[レビュー] Yinyoo V2 改良ロット (2) おすすめイヤーピース編

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Yinyoo V2のレビュー第2回はおすすめイヤーピース編です。

Yinyoo V2(改良ロット)と各種イヤーピースの画像

Yinyoo V2の付属イヤーピースは低音を締めすぎず、反響を抑えすぎず、伸びを抑えすぎないタイプです。これが上手く音を広げる助けになっているのですが、反面やや締まりが緩いとも感じられます。

反響や伸びや低域を抑えるタイプのイヤーピースに変更することで明瞭さが向上します。ただしYinyoo V2では特に音場感におけるこれらの影響が大きいため、締まれば締まるほど音場を広く感じさせることが難しくなります。

Yinyoo V2における音場の広さと音のタイトさの両方を最大限選ぶということは難しいようなので、そのどちらをどのくらいのバランスで優先するかがイヤーピース選びの目安になってきます。

私の耳は起き耳で耳の入口が広めなため基本的にはLサイズを使用しています。人間の耳の形状はそれだけで個人を識別することができるほど千差万別です。私が良いと思ったイヤーピースが必ず皆さんの耳の形状に合うとは限りません。その点だけはご了承ください。

おすすめイヤーピース

少しだけ締めたい

RHA デュアル・デンシティシリコンイヤーピース

RHA デュアル・デンシティシリコンイヤーピースは適度な固さの軸と柔らかめな傘のシリコンイヤーピースです。Mは約12mm、Lは約13mmです。

  • 高音がわずかに強まる
  • 反響がごくわずかに抑えられる
  • 音場はやや狭まる

反響はごくわずかに抑えられ高音がわずかに強まるため、特に高音域が明瞭になったと感じられます。音場はやや狭まりますが狭いとは感じません。低音の厚みは減らないようです。

SpinFit CP240

SpinFit CP240(Amazon/楽天市場/AliExpress)は傘の大きいシリコンのダブルフランジイヤーピースです。耳の奥まで入れる必要があるため苦手な人は避けてください。下の段の傘の幅が広いのでサイズに注意してください。Sは12.7mm、Mは13.7mm、Lは14.7mmです。私はいつもよりワンサイズ小さいものを選んでいます。

  • 全体的にやや明瞭になる

バランスを保ったまま明瞭になります。反響には変化が少ないため、付属イヤーピースからの音場の狭まりは軽微です。

問題は装着感だけです。フランジタイプなので先端が長いだけでなく傘の幅が広めなため、使い慣れない人は圧迫感を感じたり、痛みを感じる人もいると思います。また、SpinFitシリーズは耳の中に合わせて軸が曲がるように作られているので、初めのうちは入れるのに手間取るかもしれません。

misodiko M410S

misodiko M410Sは表面がビニールコーティングされたウレタンフォーム素材のイヤーピースです。コーティングのおかげで高音の減衰が少なく、響きが吸収されにくく、なかなか優秀です。難点は指で潰した状態をキープしないため耳に無理やり突っ込む必要があることです。Sは11.2mm、Mは13.0mm、Lは14.0mmです。

  • 高音の減衰はかなり小さい
  • 反響が少し抑えられる
  • 低音のアタック感が音量的にわずかに衰える
  • 全体的にタイト

ウレタンフォーム素材としては高音の減衰が小さいので高音不足になりにくいです。低音のアタック感が音量的に衰えますがわずかです。

音の響きと伸びは気持ち良さをなくさない程度に抑えられます。音場は微妙に狭まりはしますがそう極端ではありません。全体的に少しタイトになります。

New Beeのウレタンイヤーピース

New Beeのウレタンイヤーピース(Amazon)は密度が低めなため音質はそれなりですが柔らかく、固いウレタンが苦手な人にも向いたイヤーピースです。Sは10.8mm、Mは12.6mm、Lは12.95mmです。

  • 高音がやや減衰する
  • 低音のアタック感がやや強まる
  • 反響が抑えられる

反響が抑えられるので音場感が若干狭まったと感じますが低音の伸びをまずまずキープしているので、しっかりめに締まるタイプのイヤーピースほどは音の距離感が近くなりません。

