNICEHCK NX7 MK4のハウジングを並べた白背景画像2

付属品

付属ケーブル

NICEHCK DB2の付属ケーブルの白背景画像

付属ケーブルはOFC(無酸素銅)ケーブルです。DB2の音色とは比較的相性も良いと思います。

高出力で鳴らす際にはリケーブルの必要性を感じますが、スマホや低出力なDAPでカジュアルに使うぶんにはそのままでも良いくらいです。

付属イヤーピース

NICEHCK 07が全サイズ1セット、グレーシリコンイヤーピースが3サイズ1セット付属します。NICEHCK 07はリニューアルされており、以前のM-(ブラック/12mm)が11.88mm(ブラック)と12.8mm(ブルー)の2種類になりました。

NICEHCK 07は単品でも販売されています。ヘタってきても他のイヤーピースを探さずに済むのはありがたいですね。

合皮イヤホンバッグ

同時期に発売された黒い合皮のイヤホンバッグが付属します。金具の縁をぐっと押して開けるタイプです。

NICEHCK DB2も入ることは入るのですがイヤーピースは潰れているように見えます。NICEHCK X39のような小型の筒型イヤホン向きじゃないでしょうか。

微妙に小さいかも。

数量限定ノベルティ

NICEHCK DB2のノベルティ缶バッジの白背景画像

DB2にはノベルティの缶バッジも数量限定配布されました。

個人的にはこの手のおまけはいりません。注文時の選択肢で希望者だけにプレゼントして欲しい人により多く渡るようにした方が良いのではないでしょうか。ノベルティよりもイヤーピースをおまけに付けてくれる方が嬉しいなあ…。

音質

エージング

いつも通り200時間エージングしました。極端に変化した印象はありません。レビュー目的でなければあえてエージングする必要はないと思います。

装着の深さと角度

メーカー想定の外耳道閉管共振周波数は8kHzです。私の耳とNICEHC 07なら左はMサイズ(機器により青か白)、右はLサイズでわりとしっかり挿れ、ハウジングも耳にぴったりフィットさせて概ね公式周波数特性通りだと思います。

付属グレーイヤーピースでは左右Mサイズ、何も意識せずに装着した位置よりも少し深めにハウジングを押し込んだくらいです。

NiceHCK Audioから許可を得て転載

私の耳でイコライザーなしの状態では公式周波数特性通りの外耳道閉管共振周波数に合わせた位置からノズルの位置がズレれると定位中心が後頭部側下方向にずれることがあります。イコライザーで聴力の凹凸が少ない状態に整えるとバランスは崩れないため、これに関しては私の聴力バランスの影響なようです。

湿度と乾燥

BAは湿度に弱く、乾燥させておかないと高域が大きく弱ってきます。NICEHCK DB2の評価中はエージング後に一度パーフェクトドライで乾燥させ、その後は乾燥剤を入れた密閉容器に保管しています。

  • 密閉容器『ベストコ ロック&ロック クラシック 600ml HPL854G』(Amazon 363円)
  • 乾燥剤『HAKUBA キングドライ』(Amazon 4個パック 1袋262円)
  • この他、乾燥機は補聴器用の『シグニア パーフェクトドライ』(Amazon 4,600円)を使用しています。

評価環境

ほとんど騒音のない屋内で聴いていきます。音源は主にwavとFLACです。Amazon Music、Youtube Music、Youtubeの動画も使用しています。

  • Youtube、Amazon MusicではラウドネスノーマライゼーションをONにしています。

主な評価機器は以下の通りです。音質評価ではフラット傾向の機器を中心に選択しています。PCからの再生はfoobar2000+ASIOです。

  • iBasso DX240 (AMP1 MK3 ES9038PRO / 3.5mm 281mW@32Ω / ローゲイン)⇒
  • Cayin N3PRO (AK4493EQ *2 / 3.5mm 250mW 真空管使用時 130mW@32Ω) 音量:Low(22前後)詳細
  • FiiO Q5s Type-C (AK4493EQ *2 / 220mW~@32Ω)詳細
  • Xperia 1 ii (オーディオ詳細不明) 音量:33%前後詳細
  • iPod touch 7G 詳細
  • FiiO Q5s Type-CとPCとの接続にはAIM電子 USAC-005 (OFC+純銀コート/SPセパレートフラット構造)を使用しています。⇒公式製品情報

