BGVP DMG(以下DMG)の付属イヤーピースは特に黒シリコンと半透明シリコンの傘部分が薄く、人によっては上手くはまらないのではないでしょうか。ぐっと突っ込むとペコペコするので私は装着するのに手間取ります。しかし市販の汎用イヤーピースに相性の良いものがかなり多く、上手く選ぶことで微妙な音のコントロールも可能です。
私の耳は起き耳で耳の入口が広めなため基本的にはLサイズを使用しています。人間の耳の形状はそれだけで個人を識別することができるほど千差万別です。私が良いと思ったイヤーピースが必ず皆さんの耳の形状に合うとは限りません。その点だけはご了承ください。
付属黒シリコンイヤーピースを基準にして評価しています。ちなみに黒シリコンのサイズはSは約9.5mm、Mは約11.5mm、Lは約13.5mmです。おすすめイヤーピースでサイズを書いていないものはサイズが公表されていないか、所有しておらず計測できないものです。
数が多いのでまず目次から選んでいただけると探しやすいと思います。
目次
黒フィルター
付属黒シリコンに似たタイプ
FIELD GEAR 9個セット(L)
FIELD GEARのイヤーピース(Lサイズ/Mサイズ/Sサイズ)は開口部の広いタイプです。DMG×黒フィルターとの相性はかなり良いです。Lは13.5mmです。
- 低音のアタック感強め
- 低音が締まる
- ボーカルが付属黒シリコンよりちょっとだけはっきり
Lサイズは付属黒シリコンのLサイズとほぼ同じ形状です。Sサイズは同形状か不明、Mサイズは微妙に違うので、Lサイズ使用の方にのみおすすめします。音の傾向も同じですが、こちらの方が少しだけ厚いためか締まりとアタック感がある低音を出してくれます。また、ボーカルがほんのちょっとだけ近づいてはっきりします。
付属黒シリコンを使っている人の交換用や、付属黒シリコンを耳に突っ込むと歪んで隙間ができてしまい装着に手こずる人におすすめです。
JVC EP-FX2(クリア)
JVC EP-FX2も付属黒シリコンと似た形状です。MとLで形状が近いことを確認しました。商品画像を見る限りではSも似た感じに見えます。ホワイト、ブラックよりもコシのあるクリア限定でおすすめ。SSは9mm、Sは10mm、Mは12mm、Lは14mmです。
- 付属黒シリコンに音の傾向が近い
- ボーカルが少し出て近寄る
上で紹介したFIELD GEARの方が付属黒シリコンに形状が近いのですがLサイズしかおすすめできないのでS・Mサイズを使用している方にはこちらを。
AZLA SednaEarfit
AZLA SednaEarfitは開口部が広く軸が固めなドーム型のシリコン製イヤーピースです。背は低いですが軸が少し長くなっているので音の出口から距離を取ることができます。SSは10.4mm、Sは11.2mm、MSは11.9mm、Mは12.6mm、MLは13.3mm、Lは14mmです。
- 高音が付属黒シリコンより出て付属半透明シリコンほどは出ない
- 低音が広がり過ぎない
付属黒シリコンと付属半透明シリコンのいいとこ取りな音色です。付属黒シリコンで中音域が遠い・小さい、付属半透明シリコンで低音が強すぎる、付属青シリコンは音が近すぎる、という場合におすすめです。
メリハリの強化
radius DEEP MOUNT
radius DEEP MOUNTは先端が膨らんだ形状をしています。耳の入口をしっかり塞ぎ、低音への影響が出やすいイヤーピースです。XSは10mm、Sは11.5mm、Mは12mm、Lは13.2mmです。
- 中高音域がややはっきりめ
- 低音が広がりすぎない
- 低音のアタック感強め
音は付属黒シリコンと付属青シリコンの間くらいに近づき中高音域がはっきりします。中高音域を付属黒シリコンよりも出したいけれど付属青シリコンは音が近すぎると感じるなら良さそうです。
低音が広がり過ぎず締まり過ぎず、アタック感は音量的に強まるので適度にメリハリが出る気がします。