高音はやや減衰しますがちょっとマイルドになる程度で、明らかに不足しているとまでは感じません。低音のアタック感は音量的にやや強まります。

しっかり締めたい

以下は音場感が広く感じられる順です。後半に行くほどタイトでキレが良くなって行き、その分音場感が狭まく感じられるようになります。

AET07(AET07a)

これまで型番AET07aで販売されていましたがパッケージ変更で現在はAET07(Amazon/楽天市場)になっています。

  • 高音が少し強まる
  • 中音域が少しあっさりする
  • 低音のアタック感がタイト
  • 反響がやや抑えられる
  • 音場感がやや狭まる

付属イヤーピースでは中・低音域は実際の音よりもボリューム感があるためやや艶やかさが感じられますが、このイヤーピースでは少しあっさりします。ある意味実際の音に近づくので、中音域のボリューム感で音色に変化が出るのが好みでないなら改善します。

final Eタイプ

final Eタイプは色違いが数種類ありますが軸と傘のシリコンの固さが一部違うので音も多少異なります。ブラック以外の色付き各種の差はあまりありませんが色付きと半透明ではだいぶ固さが違います。SSは約10mm、Sは約11mm、Mは約11.7mm、Lは約12.7mm、LLは約13.3mmです。

クリア
  • 反響がやや抑えられる
  • 全体的にタイト
  • 音場感がやや狭まる

反響が抑えられタイトになります。低音もタイトになるので音場感が狭まったと感じられますが後述するシリコンイヤーピースほどではありません。付属イヤーピースで「広め」だと感じたのが「やや広め」になった程度です。

クリアレッド
  • 低音のアタック感が少し強まる
  • 反響がやや抑えられる
  • 全体的にタイト
  • 音場感がやや狭まる

反響が抑えられタイトになります。低音もタイトになるので音場感が狭まったと感じられますが後述するシリコンイヤーピースほどではありません。付属イヤーピースで「広め」だと感じたのが「やや広め」になった程度です。

高音には変化ありませんが低音のアタック感が音量的に少し強まります。

ブラック
  • 高音がほんの少しだけ強まる
  • 低音のアタック感がやや強まる
  • 反響が抑えられる
  • 全体的にタイト
  • 音場感がやや狭まる

反響が抑えられタイトになります。低音もタイトになるので音場感が狭まったと感じられますが後述するシリコンイヤーピースほどではありません。付属イヤーピースで「広め」だと感じたのが「やや広め」になった程度です。

高音は強まりますがわずかです。低音はアタック感が音量的にやや強まります。

radius DEEP MOUNT

radius DEEP MOUNTは先端が膨らんだ形状をしています。耳の入口をしっかり塞ぎ、低音への影響が出やすいイヤーピースです。XSは10mm、Sは11.5mm、Mは12mm、Lは13.2mmです。

  • 高音が少し強まる
  • 反響が抑えられる
  • 全体的にタイト
  • 音場感がやや狭まる

反響が抑えられ全体的にタイトになります。低音もタイトになるので音場感が狭まったと感じられますが後述するシリコンイヤーピースほどではありません。付属イヤーピースで「広め」だと感じたのが「やや広め」になった程度です。

高音が少し強まります。低音はあまり大きな差を感じませんがタイトになったなりに適度な伸びが残っています。

audio-technica SOLID BASS(ホワイトレッド)

audio-technica SOLID BASSは低音に効果が出やすいイヤーピースです。必ずしも強くするわけではなくその名の通り締まる傾向があるようです。XSは約10mm、Sは約11mm、Mは約12mm、Lは約13mmです。

今回おすすめするのはホワイトレッドです。

  • 低音のアタック感が強まる
  • 反響が抑えられる
  • 全体的にタイト
  • 音場感がやや狭まる

次に紹介するJVCスパイラルドット本記事内解説)と傾向が近いです。違いは高音域の音量・低音の伸び・低音のアタック感の強さです。高音域の音量は付属イヤーピースと大きく変わらず、低音の伸びはタイトにキレ良くなっていますがJVCスパイラルドットほどではありません。低音のアタック感はこちらの方が音量的に強いです。

