今回はKBEAR KS10のレビューです。Easy earphonesから製品提供を受けています。外装画像等のレビューがご不要であれば『音質』から後ろもしくは『総評』だけご覧ください。
製品仕様
ブランド | KBEAR |
---|---|
型番 | KS10 |
ドライバー | 10mmDD(複合) + 4BA |
インピーダンス | 32Ω±2Ω |
感度 | 116dB±2dB |
再生周波数帯域 | 20-20kHz |
フェイスプレート | アルミニウム合金 |
ハウジング | ポリカーボネート |
ケーブル | 2pin TFZ 3.5mm / 銀メッキ 4N OFC |
外箱はシンプルな白箱です。
付属ケーブル、シリコンイヤーピースが2種類各3サイズ付属します。
シェルはポリカーボネート製です。太めの金属ノズルに金網フィルターがはめ込まれています。フェイスプレートには左は青丸、右は赤丸になっています。左右を見分けるカラーリングなのはリケーブルイヤホン初心者を意識しているのでしょうか。
フェイスプレートはアルミニウム合金に表面加工が施されてます。光りやすいタイプですが鏡面仕上げのように眩しく反射するほどではなく、触っても指の跡は付きません。汚れにくいのはありがたいですね。ブラックは同じ加工の色違いだそうです。
BAはノズル内に1基、ノズル下に3基配置されています。以前からの中華ハイブリッドでよく見かける配置です。
ノズルフィルターはメッシュ金網です。KBEARイヤホンのノズルは太いものが多く、KS10のノズルも太め。細い部分で5mm、イヤーピースの返し太いの部分は5.5mmです。
KS10よりも古いKBEAR製品と一見同じようなシェル形状に見えますが、LarkやRobinよりもほんの少しだけ薄く、ノズルが奥に入りやすい形状に微調整されています。
付属品
付属ケーブル
付属ケーブルはフラット2芯の銀メッキ線です。超低域がタイトに深めに出て中低域の量がやや減ることで低音が太くならずに力強い音色になりやすいです。
付属イヤーピース
シリコンイヤーピース2種類各3サイズ付属します。形状はほぼ同じように見えますが多少弾力が異なるからか音には違いが出ます。
音質
エージング
いつも通り200時間エージングしました。最初の半日でDDの変化が多少あった程度でその後は大きくは変わりませんでしたので、積極的にエージングする必要はないと思います。
装着の深さと角度
KBEARイヤホンの外耳道閉管共振周波数はおそらく8kHz後半~9kHz(鼓膜から20mm前後)に近いと思います。私の耳ではかなり深いノズル位置で、KBEARイヤホンのうち筒型以外の旧製品はノズルを切って背を低くしたイヤーピースでも届きません。
しかしKBEAR KS10はそれまでのKBEAR製品よりは奥まで挿入しやすい形状となっており、ギリギリ届いているようです。
ノズル挿入を浅くしていくとバランスが整う位置がもう1ヶ所ありますので、今回は2パターンの評価を行います。
湿度と乾燥
KBEAR KS10はBAを積んでいるため湿度が音に影響し、湿気ってくると高音が弱ってきます。ですが高音不足を感じないなら乾燥必須というほどでもありません。
公式周波数特性通りに聴けている場合は乾燥した状態の方が主に定位の面でバランスが良いので、ゲーム用途なら密閉容器+乾燥剤で保管すると良いでしょう。
評価環境
付属クリアシリコンイヤーピース使用時/1kHzテストトーンをほとんど騒音のない屋内で平均約51dB*1、室温約18℃)で聴いていきます。音源は主にwavとFLACです。PCからの再生はfoobar2000+ASIOです。Amazon MusicおよびYoutubeの動画も使用しています。
- 1. 平均が出せるスマホの騒音計アプリで計測しています。音楽再生時は60dB前後です。
- Youtube、Amazon MusicではラウドネスノーマライゼーションをONにしています。
主な評価機器は以下の通りです。
- Xperia 1 ii (オーディオ詳細不明)⇒詳細
- iPod touch(7G) 詳細不明ですがCirrus Logic製DACチップ、60mWと言われています。
- Cayin N3PRO (AK4493EQ *2 / 3.5mm 250mW 真空管使用時 130mW@32Ω)⇒詳細
- Nintendo Switch
聴力バランスの調整のためにスマートフォンおよびAndroid DAPでイコライザーをかける際はSpotEQ31(Google Play)を使用しています。
付属ケーブル+KBEAR 07
付属イヤーピースは私の耳との相性がかなり悪かったため、今回はKBEAR 07を使用して評価して行きます。まず左右Lサイズで浅めに装着して評価します。イヤーピースの位置は概ね昔のKZイヤホンと同程度で、外耳道閉管共振は7.5kHz付近(鼓膜から約23mm)です。もっと奥まで入るには入りますが比較的バランスが整うのはこの位置でした。
