2019/11/29 AliExpressセール価格情報(イヤホン)AliExpressセール価格情報(中華リケーブル)を11/29 BLACK FRIDAYセール価格で更新しました。⇒BLACK FRIDAYセールは終了しました。

[レビュー] Yinyoo V2 改良ロット (1) やや低音寄りの柔らかな音色に合う絶妙な高音

AliExpress販売のYinyoo V2は改良ロットとの情報をネットで見たのでEasy earphones(@hulang9078)に問い合わせたところAliExpressの在庫は改良ロットだとのこと。レビュー用に新ロットを提供していただけました。出荷はAliExpressから2019年1月です。

3/12追記:AmazonのYinyoo V2の在庫も改良ロットに置き換わったそうです。初期ロットは完売とのこと。

Yinyoo V2(改良ロット)の画像
音以外は同じです。

レビュー第1回は箱出しからエージング終了後までレビューして行きます。エージング後&付属ケーブルの最終評価だけでよろしければ『エージング200時間~』から後ろだけご覧ください。

製品仕様

初期ロットから仕様の変更はないようです。Amazonの在庫は初期ロットです。改良ロットはAliExpressのWooeasy Earphones Storeで販売されているYinyoo V2ですのでご注意ください。3/12追記:Amazon販売分も改良ロットに置き換わったそうです。

  • ブランド:Yinyoo
  • 型番:V2
  • ドライバ構成:1DD
  • インピーダンス:16Ω
  • 感度:108dB
  • 再生周波数帯域:15-35000Hz
  • ケーブル端子:2PIN(0.78mm)
  • 付属ケーブル:4芯銀メッキ

*現在のYinyoo V2はAmazon、AliExpressともに改良ロットです。
*AliExpressのセール期間は8/26 16:00~

パッケージや付属品、ハウジング形状などは全て同一です。音質以外の評価は初期ロットのレビューをご覧ください。

音質

箱出し

初期ロットは楽曲を選ぶ音色でしたが低音の個性が弱まっています。初期ロットは100時間ほどエージングする必要があったので今回もエージングします。

エージング200時間

放置していたら200時間になっていましたが初期ロットに比べると音の変化が小さいのでさほど必要なかったのかもしれません。

付属イヤーピース(白)

高音域の音量
4.0
★★★★★
★★★★★
中音域の音量
4.0
★★★★★
★★★★★
低音域の音量
3.9
★★★★★
★★★★★
アタック感*
4.1
★★★★★
★★★★★
  • 『アタック感』は低音のアタック感の音量的な大きさです。
  • 全域で音量の差は小さい
  • やや低音寄り
  • 高音に刺激なし
  • 高音は過不足なし
  • 低音域の不足分は厚みとアタック感で補えている
  • 低・中音域に厚みがある
  • 音の距離感のわりに音場が広い
  • 分離と定位はまあまあ
  • クロストークが少ない

周波数特性チェック用のスイープ音源で耳で聞いてチェックした限りでは、高音域の凹凸以外は比較的緩やかな波になっていて、低音域の上の方の帯域と中音域の上の方の帯域がよく出ているようです。やや厚みがある低音寄りに聞こえ、音楽を聞いていると低音域≧中音域≒高音域だと感じることが多いです。音域間の音量差は小さく比較的フラット傾向に近いようです。

高音域は必要なだけ出ており、金属音、スネアなども聞きやすいレベルできれいに鳴っています。中・低音域とのバランスが取れていて、強すぎず弱すぎずなかなか絶妙です。

中音域に目立った凹みはなく、少し濃いです。ボワ付きはなく、まろやかで滑らかな音色だと思います。初期ロットほどではありませんが音の隙間を埋める伸びやかさがあるようで、古い音源や圧縮率が高い音源の粗をごまかしてくれます。

低音域自体がはっきり強いと感じるほどではないので、やや低音寄りと感じる理由は適度な厚みと重みではないかと思います。付属イヤーピースではアタック感もさほど強くはありません。リズムを刻む低音が音量的に控えめなため、ドッドッという低音が入っている楽曲では物足りないです。

