ZO6255のレビュー第3回はリケーブル編その2です。5千円~1万円までのリケーブルについてまとめました。2018/07/29時点でまだ販売されているケーブルについてのみ書いています。
なお中華イヤホンはロットの違いやばらつきで音が違うことがあるため、できればレビュー第1回をお読みになって付属ケーブルのレビュー内容がご自身の感じ方に近いかどうか確認していただけるとより参考にしていただけると思います。
結論だけでよろしければ『まとめ』からどうぞ。
2018/07/30追記:既に全てのレビューを書き終えています。以下の全4回です。
- 2018/07/27 [レビュー] ZO6255 (1) – エージングで本領発揮するイヤホン
- 2018/07/29 [レビュー] ZO6255 (2) – リケーブル編その1(5千円以下)
- 2018/07/30 [レビュー] ZO6255 (3) – リケーブル編その2(5千円~1万円)【本記事】
- 2018/07/30 [レビュー] ZO6255 (4) – リケーブル編その3(1万円以上)&まとめ
エージング前でもリケーブルすることでこもり・ボワつきがだいぶ解消されます。エージング後ならどれもクリアです。情報量・解像度・定位・分離なども全部良くなりますので、特別な特徴がなければ評価からは割愛しています。
また「音場が広がった」などの記述は「(付属ケーブルより)音場が広がった」という意味合いです。
今回合ったイヤーピースはシリコンのSpinFit CP145とウレタンフォーム素材のコンプライ Ts-500です。ウレタンの方は高音を出すために自分で接着剤で加工しています。未加工だとやや高音が抑えられた音質になりますので、より高音を出したいなら加工することをおすすめします。
- 2018/07/25 コンプライに接着剤で高音が出るようになる!
目次
銀メッキ
Yinyoo GXX4728(8芯高純度銀メッキ単結晶銅線)
- ブランド:Yinyoo
- 型番:GXX4728
- 芯材:高純度銀メッキ単結晶銅線
- 芯数:8芯
- 耳掛けタイプ
- 12ヶ月保証
- 5,400円→4,500円(2018/09/10)
エージング時間がまだ短く低音が予想より強かった時期に「低音が衰える」とのレビューを見て、低音が丁度良くなるのではと期待して買ってたケーブルです。
- 高音十分
- 中音域もあまり凹まずよく出ている
- 低音域が衰えた
ZO6255の低音がしっかりしているため迫力がなくなるほど減ってはいないのですが期待した以上に低音の衰えが感じられ、凡庸になり過ぎました。しかし低音ががっつり強すぎるイヤホンを手に入れることがあればこれも悪くはなさそうです。
特別悪い音でもないものの個人的には好みでないと言いますか、よく聞く楽曲との相性もいまひとつでした。
Kinboofi GXX4725(8芯銀メッキ銅線)
- ブランド:Kinboofi
- 型番:GXX4725
- 芯材:銀メッキ銅線
- 芯数:8芯
- 耳掛けタイプ
- 12ヶ月保証
- 5,400円→4,900円
(2018/07/29)
8芯の中では音場が広いケーブルです。ただしこれは商品名に「マニア向」の記載があるケーブルで、こう書かれている場合はそれなりにパワフルなアンプがないと満足行く音が出ないことが多く、実際にこのケーブルもアンプのパワーによってかなり音質に違いがあります。
- 中高音域がよく出ている
- 低音のアタック感がマイルド
- 音場が広がった(アンプのパワーに比例)
- ZO6255ではなんとなく物足りない?
