KZ ZS6のレビュー最終回はリケーブル編まとめです。レビュー記事の内容をちょっとだけ要約していますので、おすすめのイヤーピースなど更に詳しい解説を読みたい場合は各ケーブルの『詳細記事』リンクから元記事をご覧ください。
なお中華イヤホンはロットの違いや個体差(ばらつき)で音が違うことがあるため、レビュー第1回をお読みになって付属ケーブルのレビュー内容がご自身の感じ方に近いかどうか確認していただけると、より参考にしていただけると思います。
- 所有しているリケーブルの多くがmmcx端子なので、ケーブルによってはmmcx→2PIN変換アダプターを使用しています。
- 詳細解説のリンク先ではイヤーピース変更の提案もしていますが、耳の形状によっては必ずしも私と同じ感じ方になると限りません。ご了承ください。
- イヤホンレビューの見方や用語の説明などは『当ブログのイヤホン・ヘッドホンレビューの見方(2018/10/24版)』をご覧ください。
おすすめリケーブル
3千円以下
- 4芯銀メッキ高純度銅TRN v20(詳細解説)
- 高音域がわずかに衰える
- 低音域が締まる
- 反響がやや抑えられる
- タッチノイズが付属ケーブルよりは小さい
高音の衰えはごくわずかです。全体的に締まっているんだと思いますが中高音域はもともと緩みがないので特に低音域が締まったように感じられます。低音のキレが良くアタック感が強いと感じる楽曲が多く、迫力があります。反響がやや抑えられますが情報量と解像度はやや向上します。
ともかく安いリケーブルを探している人、反響が衰えても良いので低音を締めたい人、付属ケーブルのタッチノイズに耐えられない人におすすめです。アンプを持っていない人にも良いでしょう。
- 4芯銀メッキYYX4768(詳細解説)
- 高音域がわずかに衰える
- 低音域が締まる
- 音場感は比較的キープ
- 情報量と解像度はなかなか
- タッチノイズが小さい
高音の衰えはごくごく僅かで刺さるギリギリまで出ています。低音域が締まりキレが良くなったことでアタック感が強くなったと感じる楽曲が多いです。高音から低音まで十分なので迫力があります。反響もかなりキープされており音場感も付属ケーブルに近いです。情報量が増えて解像度もちょっと高まります。
付属ケーブルに音が近くてタッチノイズが小さいので、付属ケーブルの音が好み、付属ケーブルのタッチノイズに耐えられない、低音の締まり不足が気になっている、アンプを持っていない人にもおすすめです。
- 8芯銀メッキ線と銅線ミックスKZX4794(詳細解説)
- 高音がごくわずかに衰える
- 低音域がわずかに衰える
- 反響が少し抑えられる
- 派手さが少し衰える
- ややマイルドになる
高音の衰えはごく僅かなので刺さり対策にはなりません。締まっていた中高音域が低音域と同じくらいまで緩んで全体的にマイルドになり耳触りが良くなります。
付属ケーブルでは聞き疲れる、ZS6にもっとマイルドさが欲しい、アンプを持っていない人にもおすすめできそうです。逆に付属ケーブルで感じるZS6の個性が好みならぼんやりしたと感じる可能性が高いです。
- 8芯銀メッキ線と高純度銅線のミックスTRX4791(詳細解説)
- 高音が耳につくことがある
- 音が締まる(特に低音)
- 反響が少し衰える
- 派手さが少し衰える
反響を抑えにくいので付属ケーブルの音場感と派手さをわりとキープできています。しかし高音はやや耳につくのでコンプライのウレタンイヤーピースを合わせた方が良さそうです。低音が締まりキレが良くなるので疾走感がある楽曲との相性も良いです。重厚感はあまり感じられませんが軽くはなく、スピード感が気持ち良いです。ライブ音源との相性も良いです。
高音の主張だけは注意ポイントですがZS6の低音をもう少し締めたい、ライブ音源をよく聞く、ZS6の音色が好きだけどウレタン素材のイヤーピースしか耳に合わず高音の衰えが残念だと思っている、アンプを持っていない人にもおすすめです。