初期ロットでは低音域の下の方の帯域が今回の改良ロットよりも出ており伸びと厚みを出していたのですが、やや強すぎたのか飽和感にも繋がっていました。改良ロットでは明瞭に聞こえつつ厚みと伸びを程良く出すように調整されたようです。

情報量については低音域は普通ですが中・高音域はやや多めです。情報量の多さはケーブルにも左右されるので価格帯と付属ケーブルであることを考慮するならまずまずだと思います。

解像度は楽曲によってかなり違って聞こえ、ゆったりした生演奏と相性が良く解像度も高く感じられます。電子楽器の激しい楽曲とは相性があまり良くありません。キレ(レスポンス?)が甘めなのかも。

音の距離感は少しだけ近いようです。しかしこれはイヤーピースを変えてしっかり音を締めた時に気づくもので、低音域のバランス・反響・伸びが上手くコントロールされており音場はむしろやや広く感じることが多いです。上手く騙してくれていると思います。

付属イヤーピースはどちらも低音域を締めすぎず、反響を抑えすぎず、伸びを減らしすぎないタイプなため、全体をもっと明瞭にし低音域を締めようとしてイヤーピースを変更すると音場が狭まることが多いです。

ボーカルは近くも遠くもなく適度です。初期ロットより少し遠くなっています。実際の声よりもわずかに艷やかで低音成分を感じますが個人的には聞きやすくて好きです。ボーカルの高音成分が多いのが好きな人や原音通りの音を好む人には声が若干低く感じられると思います。

付属イヤーピース(グレー)

グレーの方がごくごくわずかに固いようで、全体的なバランスは白と大きくは変わりませんがわずかにタイトです。その分わずかに音の広がりが衰えますが軽微なので、付属イヤーピースで使うならグレー推し。

その他

アンプとDAP

初期ロットでは『再生環境が豪華過ぎることが原因で不満が生じる可能性はある』と書きました。しかし改良ロットについてはアンプや、駆動力のあるDAPを使った方が伸びやかな音色で鳴る傾向があります。所有しているなら積極的に使った方が良いでしょう。

Yinyoo V2(改良ロット)とFiio E12A
イヤーピースはaudio-technica SOLID BASS、ポタアンはFiio E12Aです。

初期ロットとの比較

初期ロットのレビューでは『低音に重点を置いた自然さに豊満さを上乗せしたような、中低音域にボリュームがあるやや濃い音色』と評価しました。相性の良い楽曲では包み込まれるようなふわっとした気持ちよさを感じられる反面、この低音の個性は飽和感と言い換えることもでき、音楽ジャンルや人を選ぶ音色です。私の初期型V2はほぼジャズ専用機になっています。

Yinyoo V2の初期ロットと改良ロットを並べた画像
左が改良ロット、右が初期ロットです。

今回の改良ロットでは低音域の下の方の帯域を音量的に抑えることで飽和感を抑えたバランスに変わっています。これによって初期ロットよりも明瞭になりました。また、控えめだった高音のピークを音量的に強めたことで高音不足は感じにくいです。

高音についてはただ強くなっただけではなく、バランスが変わったことですっきりとし情報量が増え解像度が向上しました。中音域も低音域の影響が減ったので向上していると思います。低音域は解像度の変化というよりも相性の良い音で感じられた生々しさが衰えた気がします。

低音のアタック感がやや弱まっています。厚みと重みも抑えられたので初期ロットほど低音寄りには感じられません。低音成分の少ない楽曲ではむしろ微妙に高音寄りに聞こえることも。

低音域のバランスと反響と伸びで出していた初期ロットのふわっとした広がりは衰えました。飽和感とトレードオフの気持ち良さだったので、相性の良い楽曲の幅を広げるためにはやむを得ないのかなと。個人的には初期ロットもジャンル特化型としてこの音場感を気に入っていたのですが、より多くの人に受け入れられるのは改良ロットだとは思います。

また、豊満さも衰えたため中・低域の艶やかさもだいぶ衰えました。古い音源や圧縮率の高い音源で確認するとまだ実際の音よりまろやかにしてくれているのが分かるのですが、初期ロットと相性の良い楽曲で感じる生々しい中・低域ではなくなってしまいました。