全体的に押し出しの強い音色になりました。打ち込み系やスピード感のある楽曲にも付属イヤーピースよりだいぶ相性が良いです。

ちなみにブラックは高音の主張がホワイトレッドより強くなるので、もしも高音をできるだけ強調したいならブラックの方が良いです。

JVC スパイラルドット

JVCスパイラルドットは内側にドット状のくぼみがあり開口部が広いイヤーピースです。ドットによってイヤーピース内の音を拡散させているとのこと。Sは約10mm、MSは約11mm、Mは約12mm、MLは約13mm、Lは約14mmです。

  • 高音がシャープになる
  • 高音が強まる
  • 反響が抑えられる
  • キレが良い
  • 音場感がやや狭まる
  • ボーカルが少し離れる

反響が抑えられ全体的にキレが良く、音場感はやや狭まったように感じられます。反響は適度に残ってはいるので、ある程度は広がって聞こえます。全体的に付属イヤーピースよりもかなりキレが非常に良く疾走感のある楽曲がかなり気持ち良いです。

高音はシャープで、音量的にもやや大きくなっているため付属イヤーピースよりも高音側に寄ったように感じられます。

ボーカルがわずかに離れたような気がします。中高音が出る楽器演奏が大きめに入っている楽曲だと負けはしないものの少し引いて聞こえることがあります。

付属イヤーピースと比較した場合の変化は大きく、付属イヤーピースで聞こえる音が柔らかすぎる、マイルド過ぎると感じるなら是非試して欲しいイヤーピースです。

クリスタルチップス

クリスタルチップス(1ペア売り/3ペア売り)はウレタンフォーム素材の汎用イヤーピースの中では比較的高音の減衰が小さく、低音の衰えもないイヤーピースです。Lは約13mmです。

  • 高音の減衰は少ない
  • 反響が抑えられる
  • 低音の伸びが抑えられる
  • 全体的に付属シリコンよりタイト
  • 音場感がやや狭まる

反響と伸びが吸収されて全体的にタイトになります。このイヤーピースで低音が大きく減衰することはあまりないのですが、高音側に少し寄ったように感じられます。低音の伸びがだいぶ抑えられたようです。

V2の中低音の伸びを抑えたいと考えるならかなり良いと思います。ただし広がりが抑えられるので、音場はやや狭まります。

低音を弱めたい

SpinFit CP100

Spinfit CP100(Amazon/楽天市場/AliExpress)は薄手シリコンのドーム型イヤーピースです。Lは約13mmです。記事公開時点でAmazonではMサイズ欠品中。

  • 低音の下の方の帯域が衰える
  • 中音域がわずかにあっさりする

低音の下の方の帯域が音量的に衰えるようで低音の伸びが衰えたようです。そのため付属イヤーピースで感じられる厚みがあまり感じられなくなります。低音の伸びの弱まりで中音域がわずかにあっさりし、実際よりふくよかだったのが実際の音に近づきます。反響はさほど変化がないので音の広がりは感じられます。

V2の低音が厚すぎると感じるならおすすめです。

SpinFit CP145

SpinFit CP145(Amazon/楽天市場/AliExpress)は薄手シリコンのイヤーピースです。高音が良く出ます。Sは11mm、Mは12.5mm、Lは13.5mmです。

  • 高音がやや強まる
  • 反響が少し抑えられる
  • 中音域がわずかにあっさりする
  • 低音の下の方の帯域が衰える
  • 低音のアタック感が弱まる

反響は少し抑えられます。低音の下の方の帯域が音量的に衰えるようで低音の伸びが衰えたようです。また、付属イヤーピースで感じられる厚みがあまり感じられなくなります。低音の伸びの弱まりで中音域がわずかにあっさりし、実際よりふくよかだったのが実際の音に近づきます。

V2の低音が厚すぎると感じるならおすすめです。

まとめ

音場感は紹介した順(SpinFitは別枠)に徐々に狭まっていきます。比較すると音場が広い順(つまりは音が締まるのは逆順)に次の通りです。リンク先は本記事内解説です。

付属イヤーピース>RHA デュアル・デンシティシリコンイヤーピースCP240M410SAET07final Eタイプ(クリア)final Eタイプ(クリアレッド)final Eタイプ(ブラック)radius DEEP MOUNTaudio-technica SOLID BASSJVCスパイラルドットクリスタルチップス

激しい楽曲はあまり聞かないので、個人的にはCP240M410S辺りが良さそうでした。ノリの良い楽曲を多く聞く人ならもっとずっと締まるタイプが良いと思います。