ストア | 価格 |
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Yinyoo-JP | 860円 |
Wooeasy Earphones Store | $3.34-7.83 [$3.51-8.005%] |
周波数特性
周波数特性チェック用のスイープ音源とトーンジェネレーターで耳で聞いてチェックして行きます。
下は20Hz以下から聴こえるものの27Hz以下は音量的に小さめ、30Hz台やや強め、600Hz台後半辺りが周波数特性上の谷、2.2kHz強め2.7~3kHzやや弱め。公式f特の軽いピークが4kHzのところ私の聴覚上は3.8kHz、同じく5kHzのところ4.8kHz。7.5kHz付近に私の外耳道閉管共振、12kHz辺りから落ち込み。
低音は深めで下の方が重め、低音全体は音量的にも過不足ありません。装着が浅い影響で中高域~高域に寄っています。高音はスネアの音が音量的に若干強くチキチキとした音の主張がやや強いです。中高域は騒がしくはないものの、本来は目立ちにくい音もはっきり聴こえてきます。
全域に十分な厚みがある中高域寄りのクリアな音色です。私の耳では寒色系とまでは行かないもののニュートラルかと言われると少し冴え気味なように感じます。
イコライザーで聴力補正
私の耳で強めに聴こえる4kHzを下げて極力フラットに聴こえる(聴力検査結果が平坦に近づく)ように整えて確認してみます。
冴えた印象はかなり抑えられてだいぶニュートラルですが、ボーカルがうっすら乾いたような気もします。
まとめ
ノズル位置が浅いことにより中高~高域に寄っており、音量的に強く聴こえすぎる音があります。個人的にもやや気になるため、このままの状態でおすすめしたいと思えるほどではありません。
付属ケーブル+軸を切ったKBEAR 07
前述した通り、KS10を周波数特性通り聴くためのノズル位置は私の耳ではかなり深い位置となっており、付属イヤーピースでは届きません。一般的なお椀型イヤーピースでも届かないため、KBEAR 07の軸を切ってノズルからイヤーピース先端までの高さが最小限になるようにして聴いていきます。左は白軸のM、右はペールグリーンのM+を使用します。
かなりぐいぐい押し込んでいるため、ノズルの先端からイヤーピースの先までの距離はほぼないと思います。ノズルの金属が外耳道の皮膚に当たる直前くらいです。ケーブルの耳掛けは耳から外れています。
周波数特性
周波数特性チェック用のスイープ音源とトーンジェネレーターで耳で聞いてチェックして行きます。
下は20Hz以下から聴こえるものの27Hz以下は音量的に小さめ、30Hz台やや強め、600Hz台後半辺りが周波数特性上の谷、2.2kHz強め2.7~3kHzやや弱め。公式f特の軽いピークが4kHzと5kHzのところ私の聴覚上は3.9kHz台後半と5kHz前後。8kHz前後に目立ったピークなし、12kHz辺りから落ち込み。
周波数特性上は中高~高域側2~4kHzをてっぺんとしたW字に近い形状ですが、聴覚上は人の耳で聴いているのにかなり近く、音域バランスは現実相当という意味でのフラット、音色も現実相当のニュートラルです。
超低域~低域~中低域
超低域は深めでやや重めです。30Hz台が補強されており最近の海外ボーカル曲の重低音も不満なく鳴らします。JPOPのローカット音源もスカスカになりません。
機器の出力の影響を受けやすく、高出力なほどタイトかつ音量的に弱りニュートラルバランスから外れてしまいやすいです。低出力な機器に向いています。
中域
中域は非常に自然です。私の素の聴力では若干ドライに寄ってしまいますが、イコライザーで聴こえの凹凸を均すと脚色は非常に控えめで、とても素直に鳴っています。
あっさりはしておらず、艷やかな音は適度に艶っぽく、過不足ない厚みがあります。
中高域~高域
中高域~高域も脚色は控えめです。刺激的な高音が欲しいなら物足りないでしょう。見通しや音の輪郭にもリアリティを感じます。人の耳で直接聴くような情報量と解像度です。
ボーカル・話し声
私の素の聴力ではボーカルの高音成分が少し多めに聴こえます。イコライザーで聴こえの凹凸を均すとボーカルは自然で、実際の声の高さにかなり近いと感じられます。ブレスや歯擦音は耳障りがない程度に抑えられつつもリアリティを失わずに聴きやすいです。
海外のエンターテイメントショーの動画を見ると、話し声の自然さやスタジオに設置されたマイクを通したボーカルがまるでそのまま聴こえているかのようです。評価のために『The Tonight Show Starring Jimmy Fallon – Youtube』を観ていたら普通に動画視聴タイムに入ってしまいました。
