2020/03/27 AliExpressセール価格情報(イヤホン)AliExpressセール価格情報(中華リケーブル)を3/17 Anniversary SALE価格(セール対象外の商品は現時点の価格)で更新しました。⇒Anniversary SALEは終了しました。

[レビュー] KBEAR KS2 (1) 中華イヤホンの進化を感じるバランス重視の良作

今回はKBEAR KS2のレビューです。第1回は箱出しからエージング終了後までレビューして行きます。外装画像等のレビューがご不要であれば『エージング200時間~』もしくは『総評』から後ろだけご覧ください。

KBEAR KS2の白背景画像

本レビューから音域バランスの基準点を3.0に変更しました。例えばフラット傾向のイヤホンでは高音域・中音域・低音域の値がすべて3.0(これまでは4.0でした)になります。また、テスト的に中低音域と中高音域について追加しています。続けてみて分かりづらいようならやめるかもしれません。

今回KBEAR KS2は新規セラー(webサイト/Twitter)からレビュー用に商品を提供していただきました。悪い評価も書くということで了承をいただいています。

KEEPHIFIはこれまでイヤホンの製造に当たっていた企業だそうです。提携企業は教えていただけませんでしたが今回提供いただいたKBEARも提携先のひとつでしょうね。webサイトでは支払いにクレジットカードだけでなくPaypalが使えます。

製品仕様

  • ブランド:KBEAR
  • 型番:KS2
  • ドライバ構成:1BA+1DD
  • インピーダンス:16Ω
  • 感度:106±3dB
  • 再生周波数帯域:20Hz~20,000Hz
  • ケーブル端子:2pin(0.78mm)TFZタイプ
  • DDは10mm複合振動板
  • ノズルはアルミニウム合金
  • 付属ケーブルは4芯OFC

外箱はKBEARの他の低価格機と同じデザインの色違いです。

KBEAR KS2の外箱の画像

日本語表記の情報が記載されており、今後のさらなる日本市場への進出意欲を感じさせます。

KBEAR KS2の外箱裏面の画像
これまではなかった日本語の表示が追加されています。
KBEAR KS2の箱の中の画像

同梱物はケーブル、シリコンイヤーピースS・L各1ペア、Mサイズは1ペア装着済みで予備に1ペア付属しています。

KBEAR KS2の同梱物の画像
KZ系の付属ケーブルに似てますね。

フェイスプレートにはKBEARのロゴ入りです。

KBEAR KS2の左右のハウジングを並べた画像
プリントっぽいので長く使ううちに消えるかな?

ノズルは金属、ノズル先端のフィルターは金網、ハウジング本体とフェイスプレートは樹脂製です。ケーブル端子はTFZタイプになっています。KBEARは機種ごとに端子が異なるのでできれば統一して欲しいような…。

KBEAR KS2のハウジングの横向きからの画像
フィットしやすいノズルの角度です。

音質

箱出し

箱出しは金属音が少しきつい気がしましたが1日ほどで落ち着きました。エージングはいつも通り200時間行いましたが1日で十分だったと思います。

エージング200時間~

評価環境は主にFiio X7 MarkⅡ(AM3D/ハイゲイン)を使用しています。駆動力と相性の比較として同環境ローゲインの他、PC→Sabaj Da3(Amazon/AliExpress)、aune BU1(Amazon/七福神商事公式)、Zishan Z3(AliExpress)、Xperia X Performance(スマホ)、iPod touch(第7世代)も使用しました。音源は主にFLAC、他にAmazon MusicおよびYoutubeの動画なども使用しています。

ケーブルは付属ケーブル、イヤーピースも付属イヤーピースで評価していきます。付属イヤーピースのサイズは左右Mサイズ、ハウジングを耳にきっちり押し付ける状態で装着しています。

ちなみに付属イヤーピースは高音の主張を少し穏やかにさせています。低音から高音まできっちり出せるイヤーピースで確認すると重低音がもうほんのちょっとだけ強く出ていて高音のピークがより高いです。

高音の主張*
3.5
★★★★★
★★★★★
高音域の音量
3.3
★★★★★
★★★★★
中高音域の音量
3.3
★★★★★
★★★★★
中音域の音量
3.0
★★★★★
★★★★★
中低音域の音量
3.5
★★★★★
★★★★★
低音域の音量
3.3
★★★★★
★★★★★
アタック感*
4.0
★★★★★
★★★★★
  • 『高音の主張』は金属音などの目立ち具合です。
  • 『アタック感』は低音のアタック感の音量的な強さ(ドンシャリのドンの強さ)です。
  • 本レビューから基準点を3.0(これまでは4.0)にしています。
  • 中低音域寄りややドンシャリ傾向
  • 高音は刺さらない
  • 低音が非常に魅力的
  • 中~高音域はややドライ
  • 若干演出的かも?

