[レビュー] CCZ Emerald – 意外となんでも上手く鳴らす力強い低音寄りドンシャリ

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CCZ Emeraldは2021年初冬頃に製造終了しています。市場在庫のみとなりますので購入検討しているならお早めに。

今回はCCZ Emeraldのレビューです。外装画像等のレビューがご不要であれば『音質』から後ろもしくは『総評』だけご覧ください。

CCZ Emeraldの白背景画像
  • 私の耳は耳穴入り口付近から外耳道が太めです。これまでの経験上、深く装着しすぎるとバランスが崩れるイヤホンも少なくないためアジア人の平均から外れる程度には太めではないかと思います。
  • イヤーピース変更の提案もしていますが、耳の形状によっては必ずしも私と同じ感じ方になると限りません。ご了承ください。
  • イヤホンレビューの見方や用語の説明などは『当ブログのイヤホン・ヘッドホンレビューの見方(2018/10/24版)』をご覧ください。

製品仕様

  • ブランド:CCZ
  • 型番:Emerald
  • ドライバ構成:1BA+1DD
  • インピーダンス:16±2Ω
  • 感度:110±3dB
  • 再生周波数帯域:20Hz-20000Hz
  • ケーブル端子:2pin TFZ
  • BAはCCZカスタムBA
  • DDは10mm二重磁気
  • フェイスプレートはアルミニウム合金
  • 付属ケーブルは4芯 4N OFC(無酸素銅)ケーブル
CCZ Emeraldの外箱表面の白背景画像 CCZ Emeraldの外箱裏面の白背景画像 CCZ Emeraldの内箱の画像

同梱物は付属ケーブル、付属イヤーピース1種類3サイズ各1ペアです。

CCZ Emeraldの同梱物の白背景画像

ノズルは金属でメッシュフィルター、ケーブルコネクターは2pin TFZタイプです。フェイスプレートはわりと厚みもあるように見えますがアルミニウム合金ということもあってか重すぎず軽すぎず。

CCZ Emeraldのハウジングを左右並べた白背景画像
中国語ではEmeraldはエメラルドだけでなく翡翠のことも指すようですね。
CCZ Emeraldのハウジング画像1 CCZ Emeraldのハウジング画像2 CCZ Emeraldのハウジング画像3 CCZ Emeraldのハウジング画像4

音質

評価環境は主にFiio X7 MarkⅡ(アンプモジュール:AM3D/可聴帯域外フィルタ:Slow Roll Off Minimum Phase)です。ハイゲイン音量16前後(シリコンイヤーピース使用時/大きな騒音のない屋内で平均55dB*1)で聴いていきます。

  • 1. 平均が出せるスマホの騒音計アプリで計測しています。
CCZ EmeraldとFiiO X7MK2(AM3D)の組み合わせの画像

駆動力および相性の比較としてPC→unibrain USBケーブル→iFi Audio ZEN DAC*2、PC→AIM電子 SHIELDIO UM1→aune BU1*2、Hidizs DH1000、Zishan DSDs(現行品はES9038Q2Mx2)、Zishan Z3(AK4490版/SdSlow/AKチップ不足により現行品はES9038Q2M)、Zishan Z4、iBasso DC02、iPod touch(第7世代)、Xperia X Performanceなども使用しました。音源は主にFLACです。他にAmazon MusicおよびYoutubeの動画なども使用しています。

  • 2. PCからの再生はfoobar2000+WASAPI(event)

付属イヤーピース

ケーブルは付属ケーブル、イヤーピースは付属イヤーピース左右Mでやや浅めに装着して聴いていきます。挿入の深さは『millennium parade – U』(Youtube)の0’36″から0’49″の間に一定のリズムで鳴るホルンと同時に鳴っている、ホルンよりも低い音まで聴こえるように調節しています。装着位置が悪いとホルン以外の音はあまり聞こえません。