付属ケーブル+付属NICEHCK 07

高音の主張*
3.0
★★★★★
★★★★★
高音域の音量
3.5
★★★★★
★★★★★
中高域の音量
4.0
★★★★★
★★★★★
中音域の音量
4.0
★★★★★
★★★★★
中低域の音量
3.0
★★★★★
★★★★★
低音域の音量
3.5
★★★★★
★★★★★

周波数特性

まず周波数特性チェック用のスイープ音源とトーンジェネレーターで耳で聞いてチェックしていきます。

20Hzから聴こえるものの25Hz以下は音量的に小さめ、30Hz半ば若干強め、70Hz台後半から強め、500Hz辺りが聴覚上も周波数特性も谷ですがごく浅め、1~2kHz強め、3.4kHz付近強め4kHz台弱め、外耳道閉管共振8kHz付近、9kHz辺りから弱まり13kHz辺りで聴こえなくなって行きます。

ニュートラルで楽曲を選ばない万能型、ボーカル帯域がやや強いものの極端ではなく、人間の聴覚上の聴こえ方に近めな音量差だと思います。

4kHzに周波数特性上の凹みがあり、これがきっちり適切なチューニングに寄与しているようです。私の耳は4kHzの聴こえが強いためバランスを崩し中高~高域が強まったように聴こえやすいです。そのため聴覚検査の結果を参考にイコライザーで4kHzを下げ聴力をフラットに調整して評価していきます。

高域/中高域

高音域には極端に鋭いピークがなく、刺さりや刺激は控えめです。主張が足りないほどではないものの、高域に凹みを感じる帯域があります。生楽器の器楽曲でなければ即座には気づかない程度です。

DB2の音に耳が慣れている間は不足を感じませんが他のイヤホンに替えると想像以上に高音の量が少なく刺激が弱いことに気づきます。耳障りさを感じる心配はないはずです。

4kHzの凹みは少しでも強まるとバランスを崩す絶妙なラインで、そのため聴力バランスの影響を受けやすいです。中高域の聴こえの強さには個人差が出ると思います。

中域

中音域はリアリティのある音で鳴ります。しかし高音の刺激を抑えているため高音が必要な物音の再現はあっさりしており臨場感を感じにくいです。

全域の中では聴覚上の中~中高域が音量的に強いためボーカルがよく聴こえます。素直な鳴りの万能型ではあるもののボーカル曲向きにやや寄せているように感じます。

超低域/低域/中低域

全域の中では超低域~低域の質が良いです。深く沈み込んで伸びやか、重さと厚みとのバランスも良好です。重低音は直線的ではなく抑揚があります。

中低域でも低域でもなく20Hz以下の超低域によって重低音を作り出しているようです。例えば30Hz台をイコライザで大きく落としても重低音は重低音として聴こえてきます。

ボーカル

人の声は自然な音の高さで、歯擦音やブレスはリアリティを失わない程度の控えめさです。少しだけ近めに定位しますが近めなボーカルが苦手な私でも気にならず、ボーカル曲が聴きやすいと感じる程度です。人の声から出る耳障りな音が強く感じられる場合は耳への挿入の深さが浅すぎる可能性があります。

『Almost Paradese(Amazon/Youtube Music/Amazon Unlimited)』ではAnn Wilsonのハスキーな歌声はハスキーであることは感じられるもののザラザラ感は控えめです。

ボーカルの性別やキーの高さによって近かったり遠かったりするような差は感じられず、『鈴木雅之 feat. すぅ『GIRI GIRI』(Youtube)』で主にコーラスパートを歌う女性の声が過剰に主張しません。

空間表現/定位/音場

イヤホン特有の音の距離感をはっきりくっきりとは知覚しづらく、しかし定位が不明瞭なのとも違います。ヘッドホンっぽいと言ったら大げさですが低価格イヤホンっぽくない鳴り方です。音場は特別広いわけではありませんが一番近い音との距離が程よく、空間に余裕が感じられ、立体感と遠近感があります。

装着位置が深すぎると中低域の壁ができたような閉塞感を感じることがあります。その場合はほんの少しだけノズル位置を浅めにすると改善されるはずです。

定位は良好で前後斜め方向のつながりも比較的スムーズです。中~中高域がやや強いことでクラシックなどでは正確さに欠ける点は感じるものの軽微です。定位の聞き取りやすさを重視するゲーム用途では多少不満はある気がします。