- 8芯高純度7n無酸素銅YYX4769(詳細解説)
- 高音は主張強め
- 低音控えめ
- アンプの使用で音質向上
- 派手さがやや抑えられる
低音が音量的に弱まり中低音域がフラットに近く感じられるようになったため相対的に高音だけ突出しています。バランスをとるためにウレタンフォーム素材のイヤーピースであえて高音を減衰させるのが良かったです。アンプがあれば低音が少し回復して音質が適度に向上します。直挿しでも一定の自然さが得られますが価格相応な感じです。アンプを持っているならおすすめできます。特別パワーは必要ないようなので安いものでも良いと思います。
- 高純度無酸素銅HiF4777(詳細解説)
- 高音がやや衰えた
- 反響がやや抑えられた
- 解像度が少し向上
非常にイヤーピースを選びます。シリコンでドンピシャの物を見つけられればかなり満足行く音質向上が得られました。色んな種類のシリコンイヤーピースをストックしている方にはおすすめできます。ピンポイントではありますがRADSONE EarStudio ES100をお持ちの方にバランス接続がおすすめです。
- 8芯純銅YYX4783(詳細解説)
- 音域間のバランスは変わらず
- 解像度・情報量なども衰えず
- 音に厚みが出た
- 反響が少し抑えられた
- 派手さが少し抑えられた
- 分離と定位が少し良くなった
- 聞きやすくなった
他のリケーブルと同様に派手さは衰えますが、耳で感じる音のバランスは付属ケーブルからほぼ変わっていないのに高音の辛さが抑えられ低音の厚みも増すので聞きやすく、軽さもなくなります。銅線の音が好きならおすすめできます。アンプかそこそこのDAPがあれば更に満足できると思います。
- 8芯銀メッキ銅線YYX4762(詳細解説)
- 音域間のバランスは変わらず
- 高音はしっかりめ
- 反響は適度
- 分離・定位向上
- きらびやかさの衰えが小さい
耳の穴をきっちり塞げるイヤーピースを持っているならある程度華やかさを残しつつ反響し過ぎを抑えることができます。反響対策だけならこれがおすすめです。音質もちょっとずついい感じに向上させてくれます。付属ケーブルでウレタンフォーム素材のイヤーピースを使っても反響が気になるが個性は極力消したくない、アンプを持っていない方にもおすすめです。ただし密閉性の高いシリコンイヤーピースは圧迫感があって苦手という方には満足できないでしょう。
- 8芯銀メッキ銅線YYX4775(詳細解説)
- 高音が少し衰えた
- 低音がやや増えた
- 音の輪郭に柔らかみ
- 分離と定位が良い
- 反響は適度
派手さは衰えますが反響は適度になりますし高音のきつさが少し和らぐのでZS6が使いやすくなると思います。地味にはなり過ぎていないので付属ケーブルで感じられる気持ち良さは失われてはいません。低音がよく出ていることで迫力が出やすくなったので、付属ケーブルの派手さがよほど気に入っているのでなければ非常にバランスが良い音色になったと感じられるのではないでしょうか。ZS6を買っては見たもののきらびやか過ぎて使い所がない方に非常におすすめできます。
3,001円~4,999円
- 8芯高純度銅 KBF4759(詳細解説)
- 高音が少し出てきた
- 低音が少し締まった
- 反響が衰えた
- 分離と定位向上
- クロストークが大きく改善
出てくる高音を減衰させてバランスを取るためイヤーピースにコンプライを使う必要があります。ZS6の音が派手すぎて使いづらい、アンプを持っていない方にもおすすめです。1,000円クーポンが出ていることが多く2,000円台で購入できる可能性が高いです。コンプライ以外では、それなりに音質は衰えますが安いNew Beeのウレタンイヤーピースも使えないことはないです。
- 銀メッキOFC YYX4784(詳細解説)