また、通常平均50~53dBの音量で評価していますが今回は55dBで評価しています。音量をちょっとだけ上げた方が力強さが大きく向上するためです。

高音の主張*
4.0
★★★★★
★★★★★
高音域の音量
4.0
★★★★★
★★★★★
中高域の音量
3.8
★★★★★
★★★★★
中音域の音量
3.2
★★★★★
★★★★★
中低域の音量
4.1
★★★★★
★★★★★
低音域の音量
4.3
★★★★★
★★★★★
アタック感*
4.3
★★★★★
★★★★★
  • 『高音の主張』は金属音などの目立ち具合です。
  • 『アタック感』は低音のアタック感の音量的な強さ(ドンシャリのドンの強さ)です。
  • 高音は刺さらず
  • 低音にはやや量がある
  • 低音寄りドンシャリ傾向
  • 突出して優れた点もないが目立って劣る点もない
  • アンプ使用で音質向上

周波数特性チェック用のスイープ音源とトーンジェネレーターで耳で聞いてチェックした限りでは超低域は20Hzから聴こえ、低域のピークは高め、谷は1~1.2kHzにあるものの浅め、5kHzと7.7kHzにやや高めのピーク、11kHzに低いピークがあります。高音は刺激的すぎず不足のない低音寄りのドンシャリ傾向です。

高音域は刺さらず、しかし比較的しっかりめに刺激もあります。ただし機器や楽曲によっては低音の圧に負けて相対的にやや大人しくなったり、ほんの少し解像度が落ちてしまったり、伸びを感じにくくなることがあります。

付属イヤーピースは高音をやや抑え気味で、装着の深さによっても変化が大きいです。装着の深さを浅めに微調整しても高音のシャープさが足りないと感じるならイヤーピースを変更することでもう少し強めることができます。

中音域は周波数特性上の谷があるもののボーカルが音量的に小さかったり下がりすぎることはなさそうです。ただし装着が深すぎても浅すぎてもボーカルが演奏に負け気味になることはあります。歯擦音の耳障りさもなくやや落ち着いており聴き心地も良好なものの、高音のボーカルに影響する帯域にほんのちょっとだけ強い部分があるようで合わせる機器によっては少し乾きがあります。

全体的に低音優勢で高音成分のやや少なめな音色なせいか物音まで落ち着いた音になってしまっています。低域から中高域辺りまでは濃さと太さがあり、ピアノの音はやや艶もあり聴き心地が良いです。しかし高音成分を多めに含むバイオリンなどは現実の音色よりも滑らかで弓で弦がこすれる音はさほど聴こえず、若干音が丸いです。

低音域はやや量があり音量的にも強めです。付属ケーブル付属イヤーピースの影響で超低域が強まっており、機器や装着の加減で低音の量が増えすぎることがあります。低音がボーカルを覆ってぼやけさせるようなら装着が深すぎるはずです。浅めに微調整してください。

演奏が生楽器中心の楽曲では低音の量は全体に濃さと少しの艶を与える程度で、低音の量が増えすぎることは少ないです。ドラムのキックの音はやや強めで重め、楽器では出せない電子音の重低音が含まれる場合には低音の支配が強めでベースラインも更に強めです。

アタックの音量的な強さ、重み、沈み込みの深さ、伸びは十分です。こちらは低音の量とは逆に装着が浅すぎると軽くなります。力強いアタック、重みと深さ、過剰すぎない低音の量が全取りできる位置があるはずです。また、力強さを引き出すにはある程度の音量が必要です。いつも小音量で聴いている場合はやや大人しいくらいに感じるかもしれません。

残響音は現実の長さよりもやや短くなりやすいです。しかし重低音の伸びは良いため重低音が含まれる楽曲では伸びやかさや響きを感じやすいです。高音の伸びも十分に良いのですが楽曲によっては低音に負けて伸びやかさや響きを感じ取りにくくなることがあります。

分離、定位、音場の広さは普通です。シャープな解像度よりも雰囲気重視な音色で、価格を考慮したときの解像度と情報量は普通です。しかしここ1年ほどで低価格帯であってもチャリチャリした解像度の低い高音が出るようなイヤホンは激減しており、それ以前の中華イヤホンと比較した時には十分に高いと言えます。

低音寄りですが意外と楽曲を選ばず、強めの個性や突出して優れた点はないものの目立って劣る部分もないと思います。変に重すぎず疾走感も十分です。低~中高域の音色の良さに対して高域がちょっと惜しいような気はしますが、この価格帯には求めすぎかもしれませんね。