SpinFit CP145★要ひと手間★
SpinFit CP145(Amazon/楽天市場/AliExpress)は薄手シリコンのイヤーピースです。高音が良く出ます。Sは11mm、Mは12.5mm、Lは13.5mmです。
軸の口径がDMGには大きく抜けてしまうのでひと手間かける必要があります。⇒『BGVP DMGに軸の内径が大きいイヤーピースを使う方法』
- 高音が強まる
- ボーカルが少し近寄る
- ボーカルが音量的に強まる
- 低音のアタック感が音量的に若干弱まる
全体的に高音側にシフトし中音域も出てきます。低音のアタック感がやや弱まり、低音と高音の音量バランスが近い弱ドンシャリになったように感じられます。
高音は欲しいけれど銀フィルターでは強すぎる、黒フィルターの低音のアタック感が強すぎると感じるなら良いと思います。ひと手間必要ですがKZ標準の溝入りイヤーピースが余っているならおすすめです。
高音も低音も弱めたい
A-focus es-SennheiserCX300-12
A-focusのイヤーピースes-SennheiserCX300-12はSennheiser CX300向けで販売されていますが軸の内径が3.8mmですので多くのイヤホンに適合します。Sは9.5mm、Mは11.5mm、Lは13.5mmです。
- 中音域が出てくる
- ボーカルがやや近寄る
- 低音のアタック感が音量的に弱まる
中音域が出るのでボーカルも音量的に上がり、やや近寄ったように感じられます。また、低音のアタック感が音量的にほんの少しだけ弱まっている気がします。この事もあって中音域が聞こえやすくなっているのだと思います。
付属イヤーピースでボーカルが聞こえづらい・もっとはっきり聞きたいと感じるならこれが良いと思います。
A-Focus es-T1
A-Focus es-T1は球形のシリコン製汎用イヤーピースです。Sは約10mm、Mは約11mm、Lは約12mmです。
- 高音の主張が少し抑えられる
- 低音のアタック感が少し弱まる
高音の主張が少し抑えられるようで金属音などが目立ちにくくなります。サ行の不快感がごくわずかに改善しているような気がします。低音のアタック感は音量的にやや弱まり、音の濃度が少し衰えたように感じられます。
高音と低音の主張が弱まることで中音域がいくらか聞こえやすくなります。DMGの個性も弱まりますがその分楽曲を選びにくくなるので、普段よく聞く楽曲との相性が悪いなら試してみて良いと思います。
ANJIRUI シリコンイヤーピース(M)
ANJIRUI シリコンイヤーピース(AliExpress)はAliExpressで取り扱いのあるイヤーピースです。開口部が広いタイプ。SMLサイズがあるようですが商品ページではMサイズ(12mm)しか販売されていません。
- フラット傾向に近寄る
- 高音域がやや減衰
- 低音域がやや減衰
- 低音のアタック感がやや弱まる
高音も低音も音量的に衰えますが意外といい感じのバランスでフラット傾向に近寄りました。
低音を弱めたい
JVCスパイラルドット
JVCスパイラルドットは内側にドット状のくぼみがあり開口部が広いイヤーピースです。ドットによってイヤーピース内の音を拡散させているとのこと。Sは約10mm、MSは約11mm、Mは約12mm、MLは約13mm、Lは約14mmです。
- 高音は不足なくキープ
- 低音のアタック感がやや弱まる
- ボーカルが出てくる
- 適度で全体的な音の広がり
全体的に音が広がります。付属半透明シリコンのような低音の響き過ぎはなくバランスが良いです。
ボーカルは近づくことなく明瞭に出てきます。低音のアタック感が弱まることもあって非常に聞きやすくなります。しかし楽曲によってはもっとボーカルが出て欲しいと感じることがまだありました。
高音を弱めたい
keepjoy
