2020/03/27 AliExpressセール価格情報(イヤホン)AliExpressセール価格情報(中華リケーブル)を3/17 Anniversary SALE価格(セール対象外の商品は現時点の価格)で更新しました。⇒Anniversary SALEは終了しました。

[レビュー] CCA C10 PRO (1) 伸びやかなドンシャリは意外と生楽器が魅力的…なのに定位が惜しい

今回はCCA C10 Proのレビューです。第1回は箱出しからエージング終了後までレビューして行きます。外装画像等のレビューがご不要であれば『音質』から後ろもしくは『総評』だけご覧ください。

CCA C10 Proの白背景画像

製品仕様

  • ブランド:CCA
  • 型番:C10 Pro
  • ドライバ構成:4BA+1DD
  • インピーダンス:24Ω
  • 感度:109dB
  • 再生周波数帯域:20-40000Hz
  • ケーブル端子:2pin 0.75mm KZ Cタイプ
  • DDは10mm二重磁気
  • BAは高域30095×1、中域50060×1、中高域に型番不明のコンビBAx1

外箱は白いシンプル仕様です。

CCA C10 Proの外箱の画像 CCA C10 Proの箱の中の画像

同梱物は銀メッキケーブル、シリコンイヤーピースは溝入り1種類3サイズ、溝なし1種類1サイズです。

CCA C10 Proの同梱物の画像

ステム先端のカバーはパンチングメタル、ケーブル端子は2pin KZタイプCです。黒い部分はヘアライン加工されおりテカテカ光らず高級感があります。

CCA C10 Proのハウジングの画像1

CCA C10 Proの商品ページにはステムにBAが配置されているものとされていないものの2種類の内部構造画像が掲載されており、私も含め日本のユーザーの元に届いているのはステムにBAが配置されていないもののようです。

CGのミスかロット変更かの調査のために読んだ英語レビューの中にノズルに高域用BAの30095が配置されている旨の記述を見つけたので、レビュアーの勘違いでなければ欧米の向けサンプル機かなにかにノズルにBAが配置されたバージョンも存在したことはしたのかもしれませんね。

今回レビューする方はステムにBAはありません。外側から4つのBAが全部見える位置(画像2枚目と3枚目に各2BAずつ)に配置されています。

CCA C10 Proのハウジングの画像2 CCA C10 Proのハウジングの画像3 CCA C10 Proのハウジングの画像4 CCA C10 Proのハウジングの画像5

音質

評価環境は主にFiio X7 MarkⅡ(AM3D)です。ハイゲイン音量16~22(シリコンイヤーピース使用時/大きな騒音のない屋内で平均50~51dB*1)で聴いていきます。

  • 1. 平均が出せるスマホの騒音計アプリで計測しています。
CCA C10 ProとFiio X7 MarkⅡ(AM3D)の画像

駆動力および相性の比較としてPC→aune BU1、Zishan Z3(AliExpress)、Xperia X Performance、iPod touch(第7世代)も使用しました。音源は主にFLAC、他にAmazon MusicおよびYoutubeの動画なども使用しています。

付属溝入りイヤーピース

ケーブルは付属ケーブル、イヤーピースは付属の溝入りイヤーピースです。左L右Mでフェイスプレートの角が刺さらない程度に深めに装着しています。なお溝なしタイプは私には左が小さいため使用していません。

高音の主張*
3.6
★★★★★
★★★★★
高音域の音量
3.5
★★★★★
★★★★★
中高域の音量
3.3
★★★★★
★★★★★
中音域の音量
3.0
★★★★★
★★★★★
中低域の音量
3.2
★★★★★
★★★★★
低音域の音量
3.5
★★★★★
★★★★★
アタック感*
3.5
★★★★★
★★★★★
  • 『高音の主張』は金属音などの目立ち具合です。
  • 『アタック感』は低音のアタック感の音量的な強さ(ドンシャリのドンの強さ)です。
  • 高音の主張はやや強め
  • 高音は刺さる一歩手前
  • 伸びやかな残響
  • 沈み込みやや深め

周波数特性チェック用のスイープ音源とトーンジェネレーターで耳で聞いてチェックした限りでは低音側にも高音側にも寄り具合が小さいバランスの良いドンシャリ型で、ボーカル帯域が少し盛ってあり、2.5kHzと7kHz辺りに低めのピーク、5kHz前後に高めのピークがあります。低音は20Hz以下まで聞こえますが25Hz以下は音量的にだいぶ小さいです。

高音域は刺さる一歩手前をギリギリ攻めている印象です。耳の若い人や刺さりに弱い人には少しキツい可能性はあるのかもしれません。しかしキンキンした刺激が強く感じられる帯域は弱めてあるようで、比較すると前回レビューしたKZ ZAXの方がだいぶ刺激的な高音が出ています。

