[レビュー] TRN V90 (2) おすすめイヤーピース編

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TRN V90(Amazon/AliExpress)のレビュー第2回はおすすめイヤーピース編です。

TRN V90と市販イヤーピースの画像
わりとバランスを崩しにくいイヤーピースが多かったです。

音の基準は付属イヤーピース、使用ケーブルは付属ケーブルです。付属イヤーピースは響きを拾いやすい・低音のアタック感が音量的に強め・高音のピーク高めなようでV90のドンシャリを強めて感じさせているようです。すべて付属イヤーピースと比較した時の音の違いで評価しているので、評価内容はイヤーピース自体の傾向とは必ずしも一致しません。

おすすめ上位だけ知りたい場合はまずまとめから読んでみてください。

人間の耳の形状は千差万別です。私が良いと思ったイヤーピースが必ず皆さんの耳の形状に合うとは限りません。また、微妙な装着の違いで変化が出ることもあります。ご了承ください。

レビュー第1回は以下からどうぞ。

  • 2019/12/10追記:おすすめリケーブル編を公開しました。

音質傾向をあまり変えたくない

Sound Wave 口径4mm ホワイト

Sound Wave 口径4mm ホワイト(Amazon)は安価なシリコンイヤーピースです。Sは10mm、Mは12mm、Lは14mmです。

  • 高音の主張がわずかに弱まる
  • ボーカルが少し出る
  • 響きがわずかに抑制

付属イヤーピースで気になる点が全部少しずつ改善します。あくまで少しずつですので、付属イヤーピースをそこそこ気に入っていることがおすすめの前提です。

高音の刺激を弱めたい

SONYトリプルコンフォート

SONYトリプルコンフォート(Amazon/Yahoo!ショッピング/楽天市場)はシリコンの軸にしっとり系のフォーム素材の傘を組み合わせたイヤーピースです。まだやったことはないのですが洗えるとのこと。他のイヤーピースより小さめです。SとMは非所持でサイズ不明、Lサイズは12mmです。

  • 高音の主張が少しだけ弱まる
  • 低音のアタックの圧迫感だけ抑えられる
  • 響きが適度に抑制
  • 遮音性が向上

響きすぎず響きを抑えすぎず。付属イヤーピースで少し耳障りな音や騒がしい楽曲がやや聞きやすくなりつつも高音の主張が抑えられた印象があまりありません。低音のアタック感が音量的にわずかに抑えられ楽曲によって圧迫感を感じるアタックが感じられていたなら適度に改善します。

また、付属イヤーピースよりも遮音性が高いです。ボーカルは近づいたようなそうでもないようなという程度ですが上と下の主張が抑えられるためか他の音に負けにくくなります。かなりバランスが良いです。

スパイラルドット

JVCスパイラルドット(Amazon)は内側にドット状のくぼみがあり開口部が広いイヤーピースです。ドットによってイヤーピース内の音を拡散させているとのこと。Sは約10mm、MSは約11mm、Mは約12mm、MLは約13mm、Lは約14mmです。

  • 高音の主張がやや弱まる
  • 定位が良くなる

さほど響きを抑えていないはずなのですがほんの少しだけ高音の弱まり具合が強いようでだいぶ定位が良くなります。ボーカルが出たりはせず音量的には付属イヤーピースとほぼ同じです。

響きが減りますがドットによる音の拡散効果で上手く音が広がります。響いているのが気になるけれど音の広がりは衰えさせたくない+付属イヤーピースでほんの少しだけ高音の刺激が強い+定位に違和感を感じるならおすすめです。

A-Focus ハイブリッドイヤーピース

A-Focus ハイブリッドイヤーピース(Amazon)は安価ですが相性が合えばなかなか使えるイヤーピースです。私が使っているのは傘がクリアで軸がオレンジのものです。Sは11mm、Mは12mm、Lは13mmです。

  • 高音の主張が少し弱まる
  • 響きの抑制

付属イヤーピースとは形状が似ていますが傘の素材感がやや固めです。音もだいぶ似ているものの高音の主張が少し弱まることと付属イヤーピースほど響かないので、この2点だけを安価に改善したいなら向いています。