周波数特性チェック用のスイープ音源とトーンジェネレーターで耳で聞いてチェックした限りでは、重低音は20Hz以下から低音の振動として聞き取れるレベルで出ており中低音域が盛られています。中音域はごく浅くU字の谷になっていて、聴覚上の高音のピークは2.0kHzに低い山、3.8kHzと8kHz辺りに高めの山があり、中年の耳でも14kHz辺りまで聞き取ることができます。

アタック感が音量的に少し強めな中低音域寄りのややドンシャリ傾向です。

高音域は刺さらず、耳障りな音が出ることはありません。付属イヤーピースはほんの少しだけ高音の主張を抑えていますが、高音のピークがきっちり高く出るイヤーピースでも刺さりを感じることはありませんでした。

シンバルの音色に線の細さはなくわりと華やかに鳴り抜けの良さも感じられるものの残響は短めです。生楽器もきれいですが残響が短いため楽曲によっては若干リアリティに欠けることがあります。

高音はイヤーピース交換やリケーブルでもっときっちり主張強めに出すことができるので、特に生楽器のリアリティを向上させたいなら変更をおすすめします。

中音域には周波数特性のU字の凹みがあるようですが遠く感じられる音があるというほどではありません。高音があまり伸びないからか楽器によっては少しあっさり気味に感じられることがあります。

ボーカルは少しだけドライです。私はドライなボーカルは好みではありませんがKS2は許容範囲なのでわずかと言って良いかと思います。ボーカル帯域が盛ってあるようで音量的にもよく聞こえ、ボーカルが凹みやすい楽曲でも遠さはありません。ボーカルと演奏はよく分離します。

物音は比較的現実の音に近いと思います。響きを拾いにくいのでYoutubeの動画なども視聴しやすいです。

低音域はKS2の特に魅力的な部分です。ベースラインを奏でる楽器の余韻に粘りがあります。付属イヤーピースでは少し音の輪郭が緩んでいますがそれでもぼんやりとはしておらず、やや量がありつつも他の帯域の邪魔にはなっていません。

重低音はEDMなどで30Hz以下の重低音が欲しい楽曲ではもうひと息です。沈み込みがそこそこなわりに不足感がないので案外上手く調整してあるのではないかと思います。

音の輪郭がパキッとシャープなわけではないのですが妙に分離が良く聞こえ、楽器の音も人の声もひとつひとつ聞き分けることができます。若干演出的な気がします。

定位も良好です。バイノーラル録音の動画やゲームで確認する限り、ピタッと決まりすぎず曖昧さはなく適度でした。

音の距離感は普通か音によっては少し近いです。しかし適度に開放感があり音場はむしろやや広めに感じることもあります。

情報量は価格相応だと思います。高音のピークが抑え気味なことが影響してか解像度も特別高くはありません。しかし適度な演出加減でそれをあまり感じさせない、いい感じの音色で聴かせてくれます。

その他

装着感

装着感は非常に良好です。私はKZやCCAのイヤホンで付属イヤーピースでは左L右Mを選択することが多いですがKS2では左右Mできっちり耳に押し付けることで隙間なく固定することができました。

KBEAR KS2を耳モデルに装着した横からの画像
KBEAR KS2を耳モデルに装着した正面からの画像

音漏れ・遮音性

耳に当たる側に小さいベントが2つ開いています。遮音性は普通です。静かな部屋でパソコンのキーボードを打っていると静かな楽曲では打鍵音が小さく聞こえます。音漏れは気にしなくて良さそうです。

KBEAR KS2のハウジングの耳側のベントが見える画像
ベントは耳側に2ヶ所です。

再生環境と駆動力

もちろん機器ごとの音の傾向の影響は受けますしある程度の駆動力があった方が明瞭さやメリハリが向上することが多いものの、特別大きい駆動力は必要としません。ライトな環境でもバランスが良いまま鳴ってくれます。

KBEAR KS2とiPod touch(第7世代)の組み合わせの画像
機器との相性はさほど気にする必要はなさそうです。

ただし鳴らしやすいからかBluetoothリケーブルとの相性が微妙で、ホワイトノイズが出やすいです。音質的にはBluetoothリケーブルとの相性は良いと思うので惜しい。KS2とのセット販売もされているKBEAR S1(Amazon/AliExpress)でもホワイトノイズがそこそこ出てしまいます。

付属ケーブル

付属ケーブルはKZ・CCA系の撚り線ケーブルに似ており、おそらく同じ線材ではないかと予想しています。なおコネクター部分はTFZタイプで、KZタイプC(qdc)ではありません。