空間表現・定位・音場
音場は特別広いわけではありませんが音との距離感は適度に離れています。ちょっとだけヘッドホンっぽさがあり、近い音が苦手な私としては好印象です。
定位は素晴らしく良好です。所有する$40~50前後のイヤホンの中では最もゲームに向いています。鳴らしやすく機器の出力を要求しないのもカジュアルなゲームユーザー向きと言えるでしょう。
ただしこの定位の良さのためにはKBEARの想定通り聴くことができる聴力と外耳道長が必要です。
情報量・解像度・分離
分離はパキッと分かれすぎず、しかし自然な聴こえよりもごくごくわずかに良好で演出感がない程度に聴き分けやすいです。
『Official髭男dism – Stand By You (Acoustic ver.) – Youtube』のメンバーが歌うコーラスは音量的に大きめに聴こえるわけではないのに、それぞれの発声の違いがメインボーカル並に聴き取れます。
情報量はまんべんなく多めなものの多すぎず、音源の音質に左右されにくい程度に抑えられています。よく聴きたい音に意識を向けるとほとんどの音で細部が見えてきます。解像度にもあまり脚色はなく、人の耳で直接聴いたかのように感じさせてくれます。
素直な鳴りがモニター的でもあり、全体のまとまりを見るのに向いています。録音場所の反響の程度を感じ取ることができ、狭い会議室のような場所で撮影された動画は音だけ聞いてもそれが識別できると思います。
音源と楽曲ジャンルとの相性
私が所有する$100以下の中華イヤホンの中では特に素直でありながら耳障りさを少しだけ抑えた鳴り方です。音楽ジャンルは問いません。疾走感もゆったり感もそのまま鳴らしてくれます。
ミックスやマスタリングの質が低い音源の粗は耳障りさがない程度にはごまかしてくれるものの、実際よりも気持ち良く聴かせる脚色はしません。パッとしない音源はパッとしないそのままの音で鳴ります。
高音の刺激だけが現実の音よりもごくわずかに抑えられています。そのため鋭く刺激的な高音をそのまま出して欲しい場合は若干おとなしく、脚色が欲しいならそのまま過ぎてこれまた物足りないかもしれません。
KBEAR 虹
KBEAR 虹は2024年7月発売のシリコンイヤーピースです。外耳道閉管共振周波数が9kHzに設定されたKBEARイヤホンを、8kHz付近に外耳道閉管共振が出現する少し浅いノズル位置でバランスを整える効果が期待できます。着色料の影響で色によってシリコンの硬さが若干異なるため音の変化傾向も多少異なります。
問題なく耳に合った場合と比べるとバランスは劣るものの、KBEAR KS10でも期待通りの効果が得られます。私の耳ではジャストフィットよりちょっと押し込んだくらいです。音の傾向がフラット~超低域が強めな機器では低音が弱る赤やオレンジ、すっきりめな機器では青やピンクが合います。
リケーブル
ノズルの位置がほんの少し浅くなりすぎて定位中心がちょっとだけ後ろにズレている程度なら、TRIPOWIN Petrichorがおすすめです。
このケーブルはやや抵抗が大きく、アッテネーター的な働きをしてくれます。本来の音がする位置にノズルが届いていないと感じる時には必ず試すケーブルです。機器によってはけっこう音量が下がります。
KBEAR KS10とTRIPOWIN Petrichorとの組み合わせでは公式周波数特性通り聴けている位置から数ミリ浅く装着できるはずです。KS10との相性も良く、大きな変化なく全体の音質底上げを感じることができます。
TRIPOWIN Petrichor
他のケーブルでも、バランス接続することで超低域を減らして調整するのもアリだと思います。バランス接続した時にすっきりしつつ若干細ったように感じられる機器であれば効果があるはずです。
再生環境と出力&駆動力
機器が高出力なほど低音はタイトで音量的にも弱ります。しかしそれにより全体のバランスが相対的に中高域に寄ってハイ上がり状態になりやすく、中高~高域の圧が強すぎると感じることがありました。
BAを搭載した一般的なハイブリッドですから、パワフルすぎる環境で鳴らすのには向かないと思います。
iPod touch 7G
味付けがなく使いやすいものの非力なiPod touch(7G)とは特に好相性でした。直挿しでも音色にも不満がないのは驚きです。音量もかなり取りやすく、私は音量10~15%ほどで十分です。
小型DACアンプ
小型のドングル型DACアンプでも不満なく鳴ります。小型軽量で非力な製品でも問題ありません。
JCALLY AP7は型落ちで古めではあるもののフラットで素直な音は扱いやすく、KS10の特徴である素直な音に余計な色を付けずに鳴らしてくれます。AP7はなかなか侮れない製品なのですが国内webストアでは買えないのが難点。
JCALLY AP7
Cayin N3PRO