高音の主張はやや強めです。きらびやかさは普通、シンバルの音はか細さはないもののもうちょっとだけ低音成分があればよりリアルに聞こえそうです。この付属銀メッキケーブルは高音がやや強く低音は少し衰えるためリケーブルで改善の余地はあると思います。

中音域は明瞭でややすっきりとしつつも一定の艶はあり、伸びやかさも十分です。現実の音よりも明るめに感じます。あっさりはしていませんが落ち着いたしっとりさが欲しい楽曲では物足りないかもしれません。中高域用にコンビのBAが配置されているからか生楽器の中高域の音には少し濃さが感じられます。

ボーカルはややドライです。現実の声よりも若干明るく高めに聞こえます。ボーカル帯域は盛ってあり少し近めですが近すぎるというほどではなく、コーラスなどは出しゃばらずボーカルの背後から聞こえます。歯擦音はさほど気になりません。

周波数特性はドンシャリ型なようなので中音域に谷はあるはずですが、音場を広げつつも凹みを感じにくいようにチューニングしてあるのではないでしょうか。

低音域はやや強めです。沈み込みは深めですが付属銀メッキケーブルは傾向としてこれまでの標準撚り線OFCケーブルよりは浅くなりやすいため実力的にはもっと深い音が出せると思います。ドンシャリ感の強さのわりにベースラインは主張しすぎません。

力強く、やや重厚さも感じるのに明瞭さを妨げないちょうど良い低音の量です。ただしリケーブルで量が増える場合があるようなのでより深い沈み込みを求めて低音が出るケーブルに変えると増えすぎてしまう可能性はあるかもしれません。

比較的音源に近い長さの残響が得られます。KZおよびCCAのドンシャリイヤホンはあまり残響が出ないものの方が多く楽しい音色ではあるものの生楽器との相性は微妙なことは少なくなかったのですが、C10 Proは生楽器も気持ちよく鳴らしてくれます。

ただしこの残響は付属銀メッキケーブルが補強している部分でもあるため、リケーブルで衰える場合があります。また、付属溝入りイヤーピースでは不自然に響く帯域があるようです。これはイヤーピースを変更すると改善されます。

アタック感は音量的に少しだけ強めで、おそらく実際の周波数特性よりもドンシャリ感が強く感じられ、元気な楽曲はより元気に聞こえていると思います。

分離は良好です。伸びやかさが分離の妨げや音の輪郭を曖昧にさせる原因にはなっていません。抜けも良好です。音場は音にやや距離があるような広さで、若干意図的な奥行き感があります。

バイノーラル音源動画で確認すると定位が少し後頭部寄りです。特に付属溝入りイヤーピースでは定位が崩れやすいようで、ライブ音源ではいつも聞いているのとはやや異なる位置関係で音が聞こえて違和感を感じることがありました。イヤーピースを変えるだけでだいぶ改善されます。

響きの統率を取ることと定位の改善のため、イヤーピースの変更をおすすめします。

KZ標準撚り線OFCケーブル

他のKZおよびCCA機と比較するため、以前から付属しているKZ標準撚り線OFCケーブル(茶色い付属ケーブル)で聴いてみます。イヤーピースは付属イヤーピースを左L右Mで押し付けすぎない程度に装着しています。

CCA C10 ProとKZ標準撚り線OFCケーブルの組み合わせの画像
KZ標準撚り線OFCケーブルで比較してみます。
  • 高音の主張が弱る
  • クールさが緩和する
  • 低音の量が増える
  • 沈み込み深め
  • ボーカルが現実の声に近づく

付属銀メッキケーブルよりも高音の主張が弱く低音の量が多いため、比較するとやや低音側に寄ります。高音の刺さり具合も弱ります。

低音の量が増えたわりに明瞭さへの影響は小さく、しかし抜けの良さと見通しの良さには影響があり多少の衰えを感じます。もう少し質の良い市販ケーブルではその衰えを感じないことが多いので単純にこのケーブルでは力不足なだけのようです。

その他

装着感

装着感はKZおよびCCAイヤホンの中では普通ですが小さめイヤーピースで深く装着するのが好みな人は下側の尖った部分が当たるかもしれません。

CCA C10 Proを耳モデルに装着した状態の画像(側面側) CCA C10 Proを耳モデルに装着した状態の画像(正面側)

音漏れ・遮音性

フェイスプレート側にベントがないためKZおよびCCAイヤホンの中では音漏れと遮音性は普通です。

CCA C10 Proのハウジングの画像6
ベントは耳に当たる側に2ヶ所です。

再生環境と駆動力

スマホやiPod touchでも問題なく音量が取れますし、音質的にも比較的鳴らしやすいと思います。しかし駆動力が小さいと低音の力強さ、高音のシャキっとさ、明瞭さと分離が衰えて全体的にややぼやっとした音色になります。