KBEAR KS2の付属ケーブルの画像
たぶんKZ・CCAと同じ線材ではないかと…。

KS2との相性も良いです。イヤホンの実力よりはわずかに高音の主張が弱るため、同じく高音の主張が少し弱る付属イヤーピースとの組み合わせでは若干中低域への寄り具合が強まっている気はします。

リケーブル

NICEHCK C16-1(C16-4)

NICEHCK C16-1(簡易レビュー/Amazon/AliExpress)およびNICEHCK C16-4(Amazon/AliExpress)は低音はイヤホンの実力相応、高音は主張がやや強まる傾向のケーブルです。2種類の違いは耳掛けチューブの有無ですので、好みのものを選択できます。

KS2と組み合わせると予想以上に高音のピークが高く出るようになり、逆にここを少し抑え気味の付属イヤーピースで丁度良いくらいになります。

KBEAR KS2とNICEHCK CT16-1と付属イヤーピースの組み合わせ

相性は非常に良いものの、NICEHCK A16-1はAmazonでは3千円台、C16-4は4千円台であり2千円台半ばのKBEAR KS2よりも価格が高く、合わせるにはオーバースペックな感がなくはありません。

安価なケーブルの中には付属ケーブル以上に相性の良いと感じるものをまだ見つけられていません。

他のイヤホンとの比較

KZ ZSN Pro

KZ ZSN Pro(Amazon/AliExpress/KEEPHIFI)は2019年春に発売されたKZの1BA+1DDイヤホンです。販売開始時のAmazon価格は2,500円ほどでKBEAR KS2と同価格帯でした。沈み込みが深く重さのある低音が特徴です。リケーブルすることでかなり解像度が上がります。

  • 高音の主張:ZSN Pro > KS2
  • 高音域の音量:ZSN Pro > KS2
  • 中音域の音量:ZSN Pro ≒ KS2
  • 低音域の音量:ZSN Pro ≦ KS2
  • 低音の量:ZSN Pro < KS2
  • 重低音・沈み込み:ZSN Pro > KS2
  • いずれも付属ケーブルと付属イヤーピースでの比較です。

低音にどっしり重みと量のあるZSN Proに対し、KS2の低音は音量的にやや強く出ているものの重低音が少し弱いためどっしりすぎずに包み込むような音色で、しかし飽和することがありません。

高音はZSN Proの方が主張が強く感じられ、KS2の方は薄っすらとドライさが付加されています。

総評

KBEARは2019年後半に製品リリースを開始してから短期間の間に評価の高いイヤホンを複数生み出していますが、KS2はまた基礎力を一段上げてきたような良作だと思います。反面、以前からの中華イヤホンファンの方には個性がちょっと物足りないかもしれませんね。

KBEAR KS2の画像

聴き心地の良さを重視したバランスを優先したためかKS2の解像度は高くはなく、リケーブルしたとしても同価格帯同ドライバ構成のKZ ZSN Proほど大幅な向上は感じません。しかしKS2は非常に雰囲気の良い音色です。

装着感も良好、付属品との相性もまずまずで、再生環境によって極端にバランスが崩れるということもまずないようです。

付属イヤーピースと付属ケーブルは高音のピークを少し抑えているため若干中低音域への寄り具合が強めです。しかし高音の強い主張を好まないなら初期装備そのままでも良いでしょう。付属品だけでも一定の満足度を得られると思います。

残響音がもうほんの少し長く出ていたら初期装備でも言うことなしでした。個人的には銀メッキ線にリケーブルして少し伸びを出したいと考えています。NICEHCK C16-1(Amazon/AliExpress)との相性が非常に良かったのですが価格的にもう少し安価な組み合わせを探したいところではありますね。

初期装備のKBEAR KS2をおすすめできるのは、刺さる高音が苦手、強い個性よりもバランスの良さを重視、低価格イヤホンへの追加投資をしたくない人です。ライトユーザーから低価格機好きなマニアまで幅広い人におすすめできます。

逆に初期装備のKBEAR KS2をおすすめできないのは、高音の主張は現実相応に出て欲しい人、解像度の高さを重視する人、イヤホンに面白さや個性を求める人です。

KBEAR KS2のレビュー、次回第2回はおすすめイヤーピース編の予定です。初期装備でやや抑え気味な高音の鋭さをイヤーピース交換で少し高めることができます。高音に不満がないなら変更しなくても良いかもしれません。

最近の記事の最後に何度も書いていますが、現在新型コロナの影響で自宅に家族がいる時間が長くひとりで作業するためのまとまった時間が取りづらいです。そのため比較のためにまとまった時間が必要なおすすめイヤーピース編やおすすめリケーブル編の頻度が減っています。ご了承ください。