今回はYinyoo Q70(Amazon)のレビューです。エージング後&付属ケーブルの最終評価だけでよろしければ『エージング30時間~』から後ろだけご覧ください。
- イヤホンレビューの見方や用語の説明などは『当ブログのイヤホン・ヘッドホンレビューの見方(2018/10/24版)』をご覧ください。
目次
製品仕様
- ブランド:Yinyoo
- 型番:Q70
- ドライバ構成:1BA+1DD
- Bluetooth Ver.:5.0
- 対応コーデック:SBC, apt-X
- チップセット:QCC3020
- 再生周波数帯域:20Hz-20000Hz
- 連続使用時間:8時間
- バッテリー容量:本体 55mAh/ケース 360mAh
- Amazon 4,299円
外箱はシンプルで小型です。
同梱物は充電ケース、USB-Cケーブル、傘型のシリコンイヤーピース1種類3サイズ、説明書(中国語・英語)です。
充電ケースは金属でやや重め、横に置くタイプです。接触面が浮いて充電できていないことがあったのでちょっと押し付けてランプが付くのを確認した方が良さそう。
手前にバッテリー残量のインジケーターランプがあります。
ハウジングは少し大ぶりな気もしますが、固定する上では有利なのではないかと思います。
背面はタッチセンサーになっています。
音質
箱出し
きっちり耳をふさいでいるポイントでは低域に少し量感があるフラット気味かつ低音寄り弱ドンシャリですが、少しでも装着が甘いと低音寄りとは感じられなくなります。
エージング30時間~
耳からうどん型のハウジングはそもそも私の大きめ起き耳とは相性があまり良くなく、付属イヤーピースでは左右逆に装着して再生側のLRを逆にするか、普段は左L右Mのイヤーピースを選択するところ左M右Lのイヤーピースを選択してアンテナ(棒)の部分があらぬ方向を向くことでどうにかうまく装着できるようでした。
しかしA-FocusのTWS用シリコンイヤーピース(Amazon)で容易かつきっちり固定できたので、今回は付属イヤーピースではなくA-Focusのイヤーピースを使用します。ただしぴったり押し付けて装着すると低音の量が増えすぎるためささっと取り付けて浅すぎないくらいの装着で評価していきます。
主な確認環境はPC→REIYIN WT-HD06(Amazon)でapt-X接続、音源はFLACファイル・Youtube動画・Amazon Musicなどです。他、スマホ(Xperia X Performance)とFiio X7 MKⅡでも確認しています。
- 『高音の主張』は金属音などの目立ち具合です。
- 『アタック感』は低音のアタック感の音量的な強さ(ドンシャリのドンの強さ)です。
- 高音の主張は過不足なし
- 低音にやや量がある
- 重低音は弱め
- アタック感は適正か若干強め
周波数特性チェック用のスイープ音源を耳で聞いてチェックした限りでは低域の上の方が少し盛られて厚みが出ている点と高音の凹凸以外は比較的フラット傾向に近く聞こえます。耳からうどん形状は耳の形状との相性次第できっちり塞げる人から落ち着かないくらいに浅くなる人までいると思うのですが、そのせいで特に低域の聞こえ具合に違いが出そうです。私の耳+A-Focusのイヤーピースであまりピッタリ押し付けないくらいの装着では軽く低音域寄り。
高音域の主張は過不足ない程度です。金属同士が当たる音でもきつさはなく、しかし不満を感じないくらいです。あっさり過ぎはしませんが伸びはほどほど。シンバルなどはちょっと線が細く感じられます。
中音域はよく聞くと軽微な凹凸はあるものの比較的フラットに聞こえます。サ行の不快感はなく、音量的に小さめということもありません。人の声は少し低音成分多めで実際の声より少しだけ低音寄りに聞こえる気がします。
低音域はやや量が多く、全体に若干の濃さをもたらしています。あまりきっちり装着しすぎると量が増えて音の輪郭が緩くなり明瞭さが落ちてしまうので、特にこの点においてあまり深く装着しないことをおすすめします。
下の方はあまり出ておらず、EDMなどで重低音が強く出る部分だけ軽くなってしまいます。沈み込み重視の人は不満が大きいでしょう。ただしアタック感が若干強いことで不足感が補えているのか、大抵の楽曲ではさほど気になりませんでした。
音の距離感は普通、音場の広さも普通です。分離と低位は良好です。情報量と解像度もまずまず良いと思います。ただし現実の音よりも高音の鋭さがないので高音の解像度が惜しいと感じる人もいるかもしれません。
その他
装着感
耳からうどん型としては普通なのではないかと思います。耳が起きている人で装着が浅くなりすぎるならA-FocusのTWS用シリコンイヤーピースで楽に装着できるようになるかもしれません。
音漏れ・遮音性
上手く装着できていれば遮音性はまあまあ、音漏れもさほど気にならないようです。
ホワイトノイズ
ホワイトノイズは中年の耳ではかなり小さいです。音量の小さい楽曲でも気になりません。
連続再生時間
公称値は7~8時間で、実際にもそれくらいなようです。
通信強度
Q70の通信用度は非常に優秀で距離にも遮蔽物にも強めです。所有するBluetoothオーディオ機器の中でも特に遮蔽物に強く、リビングに送信機を置いて木のドアを閉めダイニングを通って他のTWSでは切れ始める距離にある台所をうろうろしても途切れません。
耳からうどん型は初だったので当初はアンテナが棒状だからかと思っていましたが、その後もう1種類うどん型を購入したところそちらは棒が出ていないTWSと同程度か少し劣るくらいでした。やはりQ70の通信強度はかなり優秀だと思います。
自宅内ではWi-Fiとの干渉は気になりません。日頃TWSの屋外使用はしないため屋外や人の多い場所等では確認していません。
タッチセンサー
非常に操作性が良くないです。私は正常に動作させることがほぼできません。Q70の唯一最大の不満点です。Twitter上でも同様のツイートを多く見たので、個体差ではなく仕様が良くないようです。
総評
若干浅めに装着するくらいがちょうどよく聞こえる位置のような気がします。耳からうどん型なので大抵の人はそうなると思いますし、それを考慮に入れたバランスになっていると感じました。ぴっちり耳が塞がるとベースラインが強く低音の量がやや多くなって明瞭さが落ちてしまいます。
タッチセンサーは最悪です。慣れれば大丈夫というツイートも見かけましたが私はほぼ操作できません。
しかし個人的にはそれでも使用頻度高めです。自宅内で移動しながら使うのに必要な距離と遮蔽物に強いので、キッチンにコーヒーを淹れに行ったりトイレに行ったりする時に外さなくて良いのが非常に快適です。
バランスが良く聞き疲れない音質で長時間のリスニングに向いています。低音から高音まであまり鋭い音が出ないので作業に集中したい時にも良いです。
Yinyoo Q70をおすすめできるのは、あまり楽曲を選ばないTWSが欲しい、重低音はさほど重視しない人です。装着が甘くなる場合はA-Focusのイヤーピース(Amazon)をおすすめします。
逆にYinyoo Q70をおすすめできないのは、タッチセンサーの感度が悪いのが許せない人、重低音・沈み込みを重視する人です。特に重低音については耳にきっちり押し付けても弱いので、装着の問題ではないと思います。