CCA C10 ProとiPod touch(第7世代)の画像1

ライトすぎる環境に直差しでは実力が出せずもったいなくはあるものの事前に思ったほどの落差でもありませんでした。ある程度のDAPかポータブルアンプは使用して欲しいところですが駆動力が強力でなくともまずまずの音質で聴くことができるはずです。

付属ケーブル

付属ケーブルは今季のKZおよびCCAイヤホンに多く付属し始めた銀メッキケーブルです。以前は別売りアップグレードケーブルとして購入する必要がありました。

今まで付属していた撚り線OFCケーブルよりも重低音がやや弱く高音はわずかに強めで伸びが良いです。CCA C10 Proとの組み合わせではより伸びやかな残響を引き出してくれています。この部分を保つことができる中華リケーブルはあまり種類が多くはないためキープしたいなら選択肢が限られそうです。

CCA C10 Proの付属ケーブルの画像
KZおよびCCAイヤホンの付属ケーブルに採用されることが増えています。

このケーブルは高音がシャリつく原因になる帯域が強めに出やすいのですが、C10 Proでは明瞭さと解像度の向上に役立っている程度でシャリ付きはありません。

概ね好相性ではあるもののリケーブルすると定位がいくらか良くなる事が多いです。定位の正確さを落としている原因のひとつになっている気がします。

他のイヤホンとの比較

CCA C12

CCA C12(Amazon/AliExpress)は昨年秋頃に発売された5BA+1DDイヤホンです。やや乾いた感じの音色ですがバランスの良いややドンシャリ傾向のコスパ機と評価が高いようです。

C10 Proのハウジング形状はフェイスプレートの面取り以外概ねC12と同じようです。

CCA C10 ProとCCA C12のハウジングを並べた画像1 CCA C10 ProとCCA C12のハウジングを並べた画像2 CCA C10 ProとCCA C12のハウジングを並べた画像3 CCA C10 ProとCCA C12のハウジングを並べた画像4 CCA C10 ProとCCA C12のハウジングを並べた画像5

C12の方が明らかに中高音域寄り、中~中高音域にはやや濃さがあります。C10 Proの方が力強い低音でドンシャリ感が強いです。

C12の方が中~中高音域のBA数が多いためこの部分の濃さについてはドライバ構成の違いが影響していると思います。

  • 高音の主張:C12 ≦ C10 Pro
  • 高音域の音量:C12 > C10 Pro
  • 中音域の音量:C12 ≧ C10 Pro
  • 低音域の音量:C12 < C10 Pro
  • 低音の量:C12 ≦ C10 Pro
  • アタック感:C12 ≒ C10 Pro
  • 付属ケーブルと付属イヤーピースで比較しています。
  • 『高音の主張』は金属音などの目立ち具合です。
  • 『アタック感』は低音のアタック感の音量的な強さ(ドンシャリのドンの強さ)です。

CCA C10

CCA C10(Amazon/AliExpress)は2018年に発売された4BA+1DD機です。ややドンシャリ傾向ではあるものの高音の刺激はうまく抑えられており自然で聞き疲れない音色が発売当時から高評価でした。私も気に入っている1本です。

周波数特性には結構違いがありそうですが両者は音の雰囲気がなんとなく似ています。大きな違いは抜けの良さとドライさで、C10 Proの方が抜けが良くややドライです。

また、C10の付属ケーブルは撚り線OFCケーブルなため銀メッキケーブルに変更になっているC10 Proとそのまま比較してしまうとぼやっとしているように感じます。

  • 高音の主張:C10 < C10 Pro
  • 高音域の音量:C10 ≒ C10 Pro
  • 中音域の音量:C10 ≧ C10 Pro
  • 低音域の音量:C10 ≧ C10 Pro
  • 低音の量:C10 ≧ C10 Pro
  • アタック感:C10 ≦ C10 Pro

KZ ZAX

同時期発売のKZ ZAX(レビュー/Amazon/AliExpress)は7BA+1DDから想像するよりもすっきり明瞭なややドンシャリイヤホンです。4BA+1DDのC10 Proとはドライバ数から異なりますが同時期発売でこちらも評価が高いので比べてみます。

C10 ProとZAXは周波数特性的には同程度のドンシャリバランスだろうと思うのですが、ZAXの方が高音の刺激とアタック感が強いことで総合的にはZAXの方が元気でドンシャリ感が強く、ZAXの直後にC10 Proを聴くとマイルド気味にすら感じられます。