情報量/解像度/分離

付属ケーブルは味付けがないながら低価格帯イヤホン付属の質と太さ相応となっており、情報量や解像度はそれなりです。ですがケーブルのせいで極端に頭打ちになっているとは感じません。音色的にもデジタルチックなくっきりカリッとした高解像度や、現実の聴力ではなかなか聴き取れないレベルの高情報量を追求はしていないと思います。

音源と楽曲ジャンルとの相性

所有音源を全曲ランダム再生していて相性が悪いと感じる楽曲ジャンルはありませんでした。

音源の質にも比較的左右されにくい方だと思います。録音の質が良くデータ量の多い高音質音源で大きく音質向上を感じることはありませんが、低音質音源で極端に劣化することもありません。

音量の影響

音量を上げなくても低音不足や高音不足を感じにくいです。むしろ大音量では中高域の圧が上がりすぎてしまう印象を受けました。特に高出力な機器で顕著です。大音量で聴く人よりも耳に悪影響がない音量で聴く人の方が印象が良い音色なのではないでしょうか。

その他

Youtubeで動画を見る際、録音が良くない動画でも聴きやすいです。会議室のような場所で撮影しているeイヤホンの動画は声が響いておりイヤホンによっては少し気になるのですが、NICEHCK DB2ではかなり聴きやすいです。

イコライザーなしの評価

前述した通り、私の聴力は右耳の4kHzが特に強めに聴こえています。また、可聴域の下限がやや広いようです。

付属ケーブル+付属グレーイヤーピース

付属グレーイヤーピースは私の耳との相性が悪く、固定が甘くなり安定しません。そのため今回は評価なしとさせていただきます。

再生環境と出力&駆動力

高出力は要求しません。スマホ直挿しから出力があるDAPまで幅広く使えると思います。

所有する中では特に非力なiPod touch 7Gでも不満なく、バランス良く鳴ります。駆動力不足を感じる場面はなさそうです。

Type-C変換ケーブルはポタオデマニアにとっては実用性の低いアイテムではありますが、イヤホンジャックが付いていないスマホで音楽を聴く有線ライトユーザーには最低限必要なアイテムです。

音量も問題なく取れ、音色的にも普通に鳴ります。大抵は変換ケーブル側で音量調整できないため、ゲイン調整可能な高機能プレーヤーアプリがないとノイズが出る点はNICEHCK DB2でも同様です。これはイヤホンのノイズ耐性とは関係ありませんのでDB2のせいではありません。

TempoTec V6は力強い音色のDAPです。音は近めで太め、音場はやや狭くなります。NICEHCK DB2との組み合わせでは力強さはそのままに音が近くなりすぎず、音の太さは適度です。V6の個性の出方は最小限な印象です。ローゲインで十分です。好相性だと思います。

パワフルなDAPやポータブルアンプを使いたいならリケーブルは必須だと感じました。FiiO Q5sと付属ケーブルでは低音の量が減り気味で中高域の圧が強く感じられ、ハイゲインでなくても私はあまり音量を上げられません。

リケーブル

NICEHCK DB2とNICEHCK BlackDawnの組み合わせの画像

AliExpressではNICEHCK BlackDawnがセット販売されています。BlackDawnはボーカル帯域を少し下げたような、低音側と高音側を持ち上げたような印象に変化しやすいドンシャリっぽさを付加する傾向のケーブルです。相性が悪いとボーカルが埋まって平面的になります。

BlackDawnとDB2との相性は良好です。低音を強め、高域の凹みが気になりにくくなり、中高域の主張を少し抑えてくれます。

HCKの低価格帯ケーブルではIcyMoonも好相性でした。超低域を底上げすることで厚みが増し、相対的に中高域の圧を下げてくれます。大きめの音量やバランス接続で聴きたい人はIcyMoonの方が合うんじゃないでしょうか。

よく売れている様子のNICEHCK RedAgはJPOP好きな人におすすめです。

超低域が深い海外音源では物足りなさの方が上回ってしまいますが、JPOPでそれを感じることはなく音の輪郭もくっきりとします。JPOPしか聴かずDB2の音色がパッとしないと感じているなら見違えるはずです。イヤホンを乾燥剤と保管する習慣がない方にもおすすめです。