keepjoyのウレタンイヤーピースはウレタンフォーム素材の汎用イヤーピースの中では比較的高音の減衰が小さいイヤーピースです。マケプレ中国発送なため到着まで3週間位かかるのがネックといえばネック。Mは約12mm、Lは約13mm。
- 高音の減衰は小さい
- 中音域は濃すぎずあっさり過ぎず
- 低音のアタック感が音量的に弱まる
高音の減衰が小さく低音のアタック感が弱まるため全体的に高音側にシフトしややフラット傾向に近寄ったように感じられます。中音域は濃すぎずあっさりし過ぎず聞きやすいです。ボーカルの息遣いがリアルになります。
misodiko M410S
misodiko M410Sは次で紹介するM490と似ていますがこちらは表面がツルツルしているため高音が減衰しにくいです。難点は指で潰した状態をキープしないため耳に無理やり突っ込む必要があることです。Sは11.2mm、Mは13.0mm、Lは14.0mmです。
- 高音の減衰は小さい
- 中音域が音量的に強まる
- 低音のアタック感しっかりめ
紹介するウレタンフォーム素材のイヤーピースの中では高音の減衰が小さいためシャキッと感がキープできます。ボーカル含む中音域が音量的に強まる(実際は高音と低音が適度に減衰している?)ので付属イヤーピースではボーカルが聞き取りづらいと感じる人にもおすすめです。
響きが残りやすいのでウレタンフォーム素材でタイトになり過ぎるのを避けたい場合にも有効です。
ANJIRUI T400
ANJIRUI T400は安価なウレタンフォーム素材のイヤーピースです。AliExpressで購入できます。類似のイヤーピースはAliExpressの複数の店で取り扱われていますがKZのウレタンイヤーピースと見た目が似ているので他の店で販売のものが同一かは分かりません。Mは約12mmです。
- 高音の減衰は小さい
- 低音は程々にタイト
- ボーカルが自然
付属黒ウレタンにやや感触が似ています。高音の減衰はわりと小さく低音も抜けてしまっていないのでなかなかバランスが良いです。シリコンよりは楽曲を選びにくくなります。
クリスタルチップス★要ひと手間★
クリスタルチップス(1ペア売り/3ペア売り)は比較的高音の減衰が小さく、低音の衰えもないイヤーピースです。Lは約13mmです。
Mコアの軸の口径がDMGには大きく抜けてしまうのでひと手間かける必要があります。⇒『BGVP DMGに軸の内径が大きいイヤーピースを使う方法』
- 高音の減衰は小さい
- 高音の主張がやや抑えられる
- 低音がタイト
高音の主張だけ見るとkeepjoy(本記事内解説)の方が残るのですが低音はクリスタルチップスの方が残り、付属黒シリコンよりもやや中低音側にシフトします。
付属黒シリコンよりもちょっとだけ高音を抑えたいと感じるならおすすめです。ただしAliExpressで購入できるダブルフランジイヤーピースの軸が必要です。
金フィルター
付属黒シリコンに似たタイプ
JVC EP-FX2(クリア)
JVC EP-FX2も付属黒シリコンと似た形状です。MとLで形状が近いことを確認しました。商品画像を見る限りではSも似た感じに見えます。ホワイト、ブラックよりもコシのあるクリア限定でおすすめ。SSは9mm、Sは10mm、Mは12mm、Lは14mmです。
- 付属黒シリコンに音の傾向が近い
- ボーカルが近寄る
- 音場が少し狭まる
音場が少し狭まりボーカルも近づきます。金フィルターの聞き疲れない音色のまま黒フィルターの距離感になったようなイメージです。
メリハリを強化したい
JVC スパイラルドット
JVCスパイラルドットは内側にドット状のくぼみがあり開口部が広いイヤーピースです。ドットによってイヤーピース内の音を拡散させているとのこと。Sは約10mm、MSは約11mm、Mは約12mm、MLは約13mm、Lは約14mmです。
- 高音がちょっとだけ強まる
- 分離が適度
高音が適度に出るので付属黒シリコン・半透明シリコンでは高音不足、付属青シリコンでは高音に寄り過ぎると感じる場合に良さそうです。
