「 オーディオ機器 」一覧

[レビュー] KB EAR Opal (1) ライトユーザー向きなのにリケーブル必須な高音寄り

今回はKB EAR Opalのレビューです。第1回は箱出しからエージング終了後までレビューして行きます。外装やハウジング画像等のレビューが不要な方は『エージング200時間~』から後ろだけご覧ください。

KB EAR Opalの白背景画像

製品仕様

  • ブランド:KB EAR
  • 型番:Opal
  • ドライバ構成:1DD(バイオセルロース)
  • インピーダンス:16Ω±10%
  • 感度:102db±3db
  • 再生周波数帯域:20Hz-20000Hz
  • ケーブル端子:mmcx

外箱はOpalの画像入り。

KB EAR Opalの外箱の画像
KB EAR Opalの箱の中の画像

付属品は最低限です。ケーブル、イヤーピース2種類各3サイズ。

KB EAR Opalの同梱物の画像
付属品は最小限です。

ハウジングはカーボン調。安っぽさはありませんが高級感があるというほどではありません。

KB EAR Opalのハウジングの画像1

ステム先端のフィルターはパンチングメタル、ケーブル端子はmmcxです。

KB EAR Opalのハウジングの画像2

画像では見えづらいですが内側に2ヶ所ベント(通気穴)が開いています。

KB EAR Opalのハウジングの画像3

音質

箱出し

箱出しでは中高音域の粗さ、響きすぎ、高音の主張の強さ(ハイ上がり)で定位が崩れ気味であるなどそのまま使えるイヤホンではありませんでした。しかし箱出しがこんな感じの音のイヤホンが長めのエージングでかなり良くなったことがあったので期待してしっかりエージングしたところバランスが改善しました。

放置エージングしない人で響きすぎが気になる場合は付属イヤーピースを赤軸からクリアの方に変えるとかなりマシになります。

エージング200時間~

ケーブルは付属ケーブル、付属する2種類のイヤーピースで聞いていきます。

付属クリアイヤーピース

高音の主張*
4.2
★★★★★
★★★★★
高音域の音量
4.2
★★★★★
★★★★★
中音域の音量
4.0
★★★★★
★★★★★
低音域の音量
3.7
★★★★★
★★★★★
アタック感*
4.1
★★★★★
★★★★★
  • 『高音の主張』は金属音などの目立ち具合です。
  • 『アタック感』は低音のアタック感の音量的な強さ(ドンシャリのドンの強さ)です。
  • 高音域寄りで低音控えめ
  • 分離と定位は良好
  • 抜けが良くクリア
  • 疾走感がある

周波数特性チェック用のスイープ音源で耳で聞いてチェックした限りでは低音域の下の方は弱め、中音域で少し凹んで高音域が最も強く出ています。右肩上がり気味で高音域寄り弱ドンシャリバランスだと思います。ベースラインがやや弱めでドンは強くないすっきりめ。

高音域は最も強く出ています。しかしピークが極端に高いわけではないようで意外と刺さりません。低音が控えめな影響か線がやや細めです。

中音域はさほど凹んでいるわけではなくボーカルも遠くはなく、しかしボーカルが浮き立つ感じが弱いです。人の声は実際よりもやや高めに聞こえます。歯擦音の強い英語圏の女性歌手でも耳障りさはさほどではありません。

低音域は控えめ。アタック感は必要なだけの強さがありますが単純に低音の相対的な音量が高音よりも小さく、ベースラインは問題なく追えるものの弱め。下の方の帯域も弱いため低音好きな人や加齢などで低音を聞く力が弱っている人には音が軽く感じられるのではないかと思います。

立ち上がりは早めで余韻はややあっさりしています。疾走感の欲しい早い楽曲との相性が非常に良く、ゆったりした楽曲でも軽快になってしまいます。

音の距離感と音場は普通ですが奥行きが浅い印象を受けます。抜けが良くとてもクリアで、分離が良いこともあって見通しはすっきりしています。

高音が強いイヤホンではハイ上がりで定位が怪しくなる場合がありますが、エージングが進んだOpalは高音寄りでありつつも定位が良くなかなか上手いバランスです。

解像度と情報量は価格からするとまあまあです。リケーブルで引き上げる余力があります。

付属赤軸グレーイヤーピース

  • 付属クリアより高音がシャリつく

付属クリアより高音が出るタイプでシャリ付き気味です。Opalと付属ケーブルの組み合わせとの相性が良くないので、クリアと両方試してみて同じように感じたらクリアを使った方が良いと思います。

その他

装着感

軽く、装着感も良いです。ノズルが漏斗状に伸びているので耳にしっかりと収まります。

音漏れ・遮音性

装着感が良く、ベント(通気穴)も内側にあるので音漏れはあまり気にする必要はなさそうです。遮音性はイヤーピースにもよりますが付属品ならまあまあです。

再生環境と駆動力

駆動力が大きいとバランスが更に高音に寄ることがあるようです。むしろ駆動力が小さい方がおすすめ。ほどほどの駆動力のポタアン、数千円の低価格DAPやスマホ直差しでもあまり大きな差のない鳴り方をします。ライトユーザーを想定しているのかもしれません。