RedAgは手頃な価格も魅力ですね。低価格イヤホンでJPOPを聴く人に好まれるは順当だと思います。

NICEHCK DB2とTRIPOWIN Petrichorの組み合わせの画像

ノズルが公式周波数特性通りの深さに届いておらず定位中心が下後方寄りにずれる場合はTRIPOWIN Petrichorもおすすめです。中低域が増えすぎることが原因で同様の定位ズレが起こるイヤホンに私が必ず試すケーブルです。

その他

装着感

装着感はこのタイプの形状の中華イヤホンとしては普通です。深く挿入したい場合は付属イヤーピースではグリップ力不足で限界があるかもしれません。私はカサカサ耳なので装着の深さによっては付属イヤーピースでは浮いてくることがあります。

NICEHCK DB2のベントが見える位置から撮影したハウジング画像

音漏れ・遮音性

耳に当たる側に1ヶ所ベント(通気穴)があります。音漏れと遮音性もこのタイプの中華イヤホンとしては普通です。

他のイヤホンとの比較

NICEHCK DBシリーズ

NICEHCKから発売された名称に”DB”が付くイヤホンは2019年9月発売のDB3、2021年10月発売のDB1、そしてDB2です。DB3とDB2は1BA+1DDのハイブリッドですがDB1は1DDで、いずれも外耳道閉管共振周波数は8kHz(HCKに確認済み)です。

NICEHCK DB1、DB2、DB3を並べた白背景画像
上から時計回りにDB1、DB2、DB3です。

DB3のハウジングはDB2と同じ形状のシェル形状でフェイスプレート違いです。DB1は形状が異なります。

NICEHCK DB3

NICEHCK DB3は2019年9月発売の1BA+2DDイヤホンです。私はNICEHCK GCT4との組み合わせで気に入っていました。

NICEHCK DB3 周波数特性
  • 高音の主張:DB3 > DB2
  • 高音域の音量:DB3 ≦ KS2
  • 中高域の音量:DB3 ≦ KS2
  • 中音域の音量:DB3 ≒ KS2
  • 中低域の音量:DB3 ≦ KS2
  • 低音域の音量:DB3 < KS2
  • 超低域の音量:DB3 ≦ KS2
  • 低音の量:DB3 < KS2
  • 重低音・沈み込み:DB3 ≦ KS2
  • いずれも付属ケーブルとNICEHCK 07での比較です。
スペック比較
型番DB3DB2
ドライバー構成1BA
+10mm同軸2DD
1BA
+10mmDD
DD振動膜PETチタンメッキグラフェン
インピーダンス16Ω16Ω
感度106dB107dB
再生周波数帯域20-22kHz20-22kHz
ハウジングシェル:ポリカーボネート
フェイスプレート:亜鉛合金
シェル:ポリカーボネート
フェイスプレート:アルミニウム合金
ケーブル錫メッキOFCOFC

フェイスプレートの凹凸で角度が違ってしまうためひっくり返して比べています。ハウジング形状は同一です。ドライバー配置も同じで、いずれもBAはノズル内に配置されています。

DB3は周波数特性がV字のドンシャリ型です。DB2の周波数特性の方がだいぶ平坦ですが実は結構似ており、DB3の周波数特性から低~中低域と中高~高域を山なりに押しつぶしたようなバランスになっています。

DB3は4kHzが強いため、公式想定より外耳道長が長すぎる場合は4kHzが強まりすぎて硬質感が出るはずです。

NICEHCK DB1

NICEHCK DB1は2021年10月発売のPUバイオファイバー複合振動膜採用の10mmDDイヤホンです。低出力向きの万能型で使いやすく、当時はライトユーザー向けにおすすめしている人も多かったです。

スペック比較
型番DB1DB2
ドライバー構成1BA
+10mmDD
1BA
+10mmDD
DD振動膜PUバイオロジカルファイバー複合チタンメッキグラフェン
インピーダンス16Ω16Ω
感度106dB107dB
再生周波数帯域20-22kHz20-22kHz
ハウジングシェル:ポリカーボネート
フェイスプレート:亜鉛合金
シェル:ポリカーボネート
フェイスプレート:アルミニウム合金
ケーブル錫メッキOFCOFC
NICEHCK DB1 周波数特性