- 低音域がちょっとだけ衰えた
- 反響が抑えられた
- 音の広がりが衰えた
- 音の輪郭が柔らかくなった
- 派手さが抑えられた
- 聞きやすくなった
- 解像度・情報量が落ちた
やんわりと聞きやすくなります。ZS6の派手な個性が好みでない、反響が気になる、解像度は重視しない、聞きやすさ重視なら良さそうです。アンプを持っているなら解像度が犠牲になりづらいです。派手さを残したい、音場表現を変えたくない、解像度を落としたくないならおすすめしません。
- 8芯銀メッキ無酸素銅 YYX4733(詳細解説)
- 高音がごくわずかに衰えた
- 低音域が少し衰えた
- 低音のアタック感は少しだけ強化
- 反響が抑えられた
派手さが衰えても良いので聞きやすくしたい、ウレタンフォーム素材のイヤーピースが苦手でない、アンプを持っている方におすすめです。
- 8芯銀メッキ高純度銅 HCYCX-123(詳細解説)
- 高音域がやや衰えた
- 中低音域はさほど変わらず
- 低音のアタック感がちょっとだけ強まった
- 反響が抑えられた
- 音の伸びと残響音は適度
付属ケーブルでは派手すぎる、高音がきつい、少し聞きやすくしたい方にはアリだと思います。反響が減りすぎないようにシリコンのイヤーピースと合わせることをおすすめします。
- KBF4725 8芯銀メッキ銅線(詳細解説)
- 高音が少し衰えた
- 反響が抑えられた
- アンプ使用で音質向上
全体的に聞きやすくなりました。反響と高音の抑制が感じられるので、響きすぎと高音のつらさが気になっていた方におすすめです。アンプを持っているなら更に良いです。きらびやかさが衰えるので派手さを失いたくないなら向かないでしょう。また、高音が主張するのが気になりやすい方にもおすすめできません。
5千円以上
5千円以上のリケーブルでは確実に音質が向上するのですが、イヤーピース選択がシビアなこととコスパを考えた時にZS6にはオーバースペックでリケーブルの能力を活かしきれていないと感じました。
そのため5千円以上のおすすめリケーブルはありません。
- 2018/12/01 [レビュー] KZ ZS6 (4) – リケーブル編その3(5千円~1万円)
まとめ
かなりシャキッとはするものの比較的ZS6の個性を消さない4芯銀メッキYYX4768(詳細解説)、ZS6を聞きやすくする8芯銀メッキ銅線YYX4775(詳細解説)辺りが個人的なおすすめワンツーです。なんだかんだで3千円以下で十分という結果になりました。
各価格帯のケーブルの違いを3千円以下編のまとめと3千円~5千円編のまとめにも書いていますのでそちらも参考になさってください。
今回でKZ ZS6のレビュー記事は終了です。ZS6はロット差や個体差があるようなので必ずしも同じ感想にはなりませんが、その場合も音の変化の参考にしていただければ幸いです。
KZ ZS6の記事は以下7記事です。
- 2018/10/19 [レビュー] KZ ZS6 (1) – 手元の個体は弱ドンシャリ…ただし本質的には刺さる可能性あり
- 2018/10/30 [レビュー] KZ ZS6 (2) – リケーブル編その1(3千円以下)
- 2018/11/09 [レビュー] KZ ZS6 (3) – リケーブル編その2(3千円~5千円)
- 2018/11/24 [レビュー] KZ ZS6のおすすめリケーブルにTRX4791とKZX4794を追加
- 2018/12/01 [レビュー] KZ ZS6 (4) – リケーブル編その3(5千円~1万円)
- 2018/12/04 [レビュー] KZ ZS6のおすすめリケーブル追加(YYX4768、TRN4芯)
- 2018/12/05 [レビュー] KZ ZS6 (5) – リケーブル編まとめ【本記事】
- KZ ZS6
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