パワーのあるアンプでは一気に音場が広がり空気感が良くなります。しかしZO6255との組み合わせではこれで良いようななんとな~く迫力が足りないような、あえてこのケーブルじゃなくても良いような気持ちになる音です。
中高音域が良く聞こえますが低音が衰えたわけではなく、中高音が増した感じです。しかしマイルドになってアタック感が弱まった印象を受けます。
しかしより高音質なケーブルも試したせいで物足りなく感じただけで、据え置きアンプで初めてこのケーブルで聞いた時は自然さが素晴らしいと感じて2PINも買い足したので、アンプを持っていて予算的にちょうど良いなら悪くないと思います。
HiFiHear HiF4747(16芯銀メッキ高純銅)
- ブランド:HiFiHear
- 型番:HiF4747
- 芯材:銀メッキ高純銅
- 芯数:16芯
- ストレートタイプ
- 12ヶ月保証
- 6,700円(2018/07/29)
AliexpressUS $40.54(約4,682円)⇒AliExpress.com - HiFiHear 16 Core Silver Plated Cable
ZO6255との組み合わせではイヤーピースを選ぶ音でした。ウレタンフォーム素材のイヤーピースと組み合わせれば、かなりグレードアップします。
- 高音は十分出ている
- 低音に厚みがある
- 音場が広い
- 情報過多?
- ウレタンフォーム素材のイヤーピース必須
- 出力ほどほどのアンプで万能型に寄る
非常に良い音なのですが、若干情報過多なのか耳障りな音が聞こえることもあり、シリコンのイヤーピースでは弦楽器の弦の響き(ビビリ?歪み?)が耳障りに感じることがあり、ウレタンフォーム素材のイヤーピース必須でした。接着剤加工したものなら相当好みの音です。
ZO6255は傾向として中音域の凹み具合がアンプのパワーに左右されやすいように感じるのですが、このケーブルでは小型アンプ(RADSONE Earstudio ES100使用)で低音がしっかり出つつ中音域が凹まない万能型になったと感じます。
パワフルなアンプだと低音域全体が強くアタック感もあり高音も出過ぎるのか、中音域が凹み気味になったようにも感じられたので、私の好み的に据え置きアンプとは相性が悪かったです。
芯数が多いと良く鳴らすのにはどうしてもアンプが必要なのかな?と思っていましたが、スマホなどに直挿しでも程良いバランスでそれなりに鳴る思った以上に使いやすいケーブルです。
今のところ最終的にはこれとYinyoo YYX4765(金銀合金+OFC/15,900円!)で悩んでいます。YYX4765はかなり良い音が出ますが6,600円のZO6255にはもったいないというか他のイヤホンに使いたいというか…。ZO6255は多分このHiF4747+加工済みTs-500で使うことにすると思います。
すごく良かったので2PINも買い足しました。mmcxも予備にもう1本欲しいくらいです。
Yinyoo YYX4745(16芯銀メッキ銅線)
- ブランド:Yinyoo
- 型番:YYX4745
- 芯材:銀メッキ銅線
- 芯数:16芯
- ストレートタイプ
- 12ヶ月保証
- 6,900円(2017/07/29)
なんとなく音量を上げたくなるケーブルです。
- 伸びやか
- 中高音が良く出ているが低音が減ったわけではない
- 音場は自然で広い(アンプのパワーに比例)
- 低音量ではなんだか物足りない
伸びやかな音でどちらかというと音場が広いと思います。そのせいでアタック感が弱く感じられる→迫力を求めて音量が欲しくなる、ということなのかも…。音場の広がり具合とそれに付随する自然さはアンプのパワーに比例すると感じました。
あまり音量を上げたくないシチュエーションでイヤホンを使っている方には向かないかもしれません。逆にある程度音量が出せる状況ならなかなか迫力と臨場感のある音を鳴らしてくれます。
銅線
Yinyoo YYX4744(8芯OFC)
- ブランド:Yinyoo
- 型番:YYX4744
- 芯材:OFC
- 芯数:8芯
- 耳掛けタイプ
- 12ヶ月保証
- 6,250円→4,499円(2018/09/10)
他のイヤホンと合わせるつもりで買いましたが試しにZO6255とも合わせてみました。結果、相性がよくありませんでした。
