[レビュー] TRN V90 (3) おすすめリケーブル編

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今回はTRN V90(Amazon/AliExpress)のレビュー、第3回はおすすめリケーブル編です。第1回に紹介したケーブル以外も試してみました。

以前の個別のイヤホンのリケーブル編は相性の悪いものも紹介していましたが、所有するリケーブルの数がかなり増えたため今後は相性の良いものを中心に紹介していきます。

TRN V90とリケーブルを並べた画像
ミックス線と相性が良いような…。

音の基準は付属ケーブルと付属イヤーピースです。すべて付属ケーブルと比較した時の音の違いで評価しているので、評価内容はケーブル自体の傾向とは必ずしも一致しません。また、TRN T1以外はピンが0.78mmなのでTRNイヤホン(0.75mm)と組み合わせるとピン穴が広がる可能性があります。ご了承ください。

既に公開済みのV90レビューは以下からどうぞ。

ボーカルを出したい

TRN T1(8芯金銀メッキミックス)

TRN T1(Amazon/AliExpress)はTRNの低価格ミックスケーブルです。金メッキ線と銀メッキ線を編んでいるとのこと。低音が強化されて高音もしっかり出るのでメリハリ傾向でやや派手め。

2pinは0.75mmと0.78mmの両方が販売されています。TRNのイヤホンは0.75mmなのでV90に合わせるなら0.75mmを選んでください。

  • ボーカルが出てくる
  • 定位が良くなる
  • 情報量と解像度が向上
  • 明瞭さが向上
  • 響きが抑えられる

個人的にはこのケーブルがイチオシです。TRN V90との組み合わせではボーカルが出てきて、伸びも良くありつつ元気な印象。音場に立体感が出た気がします。また、定位がかなり良くなりました。低音が少し強化傾向なのが付属ケーブルと似ているのでバランスがすっかり変わってしまう印象もありません。

ただし金と黒とネイビーの組み合わせは微妙…。

情報量と解像度も向上し、出てきたボーカルのリアリティも増すのでボーカル曲を好む人にはぴったりです。価格も手頃です。個人的には虎柄じゃなかったらもっと良いんですけど…。

HiF4827・HiF4828(16芯銀メッキ+高純度銅ミックス)

HiF4827(Amazon/AliExpress)・HiF4828(Amazonでは2pinバランス端子欠品/AliExpress)は HiF4827とHiF4828はプラグ形状(I字とL字)違いの同じ線材のケーブルです。

  • 若干マイルド
  • ボーカルが少し出てくる
  • 情報量と解像度が向上

TRN T1ほどはボーカルが出ていないようですが他のケーブルよりは良く、全体的な印象は付属ケーブルから大きくは変えずに情報量と解像度が向上します。生楽器の質感も良くなります。ただしその分若干マイルド気味にも感じられます。

TRN V90と16芯銀メッキ+高純度銅ケーブルHiF4827をバランス接続してFiio X7 MarkⅡに接続した画像
DAPはFiio X7 MarkⅡです。

個人的にはバランス接続かつイヤーピースも変更するのがとても良かったです。

高音の主張を弱めたい

Yinyoo YYX4822(8芯銀メッキ)

Yinyoo YYX4822は低音がどっしりめで高音はわずかに抑え気味な低価格8芯ケーブルです。付属ケーブルで高音の刺激を感じるようなら少しだけ緩和します。またちょっとだけ低音にシフトして少し濃くなり、やや落ち着いた音色になります。

  • 高音の刺激が少し抑えられる
  • 低音の量感と重みが増す
  • 音色が少し濃くなる
  • 情報量と解像度向上
  • 生楽器の質感向上

高音の刺激が少し抑えられ、低音の量感と重みがやや増して全体的に音色が少し濃くなります。銀メッキの効果で高音の伸びは良くなりますが付属ケーブルより少し良いくらいです。響きすぎるとは感じません。

低価格で済ませたい、付属ケーブルではすっきり過ぎて濃さが欲しいなら合うと思います。バランス接続も良いです。付属イヤーピースでも悪くないです。もしも不満がある場合はおすすめイヤーピース編レビューを参考にしてください。

FDBRO 16芯銀メッキOFC

FDBROの16芯銀メッキOFC(Amazon/AliExpress)は低価格16芯のわりに音質が良くやや太め。少し低音が強化される傾向があるようです。

  • 高音の刺激が少し抑えられる
  • 音色が少し濃くなる
  • 情報量と解像度が向上
  • 低音の量感が少し増す
  • 定位が良くなる
  • 響きが抑えられる

高音にわずかに刺激を感じていたなら少し抑えられてちょうど良いのではないでしょうか。付属ケーブルと同様ボーカルが少しだけ遠くなりがちなのでそれが気にならないならかなり相性は良いです。

TRN V90とFDBRO 16芯銀メッキケーブルの組み合わせの画像

低音の量感が増えどっしり感も強まるので付属ケーブルに近づけたいならイヤーピース変更が効果的です。付属イヤーピースほどは低音が強まらず、拡散して音が広がるスパイラルドット(Amazon)かスパイラルドット++(Amazon)がおすすめ。

低音を弱めたい

NICEHCK GCT4(4芯OFHC)

NICEHCK GCT4(Amazon/AliExpress)は味付けが少ないながらも伸びが良くやや艶っぽさが出るケーブルで、生楽器の質感が良くなることが多いです。埋め込み2pinに対応しているのでTRN V90と組み合わせるとプラグ周りが少し長いです。

  • 低音がやや弱まる
  • ドンシャリ感が弱る
  • 艶やかさが向上
  • 情報量と解像度が向上
  • やや響く

TRN V90でも付属ケーブルではやや味気なかった生楽器の音色にリアルさが増す程度の艶やかさが出ました。情報量と解像度も向上します。

低音の強化がないケーブルなので付属ケーブルよりも低音が弱まり、特にアタック感が音量的に少しだけ弱くなっている気がします。そのためやや谷になっていた中音域が相対的に出てドンシャリ加減が少し弱まったと感じます。

また、伸びが良くなることからTRN V90の響きの良さと相まって若干響いて聞こえる場合があるようです。NICEHCK GCT4との組み合わせではイヤーピースの変更もおすすめします。付属イヤーピースが響きを拾いやすいタイプなだけなので必ずしもウレタンで抑える必要はありませんでした。個人的には高音の解像度が上がり、ドットの効果で音に広がりが出るスパイラルドット++(Amazon)が一番合うようでしたが値段が高めなので、おすすめイヤーピース編レビューも参考にしてください。

まとめ

付属ケーブルがOFC(無酸素銅)で少し低音が強まるタイプのようです。同じく低音が強化されるタイプのケーブルに変えることで音の傾向を大きくは変えずにアップグレードできます。

逆に低音が強化されない傾向のケーブルでは低音域が弱まったと感じるでしょう。しかし初期装備のTRN V90で感じる低音の強めのアタックはそれでも強めに出るので、弱すぎると感じることはなさそうです。

いくつかおすすめはしましたがイチオシはTRN T1(1,800円)です。音質面での相性は抜群に良く、0.75mmピンも販売していてしかも低価格です。付属イヤーピースとの相性も良いのでイヤーピース交換をしていなくても満足できると思います。

TRN T1は3.5mmアンバランスしか販売されていないためバランス化できません。バランス化したい場合はT1以外を選んでください。