響くのを抑えたい

A-focus es-SennheiserCX300-12

A-focus es-SennheiserCX300-12(Amazon)はSennheiser CX300向けで販売されていますが軸の内径が3.8mmですので多くのイヤホンに適合します。Sは9.5mm、Mは11.5mm、Lは13.5mmです。

  • 響きがやや抑制

形状と内径のサイズが近いようで、付属イヤーピースより響きが少ない以外はかなり音が近いです。響くのを少しだけ抑えたいなら良いと思います。

IKKO i-Planet

IKKO i-Planet(Amazon)は背が低く平たい円形のウレタンイヤーピースです。よく見るコーン型と違ってステムからイヤーピースの出口までの高さがありません。表面にはビニール加工がされています。サイズはSが11.5mm、Mが12.5mm、Lが13.5mmです。

  • 高音の主張がやや弱まる
  • 響きの抑制

低音域~中高音域のバランスはあまり変わらないようです。ボーカルの音量の大きさと距離感も付属イヤーピースに近いです。高音の主張の強さと響く感じだけが気になるなら相性は良いのではないでしょうか。ウレタンなのでハウジング形状がいまひとつ耳に合わないという人にも良いでしょう。

misodiko M430S

misodiko M430S(Amazon)は表面がビニールコーティングされたウレタンフォーム素材のイヤーピースです。コーティングのおかげで高音の減衰が少なく、響きが吸収されにくく、なかなか優秀です。難点は指で潰した状態をキープしないため耳に無理やり突っ込む必要があることです。Sは11.2mm、Mは13.0mm、Lは14.0mmです。

ステムの太さがジャストサイズなのはM430Sなのですが欠品しがち。同じ商品ページから選択できる軸サイズ違いのM410Sでも入ります。

  • 高音の主張がやや弱まる
  • 響きの抑制

音の傾向は全体的にIKKO i-Planetと似ています。しかしi-Planetよりもステム先端からイヤーピースの出口までに距離があるためか解像度と情報量はi-Planetの方が上だと感じます。どうしてもコーン型のウレタンの方が良いならこちらの方が良いと思いますが、そうでないならi-Planetの方がおすすめです。

ただしmisodikoにはSML各サイズ入りがあるのに対しi-Planetは各サイズ売りなので左右でサイズの違う人はi-Planetはちょっと高く付くかもしれません。

低音のアタックの圧迫感を感じる

JVC スパイラルドット++

JVC スパイラルドット++(Amazon)は無印スパイラルドットよりもシリコンがモチモチと柔らかいためか反響が抑えぎみになっています。高音の解像度が向上することが多いです。とても良いイヤーピースなのですがそれなりのお値段なのがネック。XSは10mm、MSは11mm、Mは12mm、MLは13mm、Lは14mmです。

  • 高音域の解像度が向上
  • 低音のアタック感が音量的にわずかに弱まる
  • ボーカルがほんの少し出る
  • 響きを抑制
  • 拡散で音が広がる

低音のアタック感が音量的に弱まりますが軽微です。もしも付属イヤーピースで圧迫感を感じるアタックが出ているなら迫力を落とさない程度にちょうど良くなるかもしれません。ボーカルはほんのちょっとだけ出ます。

響きが減りますがドットによる音の拡散効果で上手く音が広がります。響いているのが気になるけれど音の広がりは衰えさせたくない+わずかに低音のアタックに圧迫感を感じるならおすすめです。

丸七二代目長楽

丸七二代目長楽(Amazon)は七福神商事オリジナルイヤーピースです。Sは11.0mm、Mは12.0mm、Lは14.0mmです。

  • 低音域の下の方がわずかに衰える
  • 響きがやや抑えられる

付属イヤーピースにかなり似ています。低音の下の方が少し衰えている気がしますが軽微です。響くのも少し抑えられるのでややすっきりします。付属イヤーピースの音が概ね気に入っていて響くのをちょっとだけ抑えたい、多少低音が弱まっても構わない、付属イヤーピースと耳の相性が良くなく装着感を上げたいならおすすめです。

