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CCA CA4のイヤーピース編の予定でしたが、先に仕上がったので今回はYinyoo HX5のレビューです。第1回は箱出しからエージング終了後までレビューして行きます。エージング後&付属ケーブルの最終評価だけでよろしければ『エージング200時間~』から後ろだけご覧ください。
- 中華イヤホンには個体差・ロット差がよくあります。必ずしも本レビューと同様の音が出るとは限りません。
- イヤーピース変更の提案もしていますが、耳の形状によっては必ずしも私と同じ感じ方になると限りません。ご了承ください。
- イヤホンレビューの見方や用語の説明などは『当ブログのイヤホン・ヘッドホンレビューの見方(2018/10/24版)』をご覧ください。
目次
製品仕様
- ブランド:Yinyoo
- 型番:HX5
- ドライバ構成:4BA+1DD
- インピーダンス:19Ω
- 感度:102±3dB
- 再生周波数帯域:20Hz-40000Hz
- ケーブル端子:mmcx
- Yinyoo HX5
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- 中音域のBA2機はKnowles、高音域はBellsing2機
- 低音域のDDはバイオセルロース
Yinyoo HX5のDDはLZ Z04A、Yinyoo TOPAZなど春頃から発売されている中華イヤホンいくつかにも使われているバイオセルロースです。立ち上がりとキレが比較的自然なのが特徴だと思います。
外箱は光沢があるブルーのコンパクトな箱。
箱の中にはセミハードケースが入っています。同梱物はすべてこの中に。
中身は備品ごとに梱包されています。
Yinyoo HX5の同梱物は付属ケーブル(8芯銀メッキ)、イヤーピース4種類(シリコン3種類3サイズ、ウレタン1種類4色)です。
上の画像に入れるのを忘れましたが予備のフィルターも付属しています。
選んだ色はパープル。スタビウッドのフェイスプレートには金色のYinyooロゴがプリントされています。
表面に目立つデコボコはありませんが、光に当てながらじっくりチェックすると小さな凹みはありました。しかし撮影しようとしても上手く撮れない程度です。カメラで拡大した画像を見ても気泡などはなさそう。
ステムは段差部分がやや太めな金属で、先端に薄い金網フィルターがついています。
金属部分はシルバーっぽい色ですが、問い合わせたところ着色された金メッキだそうです。
画像手前側中央付近にベントが1ヶ所開いています。
ステム側の一部は樹脂で埋められているようです。
耳のくぼみそのままのサイズ感です。私は起き耳で耳のくぼみの凹凸が浅いこともありますが、当たって痛い部分はありません。
音色
箱出し
イヤーピース選びが甘かったこともあって箱出しはややぼやけた印象でした。バイオセルロースはエージングの効果が出やすいらしいので早速エージングしました。
エージング200時間~
イヤーピースが合っていないと特に中低音域でボワつくような不明瞭さが出るので、それが消えるイヤーピースをサイズ含め吟味してください。同じイヤーピースでもワンサイズ違うだけで顕著に差が出ます。
付属シリコン赤軸グレー
- 『高音の主張』は金属音などの目立ち具合です。
- 『アタック感』は低音のアタック感の音量的な強さ(ドンシャリのドンの強さ)です。
- やや中低音域寄りでフラット傾向
- 刺さりは気にならず
- アタック感は過不足なし
- 付属ケーブルも特別相性は悪くない
周波数特性チェック用のスイープ音源で耳で聞いてチェックした限りでは、音量バランスは中音域≧高音域≒低音域です。全域の音量差は小さいです。高音のピークはさほど高くなく刺激が強すぎないことと重低音がある程度は出ているため音楽を聞いていると中低音域寄りのフラット傾向から弱ドンシャリの間くらいに近く感じられます。