- 音場はやや広め
- 余韻強め
- 厚みのある低音
- 余韻のせいか少し不明瞭
低音域だけでなく中音も高音もそれぞれの低い位置の音が出るようになり重厚感が増しました。中音域も凹まずに出ています。
しかしZO6255だとウレタンフォームのイヤーピースでもシリコンのイヤーピースでも低音域で明瞭さが足りないような感じが出てしまいました。明瞭で解像度の高いケーブルで聞こえる音が聞こえづらいことがあります。
評判の良いケーブルのようなのですがZO6255とは相性が良くなかったです。
銀メッキ+銅線ミックス
Kinboofi KBF4746(16芯銀メッキ線&高純度銅線ミックス)
- ブランド:Kinboofi
- 型番:KBF4746
- 芯材:銀メッキ線&高純度銅線ミックス
- 芯数:16芯
- ストレートタイプ
- 12ヶ月保証
- 6,800円(2018/07/29)
パワーのあるアンプで全体のバランスが良くなりました。
- 弱ドンシャリ
- 小型アンプでは低音域>高音域>中音域
- パワフルなアンプでは低音域≧高音域≧中音域
銀メッキ16芯のHiF4747(本記事内解説)より低音のアタック感があります。ドンドン来るというほどではありませんがしっかりめなのでよりドンシャリっぽくなっている気がします。
オーケストラなど楽器の種類が多い楽曲にはあまり向かないようです。バランスが合っていおらず全体の迫力も衰えてしまいました。音域ごとのバランスの良さはアンプのパワーに比例している印象です。
弱ドンシャリが好みでエージングでやや衰えたZO6255の低音を取り戻したい方におすすめできそうですが、ある程度バランスを整えるのにそれなりのアンプが必要です。また、私はごちゃまぜにしたプレイリストの中にクラシックなども入れているので音質的にも合いませんでした。
純銀
Yinyoo YYX4737(4芯銀)
- ブランド:Yinyoo
- 型番:YYX4737
- 芯材:銀
- 芯数:4芯
- 耳掛けタイプ
- 12ヶ月保証
- 9,900円(mmcx3.5mm欠品中)
Amazonのレビューに「純銀ではない」という指摘がありますが…確実に純銀であろうと確証が持てるケーブルを使ったことがないので私には判別できません。しかし音は良いです。
- 非常にクリア
- 音場は広い
- 解像度高い
- 低音も十分出ている
クリアで音場の広がりがあって解像度も高いと思います。スマホ直挿しや小型アンプでも意外と低音は出ますし、パワフルなアンプならアタック感のある低音が十分に出ます。ある程度の出力があるポタアンあたりがちょうど良い音になりそうです。
ただ他のケーブルにより相性の良いものがあるので、ZO6255のためにあえて投資をおすすめするほど安くはないかなと思います。
まとめ
今回試した5千円以上1万円以下のリケーブルのうち個人的おすすめはHiF4747です。
- 16芯銀メッキ高純銅HiF4747(加工済みコンプライ Ts-500使用)⇒[本記事内解説]
- 高音は十分出ている
- 低音に厚みがある
- 音場が広い
- 情報過多?
- ウレタンフォーム素材のイヤーピース必須
- 出力ほどほどのアンプで万能型に寄る
5千円~1万円のおすすめは16芯銀メッキ高純銅HiF4747(本記事内解説)だけとなりました。ただしZO6255とHiF4747の組み合わせではウレタンフォーム素材(できれば接着剤加工)のイヤーピース必須なので、ウレタンが苦手な方は5千円以下のリケーブルがおすすめです。
次回は最終回、リケーブル編その3(1万円以上)をレビュー予定です。
2018/07/30追記:既に全てのレビューを書き終えています。以下の全4回です。
- 2018/07/27 [レビュー] ZO6255 (1) – エージングで本領発揮するイヤホン
- 2018/07/29 [レビュー] ZO6255 (2) – リケーブル編その1(5千円以下)
- 2018/07/30 [レビュー] ZO6255 (3) – リケーブル編その2(5千円~1万円)【本記事】
- 2018/07/30 [レビュー] ZO6255 (4) – リケーブル編その3(1万円以上)&まとめ