その他

ePro Horn-shaped Tips

ePro Horn-shaped Tips(Amazon)は軸がホーン形状になっていて内径が広め、高さのあるイヤーピースです。シリコンとグラフェンの複合素材を採用しているとのこと。Sは約9.5mm、Mは約11.5mm、Lは約13.5mmです。

  • 高音の主張がごくわずかに抑えられる
  • 低音の量感が増す
  • 解像度が向上
  • 響きがやや抑えられる

低音の量感が増します。また、高音の主張が騒がしかったり耳障りだったりする楽曲があれば少し和らぎますがこちらも付属イヤーピースに近いです。それでいて解像度の向上を感じることができます。

響きをほんの少しだけ抑えて上も下も減らしたくないという人にとてもおすすめですが、ちょっとお高め。

AET07

AET07は開口部が広めなイヤーピースです。以前は型番AET07aで販売されていましたがパッケージ変更で現在はAET07(Amazon/楽天市場)になっています。Sは11mm、M-は12mm、Mは13mm、Lは14mmです。

  • 高音の主張が弱まる
  • 低音の下の方が衰える
  • 低音のアタック感が音量的に弱まる
  • ボーカルが少し出てくる
  • 響きをやや抑制

付属イヤーピースよりも響かず、高音の主張と重低音が弱まり、相対的にドンシャリ型の谷が浅くなるためボーカルが少しだけ出てきます。加えて低音のアタック感が音量的に少し衰えるためドンシャリ感がやや弱まります。

高音の主張が強すぎて辛い+リケーブルせずにボーカルを出したいが近いのは好みでない+低音のドンが強すぎると感じるならおすすめできそうです。

AZLA SednaEarfit

AZLA SednaEarfit(Amazon)は開口部が広く軸が固めなドーム型のシリコン製イヤーピースです。背は低いですが軸が少し長くなっているので音の出口から距離を取ることができます。SSは10.4mm、Sは11.2mm、MSは11.9mm、Mは12.6mm、MLは13.3mm、Lは14mmです。

  • 高音の主張がわずかに弱まる
  • ボーカルが少し出てくる
  • 響きをやや抑制
  • 打ち込み系の楽曲向き

高音の主張がわずかに弱まりますが軽微です。ほんのちょっとだけ刺さるかも?と感じているならちょうど良い程度ではないでしょうか。わずかながら高音が弱まるおかげかボーカルがちょっとだけ出てきます。しかしこちらも軽微です。

付属イヤーピースほど響かないので音の輪郭がややはっきりしてくるのですが生楽器の抑揚があまり感じられません。あまり抑揚なく音が出るタイプの打ち込み系の楽曲ではデジタルチックさが効果的に出ていて楽しいと思います。

RHA デュアル・デンシティ

RHA デュアル・デンシティ(Amazon)は適度な固さの軸と柔らかめな傘のシリコンイヤーピースです。Mは約12mm、Lは約13mmです。

  • 高音の主張が弱まる
  • 低音の下の方が衰える
  • 低音のアタック感が音量的に弱まる
  • ボーカルが出てくる
  • 響きの抑制

付属イヤーピースよりも響かず、高音の主張と重低音が弱まり、相対的にドンシャリ型の谷が浅くなるためボーカルが出てきます。加えて低音のアタック感が音量的に衰えるためドンシャリ感がかなり弱まります。

高音の主張が強すぎて辛い+リケーブルせずにボーカルを出したい+低音のドンが重すぎると感じるならおすすめできそうですが結構おとなしくなるので重低音好きな人や低音はそのままで高音だけを抑えたい、低音と高音はそのままでボーカルだけ出したいという人には向かないでしょう。

final Eタイプ

final Eタイプは2019年3月28日にリニューアル(ケースと軸が追加)されており、Amazonでは旧タイプ完売後新タイプが入っている色と未入荷のままの色があるようです。eイヤホンでは確実に新タイプを購入できます。なおイヤーピース自体はほぼ同じように見えます。

final Eタイプは色違いが数種類ありますが傘と軸のシリコンの固さが一部異なるので音も多少異なります。SSは約10mm、Sは約11mm、Mは約11.7mm、Lは約12.7mm、LLは約13.3mmです。