特に気持ち良く聴けたのはやや声が高めの男性ボーカル曲、特にOfficial髭男dismのアルバム『Traveler』(Pretender収録)以降の楽曲やEd Sheeranの楽曲にはかなり合いました。ゲームや映画音楽は重厚さが強化されてドラマチックになることが多いです。微妙だったのはDaft Punkの楽曲で、強めの重低音が多いとそれが前に出てきすぎる気がしました。しかし逆に重低音がまだあまり使われていなかった80年代以前の米国POPSなどはちょっとあっさり気味になりやすいです。

初期装備&Hidizs DH1000

Hidizs DH1000(公式製品情報/AliExpress $299)との相性が非常に良いです。不満点の大部分が解消されます。機器との相性によっては中域を邪魔しそうになる量の低音がタイトで、ボーカルのリアリティや高音のはっきりさとくっきりさ、全域の力強さと解像度が向上します。

CCZ EmeraldとHidizs DH1000とFiiO X7MK2(AM3D)との組み合わせの画像
相性が悪いと予想していたのにむしろ相性バッチリで驚きました。

特にボーカルは口元が見えてきそうなリアリティを感じられるようになります。歯擦音やブレスの音が強まりすぎることはありません。他のアンプでもボーカルの質感向上はあったもののDH1000ほどではありませんでした。

その他

装着感

CCZ DC-1『Coffee Bean』(レビュー)にも採用されている独自構造のイヤーフィンは肌当たりが良く装着感は良好で滑りにくく、非常にずれにくいです。

CCZ Emeraldをシリコン耳モデルに装着した状態の画像1 CCZ Emeraldをシリコン耳モデルに装着した状態の画像2

音漏れ・遮音性

小さイベントが内側に2ヶ所のみで音漏れと遮音性はこのタイプの中華イヤホンとしては普通です。

CCZ Emeraldのベントの位置が分かる角度からのハウジング画像

再生環境と駆動力

高駆動力な機器で鳴らせばよりタイトで力強い低音になり、分離の良さやボーカルのリアリティも向上することが多いです。中華イヤホンのBAは高駆動力過ぎても刺激が強すぎる高音を出すことがありますが、EmeraldのBAはそういうことはないようです。低駆動力な機器でも大きく不満を感じるというほどではありません。

CCZ EmeraldとiPod touchの組み合わせの画像
低駆動力でもわりと上手く鳴ります。

また、低音の底上げ効果が高いため低価格なPC用オーディオインターフェースとの相性も良いです。激安シャリッシャリなのは流石にダメでしたがこの価格帯としてはわりとマシなALC4040採用のUGREEN(Amazon 1,399円/AliExpress $12.99)のドングルタイプは低音の量が大きく減ってすっきりしつつ重さと深さは残って案外普通に使えるレベルに。

私の好みでは前述したHidizs DH1000がボーカルが非常に良くて気に入っていますが、iPod touch 7GやZishan Z4(操作手順記事/Amazon中国発送/AliExpress $100.57)への直差しもかなり相性が良く、必ずしも駆動力が大事なわけではないようです。逆に微妙だったのはiBasso DC02(公式製品情報/製造終了)です。

付属ケーブル

付属ケーブルはCCZ Coffee Beanの付属ケーブルと同じ4芯4N無酸素銅(OFC)ケーブルです。超低域がよく出るタイプで、付属イヤーピースとの相乗効果で低音の量を増やしています。

CCZ Emeraldの付属ケーブルの白背景画像 CCZ低価格帯イヤホンの付属ケーブルの部分画像

付属イヤーピース

てっきりCCZ DC-1『Coffee Bean』と同じものが付属するのかと思っていましたが素材が異なりシリコン素材でした。形状はCoffee Beanの付属イヤーピースと同じです。音の変化傾向はCoffee Beanのものと同じく超低域強め高域抑え気味なのですが軽微で、Coffee Beanの付属イヤーピースほど大きくは音を変化させません。

CCZ Emeraldの付属イヤーピースの白背景画像
CCZ独自パテントのイヤーピースです。

他のイヤホンとの比較

音のバランスが周波数特性的に似ていそうなイヤホンと比較します。

CCZ DC-1『Coffee Bean』

CCZ DC-1『Coffee Bean』(Amazon 2,299円+350円OFFクーポン/AliExpress $18.99-19.99)はCCZの低価格機第1弾として発売された1DDイヤホンです。低音に個性がありどんな環境でも使いやすいものの特に付属イヤーピースの影響が大きいのが注意点です。