DB1はシングルドライバーなため、特にDB3よりもまとまりとつながりの良さが上回っています。2021年頃は中華DDイヤホンが増え始めた(というより色々あって中華BA搭載が減ってきた)頃でしたから、HCKなりにシングルDDイヤホンの模索を行った結果のDB1なのかもしれませんね。

この頃までの中華イヤホンの中では誇張控えめでこの価格帯としては情報量も多めです。総合的にバランスが良く、好みに左右されにくいチューニングに仕上がっています。機器が高出力すぎるとボーカルは若干ドライです。低出力に向いています。

音色の方も発売順に洗練されてきていることを感じさせます。しかし好みでいうと、ボーカルへのフォーカスがDB3 → DB1 → DB2と強まってきていることでボーカル強め近めが好きでない私には3種の中ではDB3が聴きやすいです。DB1はJPOPと好相性なため、終売した今でもXにはたまに名前が上がってきますね。

総評

  • 使いやすい万能型
  • 低出力でも問題なく鳴る
  • 共振しすぎないハウジング
  • 高級感があるフェイスプレート
  • 充実した付属品
  • 乾燥させなくてもBAの鳴りに不満がない
  • 美少女イラスト
  • 低出力に向く
  • 音質や楽曲ジャンルを選びにくい
  • 再生機器からのネガティブな影響が小さい

NICEHCK DB2は非常にバランスが良いという意味で低価格中華イヤホンらしからぬ自然な鳴りのイヤホンです。とは言え類似したチューニングのイヤホンはいくつかあります。この時期発売された中華イヤホンのトレンドのひとつなのかもしれません。アジア圏外の市場を開拓する意図もありそうです。

4kHzが弱められており、外耳道長が公式想定よりも長いせいで4kHzの耳障りさを感じやす人にも向くと思います。ただし私の耳は4kHzが強めに聴こえるため公式想定通り装着できていても高出力で鳴らすと中高域の圧を感じて音量を上げられません。チューニングとしては強すぎず弱すぎない良い塩梅なのだと思います。

ポータブルアンプ並にパワフルなDAPではDAPの音色の傾向次第ではハイ上がり気味に感じられます。これはおそらく相応の線材かつ細い付属ケーブルも原因で、リケーブルすることで改善されます。ですが高出力に合わせた仕組みでBAを搭載しているわけではないようで、基本的には高出力で鳴らすのにはあまり向かないと思います。

だいぶ増えてきた中華イヤホンパッケージの美少女イラストは可愛らしくはあるものの、個人的には買い控えの要因にはなっても購入動機にはつながりません。ノベルティもいりませんし、イヤーピースなどの実用的な付属品を増やしてくれた方が嬉しいです。

初期装備のNICEHCK DB2をおすすめできるのは、素直な鳴り方で個性が強くないイヤホンを探している人、人の声が聴きやすいイヤホンを探している人、近い音が苦手な人、過剰に響く音が嫌いな人、中華ドンシャリイヤホンが好みでない人、動画視聴する際に人の声が聞き取りやすいイヤホンを探している人です。

逆に初期装備のNICEHCK DB2をおすすめできないのは、高音は現実相応の鋭さと主張で鳴って欲しい人、据え置き含む高出力な機器で付属品のみで使いたい人、既存中華イヤホンのようなV字やW字の元気な音色のイヤホンが欲しい人です。

ニュートラルでありつつもボーカル帯域がほんの少しだけ強めでチューニングは慎重に整えられているため聴力バランスから受ける影響が大きいです。最低限聴力検査の範囲がある程度フラットな聴こえでないと不満が出やすいと思います。

また、当然ながらドライバーは価格相応だと思います。付属品だけで上の価格帯のイヤホンと勝負できるかというとそれはまた別問題ではないでしょうか。この価格帯の製品に割くことができるコストの中でバランス良く作られたイヤホンだと思います。

NICEHCK DB3、DB1に続くDB2は順当に改良されていると感じました。どれもその時々のトレンドをちょっとだけ摘みながらも流されすぎず個性的すぎず、安価ながら妥協せずに作られていると思います。

ストア価格
NICEHCKBlack Fiday
3,160円+79pt
NiceHCK Audio StoreBlack Fiday
$17.08-18.65
[$17.97-19.545%]
nicehck.com$17.97-24.99