DMGは分離の良い音色ですがこのイヤーピースにすると分かれすぎとも混ざりすぎとも感じない適度な具合になりバランスの良い音の広がりだと思います。
ROOM28
ROOM28は安価な汎用イヤーピースですが意外と出来が良く、相性の良いイヤホンではかなりお得感のある音を出してくれます。Sは11.5mm、Mは12.5mm、Lは14mmです。
- ややメリハリ
- 低音がやや濃い目
- 低音の伸びが感じられる
金フィルターはややマイルドな音色なため音源とイヤーピースの組み合わせによっては生楽器演奏が若干もやっと柔らかすぎる音になってしまいますがこのイヤーピースでは他のイヤーピースよりもメリハリが感じられます。
audio-technica SOLID BASS(ホワイトレッド)
audio-technica SOLID BASSは低音に効果が出やすいイヤーピースです。必ずしも強くするわけではなくその名の通り締まる傾向があるようです。XSは約10mm、Sは約11mm、Mは約12mm、Lは約13mmです。
今回おすすめするのはホワイトレッドです。ブラックは金属音がシャリつく気がします。
- 付属黒シリコンより高音が出る
- ボーカルがやや近づく
金フィルターは黒・銀フィルターほど高音の主張がないため耳触りが良い分、楽曲によっては物足りなさを感じるのですが、このイヤーピースでは比較的高音が出ているようです。
final Eタイプ(ブラック)
final Eタイプは色違いが数種類ありますが傘部分のシリコンの固さが違うので音も多少異なります。色付き各種の差はあまりありませんが色付きと半透明ではだいぶ固さが違います。SSは約10mm、Sは約11mm、Mは約11.7mm、Lは約12.7mm、LLは約13.3mmです。今回のおすすめはブラックです。
- 中音域が明瞭
- ボーカルが少し近づく
- 低音のアタック感がしっかりめ
ボーカル含む中音域がくもりやすい楽曲も明瞭に聞くことができます。低音のアタック感は芯の密度が増す印象です。
KEITHNICO
商品名はKEITHNICOですが他のショップでも同じ色・形状のイヤーピースが売られています。よく似ているもののシリコンの厚みが異なる製品もあるようなのでこのショップの販売品のみでおすすめ。Sは約11mm、Mは約12mm、Lは約13mmです。
- 全体のバランス良し
- 低音のアタック感しっかりめ
私は他のイヤーピースだとLサイズを選ぶことが多いですがこのイヤーピースはMサイズの方が合いました。大きめなわけではないので耳の形状との兼ね合いだと思います。これによって耳の入り口付近ではなくもう少し奥をきっちり塞ぐことができるためか低音のアタック感が少し強めに出るようです。
SpinFit CP145★要ひと手間★
SpinFit CP145(Amazon/楽天市場/AliExpress)は薄手シリコンのイヤーピースです。高音が良く出ます。Sは11mm、Mは12.5mm、Lは13.5mmです。
軸の口径がDMGには大きく抜けてしまうので一手間かける必要があります。⇒『BGVP DMGに軸の内径が大きいイヤーピースを使う方法』
- ややシャープ
- 高音の主張が強まる
- 低音のアタック感が音量的に若干弱まる
金フィルターへのおすすめイヤーピースの中では一番高音の主張が強いです。しかし黒フィルターより穏やかであることに変わりありません。高音不足の物足りなさを感じるならかなり良いと思います。
ただしAliExpressで取り扱いのトリプルフランジイヤーピースかKZ標準の溝入りイヤーピースの軸が必要です。
よりマイルドにしたい
radius DEEP MOUNT
radius DEEP MOUNTは先端が膨らんだ形状をしています。耳の入口をしっかり塞ぎ、低音への影響が出やすいイヤーピースです。XSは10mm、Sは11.5mm、Mは12mm、Lは13.2mmです。
- 中音域が出る
- ボーカルが近づく
- 若干締まりが緩む
- 耳触りが更に良くなる
