[箱出しレビュー] KZ AS06 – こもりがないマルチBAの明瞭優秀イヤホン

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KZ AS06はチューニング変更が確認されています。AmazonのKZ Official Storeで2022年1月3日購入(製造日印字2020年11月18日)を買い足してチューニングが異なることを確認しています。⇒到着時のツイート / エージング後の言及ツイート

先月中旬にAliExpressのNiceHCKtwitter@hckexin)のプレセールで発注したKZ AS06がようやく届きました。KZ ZS7CCA C10が既に手元に来ていたのでAS06の購入は迷いましたがかなり安かったのでつい…。

特に中華イヤホンはエージングで音がかなり変わるのでエージングしてからレビューを書いていたのですが、最近出たものは箱出しでもそれなりに聞ける製品が多い印象ですし試しにAS06は箱出し(と言っても半日は鳴らしました)レビューを書いてみることにしました。

KZ AS06の画像
プレセールで3千円台!そのかわり結構待ちました…。
  • ブランド:KZ
  • 型番:AS06
  • ドライバ構成:3BA
  • インピーダンス:15Ω
  • 感度:105dB
  • 再生周波数帯域:20Hz-40000Hz
  • ケーブル端子:2PIN(0.75mm)

AliExpressで不良品が届いた場合は英語で問い合わせる必要があります。また、迅速に交換返品に対応してくれるとは限りません。自信のない方・保証が欲しい方は割高でもAmazonでの購入がおすすめです。

外箱はKZの簡易タイプっていうんでしょうか。黒い豪華版じゃない方でした。

KZ AS06の外箱と内箱の画像
箱はいつものKZのもの

同梱物はケーブルとKZのスリット入りイヤーピース3サイズ。付属ケーブルは編組タイプ針金なしチューブ付きです。

KZ AS06の同梱品の画像
付属ケーブルはたぶんKZ ZSNのと同じ。

金属プレートに大きく「6」の文字。

KZ AS06の拡大画像1(フェイスプレート)
個人的には片耳表記(3)じゃないのかなと思ったり。

ステムは長め。漏斗状になっているので結構奥まで入ります。

KZ AS06の拡大画像2
耳奥に突っ込むタイプのイヤーピースもOK

フィルターは薄い金網です。

KZ AS06のフィルター画像

小さくはないですが大きすぎて装着しづらいというとは感じません。

KZ AS06を手の上に乗せた画像

ハウジング形状はAS10とすっかり同じようです。私の耳の形状とはわりと相性が良いので装着感は良好です。

KZ AS06とKZ AS10を並べた画像1
左がAS06、右がAS10
KZ AS06とKZ AS10を並べた画像2(フェイスプレート側)
フェイスプレート側
KZ AS06とKZ AS10を並べた画像3(横から)
横から

付属イヤーピースと付属ケーブルで聞いていきます。

KZ AS06の画像(付属イヤーピースと付属ケーブル装着)
付属品で聞いていきます。

バランスは少しだけ低音寄りの弱ドンシャリ。低音に適度な重みと厚みがありややドスッとしたアタック感を感じることもでき、しかし全体的には濃い音ではなく締まりがあって軽やかです。

金属音の主張し過ぎやサ行の不快感は感じませんが高音はしっかり出ています。落ち着いていたりゆったりしている楽曲ではちょっとうるさく感じることがありました。中高音域には少し凹みがある気がします。ただしこれらについては軽く試した限り再生環境やリケーブルで違いが出やすい印象です。

個人的にはボーカルがややあっさりしていると感じますが不自然に艷やかにしていないだけとも言え、聞きやすいです。マイクの周囲を人が移動しながら話しかけてくるバイノーラル音源を聞いてみたところ、定位が良く変な反響もないためかなり自然に聞こえました。

AS10と付属ケーブルで感じるような抜けの悪さはAS06では感じません。箱出しスマホ直挿しの1曲目で一瞬ほんのちょっとだけ「巷での評判ほどクリアでもないのでは?」と感じましたが少し鳴らしたらすっかりきれいに明瞭になりました。この点についてはエージング数時間で良いようです。

また、最初は中低音域の分離がいまひとつに感じたもののこれもエージング半日ほどで改善し、むしろ分離が良いと感じるくらいになりました。

AS10で再生環境によって出やすかったホワイトノイズは比較するとだいぶ小さく、AS10や一部のTFZ機でノイズが相当に大きく出やすい再生環境でもさほど気にならないレベルです。

非常に優秀な出来です。お値段以上の音だと思います。ただ個人的に感じるポテンシャルはAS10の方が高く、相性の良いイヤーピースとお高めリケーブルを使った時の音質はAS10の勝ちだと感じました。ドライバ数が多ければ良いわけではないし増やすことによるデメリットもあると思うのですが、5BAと3BAの違いがここに出ているのかもしれません。

また、単純にBAの数を減らしただけの音の違いでもないように私は感じました。AS10がAS06の上位版かと言うとちょっと違うと思います。AS10はややふくよかでAS06はすっきり細身だけど芯が強いイメージです。好みが分かれそう。

初期状態ではいかんせんAS10の抜けの悪さは非常に気になり、満足できるまで改善するには追加投資が必要です。付属品で使うならAS06の勝ち。箱出しの明瞭さはAS06の圧勝です。BAらしさを楽しめるのもAS06じゃないでしょうか。マルチBAイヤホンとしては非常に安価な点からもBA機初挑戦におすすめだと思います。

再生環境は選びにくいです。チープでもOK。AS10はアンプを使わないと本気を出さないのでこの点でも優位です。もちろんAS06も相応の環境ならもっと伸びが良くなり音質が向上するのを感じられます。

ちなみに最近出た5千円前後の中華イヤホンは前述したKZ ZS7(5,990円)とCCA C10(5,700円)がありますが、付属イヤーピースと付属ケーブル使用で同じ再生環境ならばAS06が一番元気で軽やかでメリハリが効いています。ZS7は低音寄りの個性があり、C10は自然で聞き疲れしない音色です。ZS7とC10は低音域の下の方の帯域からよく出ていてやや濃いめ、5ドライバ(4BA+1DD)なためか再生環境の駆動力次第ではメリハリ不足だと感じる人はいるかもしれませんが、私はパワフル過ぎない環境で音量大きめで聴くC10はかなり好みです。

  • *2022/01/15 最新ロットのチューニング変更について追記