ボーカルが初期ロットよりやや遠くなったと感じることがあります。わずかではあるのですがボーカルを常に前面に出して聞きたい人にはたまに不満を感じる瞬間があるかもしれません。

初期ロットを持っている人に更に改良ロットをおすすめするかは迷うところです。特に初期ロットの豊満さを気に入っている人には物足りなさを感じる可能性が高いのではないかと思います。あっさりしたわけではないのですが明瞭さを低音域のバランス変更で実現したため初期ロット基準で聞くとだいぶ素直な音になっています。個性的とまでは言えないです。

総評

改良版V2はマイルドで広い音場が気持ちよく、耳触りの良いリスニング系イヤホンです。最近購入した耳触りの良い音色のイヤホンと言うとCCA C10がありますが、更にマイルドで柔らかい音色です。

私が耳で聞いた時の音量のバランスは低音域≧中音域≒高音域だと感じます。低音域にはやや厚みがありどっしりし過ぎず、高音域は絶妙なバランスで良い意味で過不足なくコントロールされています。初期ロットの個性は豊満な低音域にありましたが、改良ロットの個性は高音域の質と絶妙なバランスかもしれません。

音の距離はやや近いもののそれに気づきにくいです。反響と伸び、そして改良されたことで抑えられはしましたが残された低音域のバランスで距離感以上に音場を広く感じさせることに成功しています。それがとても上手くて感心しました。

音の輪郭の柔らかさは一定の明瞭さを保ちつつぼやけないギリギリのところです。すべての楽曲ではありませんが、見通しがいまひとつだと感じる場合もあります。飽和感とは違う、空いている空間を音の響きがまろやかに埋めているイメージです。

生楽器演奏との相性が良く、電子楽器との相性はあまり良くありません。この点はイヤーピースの影響を受けやすいので反響と伸びが抑えられるイヤーピースでキレを向上させることはできますがやはり限度があり、激しさやスピード感を求める楽曲には向きません。

低音域のタイトさもイヤーピース変更で反響を抑えることで調節可能です。ただし音場感における反響と伸びの影響は初期ロットより大きいため、タイトさを優先すると音場を広く感じさせることが難しくなっていきます。

相性が悪い楽曲でなければV2本来の音はまずまず明瞭で、しかし付属イヤーピースだとまだぼやけて聞こえることがあります。音場の広さを多少犠牲にしてでもイヤーピース交換をして欲しいです。びっくりするくらいに変わりますよ。おすすめイヤーピースについては次回の記事でレビューします。

ゆったりした生楽器演奏の楽曲を好む人、マイルドなイヤホンが欲しいけれど微妙に高音不足を感じて気に入るものを見つけられない人におすすめです。特に後者のケースでは満足できる可能性が高いと思います。

私が聞く曲ではニュー・シネマ・パラダイスのサントラのようなゆったりした生楽器演奏の映画音楽と非常に相性が良かったです。

逆におすすめできないのは、初期型V2の豊満さと音の広がりを気に入っているもののもう少し明瞭さが欲しいと感じて改良版の購入を検討している人、イヤホンにマイルドさは求めていないと言う人、スピード感のある電子楽器音を好む人です。

初期型V2のほどの濃厚さはないため、あの音のまま明瞭になったのを期待して購入するとがっかりするかもしれません。また、やはりシャープなドンシャリのイヤホンに慣れた耳ではぼんやり感じられる人は少なくないと思います。柔らかな音色を好む人の耳となら相性が良いでしょう。

しかしこの柔らかい音色と刺激に過不足がない絶妙な高音の主張を両立できているイヤホンは意外とないのではないでしょうか。

ちなみに所有しているイヤホンの中でマイルドさが近いのは強いて言うならHiFiHear F30NICEHCK P3(この2つは実質ほぼ同じイヤホン?)ですが、Yinyoo V2の方がもっと明瞭で高音がきれいに出ています。F30とP3が購入候補に入っているならYinyoo V2も候補に入れて欲しいです。

Yinyoo V2(改良ロット)のレビュー第2回はおすすめイヤーピース編です。初期型V2のリケーブル編は遅くなっていてすみません…。

Yinyoo V2 – Wooeasy Earphones Store