中音域が音量的に強まります。そのためか金フィルターとの組み合わせの中では一番ボーカルが近づき音量的にも大きく感じられます。
低音への影響からか音の伸びか反響がわずかに増したようで若干締まりが緩んでタイトさが衰えます。更に耳触りが良くなり広がりが出たとも言えますがぼんやりとしたと感じる人もいるだろうと思います。よりマイルドな音色を求めるなら悪くないです。
高音を弱めたい
金フィルターは高音が強くないためシリコン製イヤーピースの方がおすすめです。あくまで付属ウレタンを使っている人の代替品としての提案です。
ANJIRUI T400
ANJIRUI T400は安価なウレタンフォーム素材のイヤーピースです。AliExpressで購入できます。類似のイヤーピースはAliExpressの複数の店で取り扱われていますがKZのウレタンイヤーピースと見た目が似ているので他の店で販売のものが同一かは分かりません。Sは11mm、Mは12.5mm、Lは13.5mmです。私はいつもより小さいMサイズ使用。
- 高音の減衰は小さい
- 低音は程々にタイト
- ボーカルが自然
高音の減衰はわりと小さく低音も抜けてしまっていないのでなかなかバランスが良いです。シリコンよりは楽曲を選びにくくなります。付属黒ウレタンにやや感触が似ているので付属品の劣化に伴う交換用におすすめです。
misodiko M410S
misodiko M410Sは表面がツルツルしているため高音が減衰しにくいです。難点は指で潰した状態をキープしないため耳に無理やり突っ込む必要があることです。Sは11.2mm、Mは13.0mm、Lは14.0mmです。
- 高音の減衰は小さい
- 中音域が音量的に強まる
- ボーカルが近づく
- 低音のアタック感しっかりめ
紹介するウレタンフォーム素材のイヤーピースの中では高音の減衰が小さいためシャキッと感がキープできます。ボーカル含む中音域が音量的に強まる(実際は高音と低音が少し減衰している?)ので付属イヤーピースではボーカルが弱いと感じる人にもおすすめです。
keepjoy
Keepjoyのウレタンイヤーピースはウレタンフォーム素材の汎用イヤーピースの中では比較的高音の減衰が小さいイヤーピースです。マケプレ中国発送なため到着まで3週間位かかるのがネックといえばネック。Mは約12mm、Lは約13mm。
- 高音の減衰は小さい
- 低音がタイト
- 音場が狭まりにくい
- 低音のアタック感が弱まる
ウレタン素材のイヤーピースの中では音場を狭めにくいようです。低音のアタック感が音量的に少し弱まるため中音域が出てきたように感じられますがボーカルは近寄って来ません。
クリスタルチップス★要ひと手間★
クリスタルチップス(1ペア売り/3ペア売り)はウレタンフォーム素材の汎用イヤーピースの中では比較的高音の減衰が小さく、低音の衰えもないイヤーピースです。Lは約13mmです。
軸の口径がDMGには大きく抜けてしまうのでひと手間かける必要があります。⇒『BGVP DMGに軸の内径が大きいイヤーピースを使う方法』
- 高音はちょっとだけ減衰
- サ行の不快感が軽減
- 低音がタイト
ウレタンフォーム素材なのでシリコンよりは衰えますが高音の減衰は最低限で、サ行の不快感が幾分軽減します。低音のアタック感は弱まりませんがタイトになるので、付属黒シリコンイヤーピースや付属半透明イヤーピースと比べると主張が少し弱まったように感じることがあります。
銀フィルター
付属黒シリコンと似たタイプ
FIELD GEAR 9個セット(L)
FIELD GEARのイヤーピース(Lサイズ/Mサイズ/Sサイズ)は開口部の広いタイプです。Lは13.5mmです。
- 低音のアタック感強め
Lサイズは付属黒シリコンのLサイズとほぼ同じ形状です。Sサイズは同形状か不明、Mサイズは微妙に違うので、Lサイズ使用の方にのみおすすめします。音の傾向も同じですが、こちらの方が少しだけ厚いためかアタック感がある低音を出してくれます。