ブラック

  • 高音の主張が少し弱まる
  • ボーカルが近づく
  • 中低音域~中音域の音量が増す
  • やや低音の量感が増す
  • 響きの抑制
  • 音場が狭まる

あまり音が広がらず中低音域~中音域の音量が大きくなり中音域を中心に音が近づいたと感じます。ボーカルも近づきます。全体的に押しの強い感じの音色です。中低音域にやや寄って聞こえます。やや低音の量感が増したおかげで少し音に艶が乗り濃くなります。

音場が狭まって少し中低音域に寄っても良いのでリケーブルせずに中音域の谷を均したい+高音の刺激を少し弱めたいなら良さそうです。個人的には音場の広さを犠牲にしたくないので好みとは違いました。

ブルーグレー

  • 高音の主張が少し弱まる
  • ボーカルが近づく
  • 中音域の音量が増す
  • やや低音の量感が増す
  • 響きの抑制
  • 音場が狭まる

ブラックほど中低音域が出ませんが付属イヤーピースよりは出ているので軽く中低音域寄りには感じられます。やや低音の量感が増したおかげで少し音に艶が乗り濃くなります。

音場が狭まってわずかに中低音域に寄っても良いのでリケーブルせずに中音域の谷を均したい+高音の刺激を少し弱めたいなら良さそうです。個人的には音場の広さを犠牲にしたくないので好みとは違いました。

まとめ

市販のイヤーピースに変更すると響きが抑えられることが多く音の広がりに変化が出ることが多いです。また、前述した通り付属イヤーピースはドンシャリ感を強める方向への効果がありそうなので付属イヤーピースが一番好みという人もいると思います。

音質傾向をあまり変えたくないなら気になるポイントがひと通りちょっとずつ改善するSound Wave 口径4mm ホワイト(12ペア895円)がおすすめです。

高音の刺激が強いなら、おすすめ1位は耳障りさを上手く抑えるSONYトリプルコンフォート(1,300円前後)、同率1位その2は響きすぎないのに広がり感が衰えないスパイラルドット(1ペア983円/3ペア1,966円)、3位は安価なA-Focusハイブリッドイヤーピース(6ペア688円)です。

響くのだけが気になるなら、おすすめ1位は付属イヤーピースとバランスが似ているA-focus es-SennheiserCX300-12(SMLサイズ各1ペア688円)、2位はウレタンのデメリットが小さいIKKO i-Planet(2ペア1,300円)、3位は同じくウレタンのデメリットが少なく3サイズ入って安価なmisodiko M430S(3ペア1,480円/欠品ならM410S)です。

なお付属イヤーピースの音が気に入っているけれど長くエージングしても響く気がするならちょっとだけ浅く装着すると気にならなくなるので、そこだけが気になっていて他に不満がないならイヤーピース変更を試す前に装着を変えてみてください。

低音のアタックに圧迫感を感じるなら、おすすめ1位はお高めだけれど音質が良いスパイラルドット++(2ペア2,461円)、次点以下は低音以外にも気づきやすい変化が出てしまうので『低音のアタックに圧迫感を感じる』『その他』から各イヤーピースに変えた時の変化傾向を読んで選んでみてください。

リケーブルすればまた意見が変わると思いますが個人的には付属ケーブルではスパイラルドットSONYトリプルコンフォートが良かったです。

なお付属イヤーピースが気に入っていたのになくしてしまった場合はAliExpressで標準イヤーピースの替えとして購入することができますよ。

TRN V90(Amazon/AliExpress)のレビュー、次回はおすすめリケーブル編です。先日発売されたケーブルの中に試したいものがあったのでそれが到着してからの公開になります。

おすすめ度が高いリケーブルのTRN T1(Amazon/AliExpress)についてはすでに公開したレビュー第1回レビューにも書いています。

  • 2019/12/10追記:おすすめリケーブル編を公開しました。