高音域はきらびやかさはあるものの主張は控えめで、金属音が耳に刺さるような不快感を感じることはありません。シンバルやスネアは現実の音よりも高音のピークがやや低そうな音に聞こえます。情報量は多くリアリティはなかなか高いのですが演奏の中での主張はやや弱く感じられる楽曲もありました。音楽を聞いていてハイハットのチッチッと言う高音が気になる人にはちょうど良いと思います。
しかし、実は実力として高音自体は結構出ています。例えばイヤーピースにSedna Earfit Lightなどを使用するとこの部分が少し持ち上がるので、付属赤軸グレーで高音の主張不足を感じるなら高音を引き出せる市販イヤーピースに変更しましょう。リケーブルすると更に出るようになります。
中音域は中低音域から中高音域までほぼ凹みなく出ています。ボーカルも含めて音の距離感はやや近めです。女性ボーカルはきれいに出ていますが男性ボーカルはやや低く出ている気がします。
低音域は45歳の耳で適正音量でも下の帯域から小さく聞こえてきます。ボワつかず濃さと音の広がりを出すのにちょうど良い重低音が出ているようです。重みと密度がありつつ圧迫感のない聞きやすい低音です。
全域のアタック感は過不足ない程度です。強く欲しいところでは十分、ここは違うというところでは上手く柔らかく鳴ります。ただし強さは再生環境とイヤーピース次第なところもあるので必ず満足できるとは限りません。比較的原音に近いアタック感なのかも。
自然さのある立ち上がり・キレ・音の輪郭が感じられます。これもイヤーピースで多少変わり、特に音の輪郭のくっきり感に変化が出やすいです。付属赤軸グレーではややマイルドです。
響き過ぎはなく、響きやすいホール録音のピアノ演奏の音源も聞きやすい残響だと感じました。あまり響かせずに低音の伸びで補っているような気がします。
分離は適度。分かれすぎていない馴染み具合かつ音の数が多くても個別の音がきちんと聞き分けることができます。定位も良いです。
付属ケーブルが8芯であることもあって情報量はまずまず多いと思います。それに伴って解像度も高めです。
付属シリコン緑軸グレー
赤軸グレーと形状は同じ、質感と音質もほぼ同じです。
付属シリコン白
私の耳との相性が悪く、やや曇ってアタック感も弱まるため評価を割愛します。
付属ウレタン各色
色による感触の差がなさそうなのでグレーでのみ評価していきます。
- 高音は比較的減衰しない
- 高音に寄りやすいチープな環境との相性が良い
このタイプ(ちょっとペタペタした質感で柔らかめ)のウレタンイヤーピースは意外と高音が減衰しないのでなかなかおすすめです。多少の減衰はありますが、逆に安価なUSBオーディオアダプターなど高音に寄りやすい再生環境ではむしろこのウレタンイヤーピースくらいでちょうど良いようです。
しかしながらアンプやある程度駆動力のあるDAPを使用している場合にはチープなウレタンイヤーピースにありがちな若干のこもり感を感じないわけではないため、少し高音が伸びて明瞭さが向上するリケーブルとセットで使った方がより良いと思います。
その他
装着感
耳にフィットする形状です。耳の形状に合えば装着感は良いはずですが、小さめイヤーピースを選んでしっかり耳に入れ込む方が音が良いようなので耳穴周辺にやや密着感はあります。
また、耳にフィットする形状でステムが太めでベントが小さいためかイヤーピースが大きかったりジャストサイズ過ぎると外耳道閉鎖効果でこもってしまうことがあります。イヤーピース選びは非常に重要です。
音漏れと遮音性
音漏れは小さいと思います。遮音性は普通です。シリコンのイヤーピースで耳を傷めない適度な音量で聞いているとパソコンのキーボードを打つ音が少し聞こえるくらい。
ホワイトノイズ
インピーダンスの値のわりにはホワイトノイズは小さい方だと思います。再生環境自体のノイズが大きいのでなければ気にならないでしょう。
再生環境と駆動力
駆動力があった方が明瞭になります。スマホなどでも音量は取れますが若干音が曇るので、できればある程度駆動力のあるDAPかアンプを使用したいところです。この価格帯のイヤホンを買う人がスマホで使うというのも逆に考えにくいですが…。
低音のどっしり感で音に十分な太さがあるので2.5mmバランス接続で感じることのある痩せた印象にはなりませんでした。音場が広がることもありますし駆動力も稼げるので、環境をお持ちならバランス接続も良いと思います。