CCZ DC-1『Coffee Bean』の画像 CCZ DC-1『Coffee Bean』とCCZ Emeraldを並べた白背景画像
  • 高音の刺激:Emerald ≧ Coffee Bean
  • 高音域の音量:Emerald ≒ Coffee Bean
  • 中音域の音量:Emerald ≒ Coffee Bean
  • 低音域の音量:Emerald ≒ Coffee Bean
  • 低音の量:Emerald < Coffee Bean
  • アタック感:Emerald ≒ Coffee Bean
  • それぞれの付属ケーブルと付属イヤーピースを使用した状態での比較です。

EmeraldではCoffee Beanに1BA追加して高音を充実させ、バランスを取るために中低域を弱め量を減らしたはずが深さと重さを出すために強めた超低域が付属品との相乗効果で想定したほど低音の量を減らさなかったのではないでしょうか。

所有する機器からしか判断できませんが、アンプやDAPで低音に味付けしたい場合は低~中低域ではなく超低域に変化を加えるのが一般的なようです。そのためCoffee Beanよりも超低域が強いEmeraldの方が機器との相性が若干生じやすくなっています。

しかし相性の良い機器との組み合わせならEmeraldの方がややすっきりとしていて高音の解像度は上だと感じますしアンプを使用することで更に全体の解像度も向上します。Coffee Beanでは惜しい印象だった楽器の音もEmeraldでは価格を考慮すると割といい感じに鳴らせています。

KBEAR KS1

KBEAR KS1(Amazon 1,980円+350円OFF/AliExpress $14.85-15.59)はKS2(レビュー/Amazon 1,713~2,750円/AliExpress $18.99-19.99)の兄弟機です。2021年2月下旬に発売されました。1DDでKS2(1BA+1DD)に似た音域バランスに挑んだのか周波数特性はKS2にやや近いV字のドンシャリ型になっています。

KBEAR KS1の画像 KBEAR KS1とCCZ Emeraldを並べた白背景画像
  • 高音の刺激:Emerald < KS1
  • 高音域の音量:Emerald < KS1
  • 中音域の音量:Emerald ≒ KS1
  • 低音域の音量:Emerald > KS1
  • 低音の量:Emerald > KS1
  • アタック感:Emerald ≦ KS1
  • それぞれの付属ケーブルと付属イヤーピースを使用した状態での比較です。

KS1もやや暖かみのある音色ですがEmeraldよりも超低域が弱いぶんEmeraldほどの低音の量はありません。しかし低域~中域までの周波数特性はおそらく似通っていて、同程度の低音の音量的な強さがあります。

高音の強さはKS1>>Emerald>Coffee Beanで、並べて順番に聴いていくとKS1はかなり高音強めだと感じます。装着の加減次第でEmeraldの高音を底上げしたようなバランスにもなるため、やはりCoffee BeanとEmeraldとKS1は共通点も多いのだと思います。

KS1はEmeraldよりも万能型ではありますが、高駆動力でBAが頑張りすぎ高音がきつくなることで機器との相性があり、そして付属品との相性が良くないことによるリケーブルが推奨されるなど、少々惜しいところのあるイヤホンです。

比較まとめ

ボーカルが魅力的なCoffee Beanとボーカルと楽器の音のバランスが良いEmerald、楽器の音が良いKBEAR KS1と言ったところでしょうか。

CCZ EmeraldとCCZ Coffee BeanとKBEAR KS1を並べた白背景画像
周波数特性は似てそうですがそれぞれ得意な領域が異なります。

いずれもスマホ直差しでも問題なく鳴りますが、Coffee BeanとEmeraldは高駆動力でも高音がシャリ付くことなく両者の特徴でもある量のある低音は程よくタイト、分離と力強さも増します。更にCoffee Beanは音場の広さが拡張され、Emeraldでは全体の解像度向上とボーカルのリアリティ向上が期待できます。しかしKS1は付属品だけでは高音の刺激がきつすぎることがあるため低駆動力な機器の方が相性が良いようです。