付属黒シリコンでLサイズを使っている人の交換用や、付属黒シリコンを耳に突っ込むと歪んで隙間ができてしまい装着に手こずる人におすすめです。
メリハリを強化したい
final Eタイプ(ブラック)
final Eタイプは色違いが数種類ありますが傘部分のシリコンの固さが違うので音も多少異なります。色付き各種の差はあまりありませんが色付きと半透明ではだいぶ固さが違います。SSは約10mm、Sは約11mm、Mは約11.7mm、Lは約12.7mm、LLは約13.3mmです。今回のおすすめはブラックです。
- 中高音域が伸びる
- 低音のアタック感が音量的に強まる
- ボーカルがごくごくわずかに離れる
銀フィルターで高音の刺激が強いところに低音のアタック感が音量的に強まるのでドンシャリ感があります。中高音域がやや伸びやかになり、若干マイルドになった印象を受けます。
ボーカルがごくごくわずかに離れるようです。付属イヤーピースでボーカルをちょっとだけ離したい・音量を下げたいと思うなら合うかもしれません。
ちなみにクリアレッドだとブラックほど低音が強くならないので低音を変えたくないならクリアレッドの方が合うと思います。
高音を弱めたい
AET08
AET08(楽天市場)は現在eイヤホンにしか取り扱いがないため送料がかかります。Lは約13mmです。
- 高音の主張が軽減
- サ行の不快感が軽減
- 中低音域が少しあっさりする
サ行の不快感がいくらか軽減します。金属音の主張もやや抑えられます。中低音域は少しあっさりするので、濃さを衰えさせたくないなら向かないです。
SONY ハイブリッドイヤーピース
SONY ハイブリッドイヤーピースは傘が柔らかいイヤーピースです。SMLの他SSとLLもあります。Mは約12mm、Lは約12.5mm、LLは約13mmです。
- 高音の主張がやや抑えられる
- サ行の不快感がちょっとだけ抑えられる
刺さりの強い歌手の楽曲で確認しているのですっかり解消されるわけではないのですが、いくらか気になりにくくなります。金属音の主張も弱まるので、黒・金フィルターより高音が欲しいけれど銀フィルターはちょっときついと感じる人には良さそうな組み合わせです。
ただし銀フィルターは黒・金フィルターより低音が控えめなため、逆にややおとなしめになる場合があります。
misodiko M410S
misodiko M410Sは表面がツルツルしているため高音が減衰しにくいです。難点は指で潰した状態をキープしないため耳に無理やり突っ込む必要があることです。Sは11.2mm、Mは13.0mm、Lは14.0mmです。
- 高音の減衰は小さい
- 低音のアタック感しっかりめ
紹介するウレタンフォーム素材のイヤーピースの中では高音の減衰が小さいためシャキッと感がキープできます。ウレタンフォーム素材のイヤーピースの方が好みで銀フィルターの高音はできるだけ残したいならこれが良さそうです。
響きが残りやすいのでウレタンフォーム素材でタイトになり過ぎるのを避けたいならありなイヤーピースです。
コンプライ Ts-400
コンプライTs-400は球形のウレタンイヤーピースです。コンプライのイヤーピースは低音への効果が高く、しかし高音を減衰させるので一長一短です。また、ウレタンフォーム素材のイヤーピースの中では値段が高めかつ交換サイクルが早いためコスパは良くありません。Sは12.27mm、Mは13.31mm、Lは14.48mmです。
- 高音が減衰
- 低音がタイト
コンプライは高音が減衰しやすいので高音が辛いなら衰えさせることができます。低音はタイトで不足なし。銀フィルターのシャキッと感が気に入っているものの高音がきつすぎるなら良いと思います。
クリスタルチップス★要ひと手間★
クリスタルチップス(1ペア売り/3ペア売り)は比較的高音の減衰が小さく、低音の衰えもないイヤーピースです。Lは約13mmです。