実際、所有する中で最も低価格なDAPのCYBERDRIVE SEIUN(Amazon/3,450円)との相性がかなり良かったです。

KB EAR OpalとCYBERDRIVE SEIUN
画像のDAPはCYBERDRIVEのSEIUNです。

ビルドクオリティ

ハウジング自体のビルドクオリティには問題を感じないのですがmmcx受け側の取り付けが曲がっているのか手元の個体では直感的にまっすぐケーブルを抜いているつもりでも若干角度が違っていて、リケーブルすると抜くのに非常に苦戦する場合がありました。

finalのMMCX ASSIST(final公式/980円)があれば簡単に抜けるので、リケーブルしてみて抜けなくなってしまった場合は諦める前に試してみることをおすすめします。なお相性が悪いイヤホンもあるようですのでfinalイヤホン以外への使用は自己責任で。

MMCX ASSISTはmmcxリケーブルを外すためのアイテムです。ただし使用は自己責任で。

付属ケーブル

低価格イヤホンなので仕方がないとはいえ非常にチープです。バイオセルロースDDを採用するにあたってコストをそちらに全振りしたのではないかと思います。

低音があまり出ないタイプのケーブルなため、ただでさえ控えめなOpalの低音が更に弱まって初期装備時の評価を下げています。リケーブル前提での購入がおすすめです。

総評

KB EAR Opalはイヤホン本来の音域バランス的に低~中音域よりも中高~高音域がだいぶ音量的に大きく低音域が控えめ、中音域が浅く谷になっています。

エージングが十分なら高音寄りなのにハイ上がりではない、結構上手いバランスにおさまります。明瞭クリアで立ち上がりの良い音色にタイトめな低音のベースラインが添えられ、疾走感のある楽曲を気持ちよく鳴らしてくれます。

すっきりしているわりに低音はスカスカでもなくバランスが悪いというほどでもありません。しかし低音を感じにくい耳の状態である場合はシャカシャカになる可能性があるんじゃないかと思う程度には控えめです。

KB EAR Opalを木のテーブルの上に置いた画像
低音好きでなくとももうちょっと欲しい気がします。

付属ケーブルは低音が減衰気味です。音質向上を目的とするだけでなく低音をより引き出すためにも極力リケーブルをおすすめします。おすすめリケーブルは次回提案して行きます。

バイオセルロースを採用したおかげかOpalの音質は予想外に良く、リケーブルを試してから付属ケーブルに戻すとかなりチープな音色だったことに気づきます。

低音がちゃんと出て高音を強調しない銀メッキケーブルにリケーブルするとボーカルも含めあっさりめな音色の伸びが良くなりやすいです。付属ケーブル程度の伸びやかさで十分なら低価格銅線ケーブルでも良いでしょう。いずれにしろ低音を弱めないタイプを選ぶ必要があります。

付属イヤーピースは高音をよく拾うタイプなので、高音が強すぎる・ボーカルがやや硬質なのが気になるならイヤーピースはいっそ高音の減衰を期待してウレタンにしてしまうのも手です。おすすめイヤーピースについても次回提案して行きます。

スマホや低価格DAPでもいい感じに鳴ってくれます。駆動力の大きいポータブルアンプなどを使うと高音寄りの傾向が更に強まることが多いため、むしろ駆動力の小さい再生環境の方がバランスが良いでしょう。

駆動力はむしろ小さめがベストかも。

まとめ

手元の個体に限っては箱出しの音がかなり悪かったです。中華イヤホンに不慣れな人やエージングしない人はすぐに放り投げてしまったり不良品だと判断して返品する人もいるかもしれません。音がおかしいなと思ったらしばらく音楽を鳴らしっぱなしにしておくなどしてエージングしてみてください。

駆動力をあまり必要とせず再生環境はライトユーザー向きなのにバイオセルロースのDDを採用してエージング必須だったりリケーブル前提のチープな付属ケーブルだったりと正直なところどこを目指しているのかよく分からない仕上がりになっています。

こだわったポイントなのだろうとは思いますが、低価格でバイオセルロースを採用するために付属ケーブルのコストをカットしすぎた感が否めません。

KB EAR Opalはリケーブル必須のイヤホンです。私は低音が弱いイヤホンも嫌いではありませんが初期装備状態ではやはり少々低音不足だと感じます。低価格なものでも良いのでぜひともリケーブルしていただきたいです。

KB EAR Opalをおすすめできるのはリケーブルに興味がある人、高音域寄りのイヤホンが好きな人、低音の重量感を重視しない人、疾走感が欲しい人、スマホや低価格DAPに直差しで使っている人です。再生機器は相当貧弱でも問題ないでしょう。

KB EAR Opalをおすすめできないのは、高音寄りバランスが好みでない人、低音の重量感や厚みを重視する人、ゆったりとした楽曲を好む人です。

KB EAR Opalのレビュー、第2回はおすすめイヤーピース&リケーブル編です。普段イヤーピース編とリケーブル編は分けるのですがOpalではいずれも現行品からコスパ面を考慮して選定した結果おすすめ数が絞られそうなので1回にまとめる予定です。