付属品との相性が良くないKS1に対しCoffee BeanとEmeraldは付属品だけでもかなり満足できる仕上がりです。むしろ付属品のバランスが好みならこのままリケーブルして音質向上を狙うというのはなかなか難しいかもしれません。

総評

  • 少しだけ音量上げ気味で持ち味を発揮
  • 低駆動力でもバランス良く鳴る
  • 高駆動力なら解像度向上が期待できる
  • 聴きやすくも力強い音色
  • 独自イヤーフィン構造による装着感の良さ
  • 長めのエージング推奨
  • 付属品の影響で機器と相性が生じることがある
  • 装着の加減でかなり音が変化する
  • 小音量すぎると持ち味が出にくい

刺さらない範囲で適度な鋭さも感じる高域、やや穏やかで比較的なめらかな中域、量と重みのある力強い低域のドンシャリ傾向イヤホンです。低音が強めですが意外と幅広い楽曲を気持ち良く鳴らしてくれます。

CCZ Emeraldの画像
わりと何でもいい感じに聴けます。

エージングは長めに行った方が良さそうです。体調の影響がないとは言い切れませんが、レビューを書き始めた頃に感じた機器との相性を途中から徐々に感じなくなりました。そのため『音質』の項は一度書き直しています。

私は普段はあまり大きな音量で音楽を聴きませんが、Emraldはいつもより1.5dB~2dBほど音量を上げて聴いています。音量による力強さや疾走感への影響が大きめだと感じました。小音量で聴いていると期待したよりも大人しく感じられるかもしれません。

重低音が多い海外楽曲には超低域が少し強すぎるのかJPOPなど超低域の少ない音楽の方がより見通しが良く気持ちよく聴くことができました。

駆動力のあるDAPやアンプを使うとより力強くタイトな音色で解像度も向上しますがスマートフォンや低価格DAPでもなかなかいい感じで鳴ります。

CCZのこの付属ケーブルとCCZの独自形状のイヤーピースは低音の量にかなり影響を与えています。初期装備のまま使用する場合、イヤーピースが強めているのと同じ帯域が強い機器では低音の量が増えすぎることはあるかもしれません。駆動力よりも低音の相性で機器を選んだ方が満足度が高いでしょう。

大抵のイコライザーで調整できる範囲よりも下の帯域が影響しているため、エージングが十分なのに使いたい機器では低音の量が多くイコライザー下限を弱めても明瞭さの妨げになるならイヤーピースかケーブル、もしくは両方変えることをおすすめします。

また、Coffee Beanのレビューでもしつこく書いたのですがCCZ独自形状イヤーピースは装着の深さの影響をかなり受けやすいです。どのイヤーピースであっても深さを変えると聴こえる音は変化しますがこの独自イヤーピースの形状はその影響が大きいように感じます。ベストな装着位置の幅が狭いです。

しかしCoffee Beanと同様付属品との相性は良く、むしろ初期装備の音色が気に入っているならそれをキープしつつリケーブルやイヤーピース交換をするのはなかなか難しそうです。

初期装備のCCZ Emeraldをおすすめできるのは低音寄りで力強い音色が好みな人、刺さる高音は避けたいけれど控えめすぎるのも物足りないと感じる人です。駆動力のあるDAPやアンプだけでなくスマートフォン・低価格DAP・安価なPC用オーディオインターフェースなど低駆動力な機器に直差しで使いたい人にもおすすめできます。

逆に初期装備のCCZ Emeraldをおすすめできないのは、解像度はできるだけ高いのが好み、寒色系のすっきりした音色が好み、所有する再生機器との相性が悪かった場合にイヤーピース交換やリケーブルを検討できない人です。

Coffee Beanに続くCCZの低価格帯第2弾もCoffee Beanと同様の低音が特徴イヤホンでした。既に後続機としてCCZ Melody(Amazon/AliExpress)が登場しています。なおMelodyは今のところ未購入ですので直近でのレビュー予定はありません。

CCZ Emeraldのレビュー、次回第2回はおすすめイヤーピース編の予定です。ブログの記事の順番としてはCoffee Beanのイヤーピース編の方を先に公開する予定ですが、Coffee Beanのステムを押しすぎて負荷がかかったらしくちょっとグラついているため万一破損してしまった場合はパスすることになります。ご了承ください。