軸の口径がDMGには大きく抜けてしまうのでひと手間かける必要があります。⇒『BGVP DMGに軸の内径が大きいイヤーピースを使う方法』
- 高音の減衰は小さい
- 高音の主張がやや抑えられる
- 低音がタイト
付属黒シリコンよりもやや中低音側にシフトします。
AliExpressで購入できるダブルフランジイヤーピースの軸が必要なので、AliExpressアカウントをお持ちの方でないと使うことができません。
低音を強めたい
radius DEEP MOUNT
radius DEEP MOUNTは先端が膨らんだ形状をしています。耳の入口をしっかり塞ぎ、低音への影響が出やすいイヤーピースです。XSは10mm、Sは11.5mm、Mは12mm、Lは13.2mmです。
- 高音の主張がやや抑えられる
- サ行の不快感がちょっとだけ抑えられる
- 低音のアタック感が強まる
刺さりの強い歌手の楽曲で確認しているのですっかり解消されるわけではないのですが、いくらか気になりにくくなります。金属音の主張も少しだけ弱まるので、黒・金フィルターより高音が欲しいけれど銀フィルターはちょっときついと感じる人には良さそうな組み合わせです。
低音のアタック感はおすすめする中でも特に強まります。引き締まりすぎないので適度な広がりを感じることもできます。
KZ標準 溝入りイヤーピース
中華イヤホン好きなら高確率で余らせているであろうKZイヤホンに付属するイヤーピースです。Sは約10mm、Mは約12mm、Lは約13.5mmです。イヤーピース単体も売られています。⇒KZ Eartips 3 Pairs(6pcs) L M S In Ear Tips Earbuds
- 低音の伸びが増す
- 低音の量感が増す
相性が悪いイヤホンでは締まり不足を感じられることもあるKZ標準の溝入りイヤーピースですが、銀フィルターのキレのある音では低音の伸びによって量感が増すように感じられます。ドンシャリのドンが強化される感じです。
KEITHNICO
商品名はKEITHNICOですが他のショップでも同じ色・形状のイヤーピースが売られています。よく似ているもののシリコンの厚みが異なる製品もあるようなのでこのショップの販売品のみでおすすめ。Sは約11mm、Mは約12mm、Lは約13mmです。
- 全体のバランス良し
- 低音のアタック感しっかりめ
私は他のイヤーピースだとLサイズを選ぶことが多いですがこのイヤーピースはMサイズの方が合いました。大きめなわけではないので耳の形状との兼ね合いだと思います。これによって耳の入り口付近ではなくもう少し奥をきっちり塞ぐことができるためか低音のアタック感が少し強めに出るようです。
音場を広げたい
JVC スパイルドット
JVCスパイラルドットは内側にドット状のくぼみがあり開口部が広いイヤーピースです。ドットによってイヤーピース内の音を拡散させているとのこと。Sは約10mm、MSは約11mm、Mは約12mm、MLは約13mm、Lは約14mmです。
- 音場が少し広がる
伸びが出つつも明瞭なので見通しが良い広がりが得られます。高音はあまり変えないので、銀フィルターの強い高音が刺さって辛いならそれは改善しません。
まとめ
黒フィルターは高音もちゃんと出ていて低音のアタック感が強めなため多少音が抜けても不満を感じることが少なく、イヤーピースの選択肢は幅が広いです。
金フィルターは高音がややマイルドなためウレタン素材など高音が減衰するイヤーピースとはあまり相性が良いとは言えず、基本的におすすめはシリコンのイヤーピースです。
銀フィルターは高音が強く低音は3種類の中ではやや控えめなので低音が減衰する軸の薄いシリコンとの相性が悪く、厚みがある軸のシリコンもしくは密度の高いウレタンとの相性が良いです。
繰り返しになりますが、私が良いと思ったイヤーピースが必ず皆さんの耳の形状に合うとは限りません。その点だけはご了承ください。
- BGVP DMG
*AliExpressのセール期間は8/26 16:00~