付属ケーブルの音色が好みでこのままバランス接続したいと考えているなら、おそらく同等品と思われるYYX4822(Amazon/AliExpress)のバランスケーブルを使うと良いですよ。
総評
Yinyoo HX5は十分に価格に見合った音を出すイヤホンです。付属ケーブルでは非常に聴きやすく落ち着きのある中低音域寄りで、長時間のリスニングにも向いた音色です。バランスは非常に良く、破綻した音を鳴らすことはありません。
HX5の実力としての高音は実際はだいぶ出ているのですが付属ケーブルと付属イヤーピースではやや抑え気味なようで、きらびやかさ不足や高音不足は感じないものの現実の音よりもややピークが低いとは感じられます。ですがリケーブルで全域がより明瞭になるほか、高音のピークが出て来て実際はもう少し元気な音で鳴らせることがわかります。
中音域はKnowles製のBAを2機搭載しており、解像度が高いです。距離感がやや近いですが聴きやすい程度で、濃さのあるしっとりした音色だと感じます。付属ケーブルでは中音域の音が出る楽器や人の声は現実の音よりもわずかに低音寄りに聞こえることが多いです。
低音域は付属ケーブルでは濃いめで重さと密度があり、全体的に重心が低く感じられます。このケーブルは若干どっしり感が強めに出ており、落ち着いた音色はそれも影響していると思います。濃さも密度も音の細部を聴く時に邪魔にならない質の良さがあります。
付属ケーブルでも情報量は多く解像度が高いです。バランスが中低音域に寄っていることを考慮しても、時々はっとするようなリアルな音を鳴らしてくれます。ちょうど巡回試聴に当たったCOLORFLY U8(Amazon/Yahoo!ショッピング)との相性が特に良く、U8のアナログライクな高解像度も相まって素晴らしい音色でした。
リケーブルのおすすめは単結晶銅ですが、価格が高すぎると感じるなら16芯高純度OFCのNICEHCK CT4(Amazon/AliExpress)も相性は良いです。まだAmazonにはmmcxが入荷していないので少し待ってみてください。
このケーブルは比較的イヤホン本来の音のバランスを変えにくいタイプだと思うのですが、音色の個性が少し強調される傾向を感じ取れます。安価なので上位価格帯のケーブルほどの目覚ましい音質向上は期待できないものの、HX5では少しメリハリが効いて分離が良くなり、より明瞭で情報量が多くなります。そのことによって全体の解像度もアップしたと感じることができました。
濃い音色が好みなら4芯7N単結晶銅のYYX4810(Amazon/AliExpress)、高音の実力を出しつつ明瞭な8芯7N単結晶銅GXX4808(Amazon/AliExpress)もバランスが良かったです。付属ケーブルの音色のままバランス化したいならYYX4822(Amazon/AliExpress)を。
初期装備のYinyoo HX5をおすすめできるのは、落ち着いた音色が好きな人、アンプやDAPを持っている人です。全体的なバランスが良いので広くおすすめできます。リケーブルできるなら落ち着きすぎないので、中低音寄りでドンシャリでないイヤホンが好きなら多くの方が気にいるのでは。解像度の高いDAPをお持ちなら一層満足できると思います。
逆に初期装備のYinyoo HX5をおすすめできないのは、アタック感がドンドンと原音よりも強いのが好みな人や刺激的な音色が好きな人です。特にリケーブルせずに使うことを想定しているなら付属ケーブルでは高音が欲しい元気な楽曲で物足りないかもしれません。
アタック感についてはドンシャリイヤホンのような強調はないというだけで、おそらく原音通りくらい出ていると思います。弱いわけではありません。
Yinyoo HX5の次回レビューはおすすめイヤーピース編の予定です。後回しにしたCA4のおすすめイヤーピース編とどちらが先になるか分かりませんがご了承ください。
- Yinyoo HX5
- セール中25,900円→2,500円OFF+10%OFF(5%OFFコードあり VEIRTQSP) 6/22
- セール中$217.88(約23,700円)- Wooeasy Earphones 6/22