C10 Proの方は音に少し距離がある音場の広さ、ZAXは見通しが良く立体感のある音場の広さです。明瞭さと解像度はZAXの方が高いです。共通点はやや意図的な音場の作りと後頭部寄りの定位です。

  • 高音の刺激:KZ ZAX > C10 Pro
  • 高音の主張:KZ ZAX < C10 Pro
  • 高音域の音量:KZ ZAX ≒ C10 Pro
  • 中音域の音量:KZ ZAX ≒ C10 Pro
  • 低音域の音量:KZ ZAX ≦ C10 Pro
  • 低音の量:KZ ZAX < C10 Pro
  • アタック感:KZ ZAX > C10 Pro

比較まとめ

低音の強さを除くと周波数特性が近いのはたぶんC10よりC12の方じゃないかと思うのですが、全体的な音色にはC10っぽさを感じます。両方の長所をうまくブレンドしており、C12系統と感じる人とC10系統と感じる人の両方がいておかしくない音色だと思います。ちなみに個人的にはKZ ZS10 Proとは系統が違うように感じました。

CCA C10 ProとCCA C12とCCA C10を並べた画像
CCA C12とCCA C10をブレンドしたのでは。

CCA C12の後継機であると考えた時、中~高音域の濃さと主張が少し物足りないかもしれません。濃さについてはおそらくBAの数の違いが影響していると思います。

しかし特に低音の質、そして全体の解像度ははっきりと向上しています。KZおよびCCAのドライバは同じ型番でも随時改良されており、現行の10mmDDの低音は沈み込みの深さと明瞭さを向上、BAの30095の高音は解像度を向上させる実力が備わっているようです。

CCA C10の後継機であると考えた時、C10の高音の表現もしくは低音のタイトさ不足が不満だったなら両方とも改良されていると感じられると思います。しかしC12のドライさとクールさもブレンドされているため、C10の音色が好きだった人の好みからは少し外れる可能性があるような気がしないでもありません。

総評

やや寒色系で明瞭なドンシャリ傾向ですが適度な伸びやかさも両立しており、楽器の音に魅力を感じます。沈み込み、適度な量、分離の良さを兼ね備えた低音が力強く伸びて気持ちが良いです。力強いのにドンドンうるさくないのも非常に良いと思います。

CCA C10 Proの画像

どんな楽曲も明るめで元気に鳴らすこととややドライなため落ち着いた雰囲気やしっとり感を求める楽曲では物足りませんが、生楽器の伸びやかさのおかげでそれ以外の楽曲には幅広く合うと思います。個人的には付属ケーブルでは80年代の日本のポップスとの相性が良かったです。

唯一惜しいのは定位です。楽器の音が良いので奥行き感を演出するよりも定位が正確な方が良かったのではないかと感じました。特に付属溝入りイヤーピースでは崩れやすいため、イヤーピース変更をおすすめします。ちなみに私は評価中の比較にはスパイラルドット(Amazon)を使用しており、相性も良かったです。

今季発売されたKZおよびCCAの他のイヤホンと同様、CCA C10 Proも付属ケーブルを銀メッキケーブルにしたことで解像度と伸びやかさが向上しています。組み合わせとしては基本的には好相性です。ただし定位の正確さを若干落とす原因のひとつにもなっているようです。また、高音の刺激の強さもこのケーブルの影響があります。イヤーピースを変えてもこの辺りが気になるならリケーブルも検討した方が良さそうです。

残響をキープしたい時に便利なKBEAR Limpid(簡易レビュー/AliExpress)はC10 Proとも相性が良いです。高音の刺激が少し落ち着き、低音の沈み込みはより深め、全体的に音のリアルさが向上します。

CCA C10 ProとKBEAR Limpidとの組み合わせの画像
KZおよびCCAイヤホンとは相性が良いことが多いケーブルです。

初期装備のCCA C10 Proをおすすめできるのは、中華ドンシャリイヤホンには生楽器の伸びやかさが足りないと感じていた人、CCA C10とCCA C12の両方を気に入っている人です。

逆に初期装備のCCA C10 Proをおすすめできないのは、正確な定位を求める人、ウォームな音色が好きな人です。

CCA C10 ProはC10とC12をそれぞれの欠点を潰しつつ上手くブレンドし、更にアップグレードした音色だと感じました。C10とC12の両方が好きなら好みに合うと思います。メーカーのチューニング力の向上だけでなく、ドライバーの進化、特にDDの能力向上の影響が大きいような印象を受けました。

CCA C10 Proのレビュー、次回はおすすめイヤーピース編の予定です。おすすめリケーブル編との合体版になる可能性があります。また、準備に時間がかかるため間に他のイヤホンのレビュー記事をはさみます。ご了承ください。