Cayin N3PROの真空管モードは心地良い音色が魅力なものの低出力です。KBEAR KS10は真空管使用時の低出力でも問題なく鳴りますが、真空管の温かみと緩い輪郭がアタックの力強さを失った気の抜けたような音色に感じられることがありました。
Shanling M6 / M6 Ver.21
定位の中心が中心からズレていたり中低域がやや多い場合、超低域が弱めなすっきり系機器で低音の量を減らすことでバランスを取ることが可能です。これはKBEAR Stormのレビューでも紹介しました。ただし適正位置で聴いた時ほど定位は良好ではなく、実力は発揮しきれていません。
Nintendo Switch
出力を要求せず定位が良いのでゲーム機直挿しにも向いています。環境音、BGM、プレーヤーの動作音、演出用のボイスがしっかり分かれて聴こえます。
Nintendo Switch+ゼルダの伝説TotKに限っては、ノズル位置が適正位置から多少外れていてもプレイ中にひどく気になることはありませんでした。ムービー部分ではボイスが若干下方向から聴こえます。
本来の音で聞けていれば直挿しの相性が良く、音との距離感と定位にはヘッドホンっぽさがあります。
抵抗を追加する
外耳道長に合わない場合、抵抗を噛ませるのも効果があります。
私の耳でKS10が無理矢理感なくジャストフィットする外耳道閉管共振8kHz辺りのノズル位置で聴く場合、NF Audio IP75を使うと普段ヘッドホンでゲームプレイしている時の聴こえに近い定位感になりました。
NF Audio IP75
ストア | 価格 |
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Shenzhenaudio Store | $13.30 [$13.99+5%] |
VECLANのインピーダンスアダプターも悪くありませんでした。抵抗の大きさ違いで1セット持っておくと便利だと思います。
VECLAN インピーダンスアダプター
ストア | 価格 |
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Veclan Store | $5.00-50.00 |
なおJCALLYの75Ω(AliExpress)は減衰が大きくてイマイチ。相当安いですからね…。
その他
装着感
ハウジングの後頭部側のでっぱりが若干大きく、私の起き耳が被って当たっています。小耳さんはこの部分に多少圧迫感を感じる可能性はあります。
音漏れ・遮音性
DDの上と脇にベント(通気穴)が1ヶ所ずつ、合計2ヶ所開いています。このタイプのイヤホンとしては音漏れも遮音性も普通です。
他のイヤホンとの比較
final VR500 for Gaming
final VR500 for Gaming(以下「VR500」)は音像定位に特化した音響設計
を行ったイヤホンです。finalは3Dバイノーラルサウンド内の各オブジェクト音の位置を、より精緻に再現することが可能
と謳っています。
- VR500は外耳道長による影響が小さい
- 音のはっきりさはKS10の方が上回る
- いずれも低出力でゲーム直挿しに非常に向く
VR500は全体的に激しいピークがなく、聴覚上カマボコ寄りのチューニングです。高音に耳障りさを感じず、人の声が聴き取りやすいです。低出力な機器に最適化されており、機器が高出力過ぎると低音の量が増えすぎることが多いです。
私の耳ではKS10の方が定位が良いです。VR500のように4kHzにピークがなくて定位が良いタイプのイヤホンは4kHz強めに聴こえる私の聴力と相性が悪いことも理由のひとつなので、耳との相性の違いもあります。
イコライザーで聴力の凹凸を均して確認してみるとVR500も十分に定位良好です。ですがVR500はKS10よりも更に耳障りさがないぶん高音が多い物音が音量的に小さく、KS10よりも対象に近づかないと聴こえません。軽微ではあります。
外耳道長の違いから受ける影響はVR500の方が圧倒的に小さいです。KS10よりもVR500の方がより多くの人の耳に合わせられると思います。一長一短ですね。
総評
- 定位は非常に優秀
- 高音が刺激的すぎない
- 鳴らしやすい
- 脚色控えめで素直な鳴り
- 付属ケーブルと好相性
- メーカー想定外耳道長が短すぎる
- 満足できる耳を持つ人は日本人には少数派
- 高出力な機器には向かない
- 特に好相性だったのはiPod touch 7GとNintehdo Switch
- スマホ・ゲーム機直挿し向き
- ゲーム・動画視聴に最適
非常に素直な鳴り方です。低出力な機器に非常に向いているというよりも高出力な機器には不向きだと思います。鳴らしやすく音量も取りやすいためスマホ直挿しや低価格DAP、小型軽量のドングル型DACアンプ、ゲーム機直挿しなどで気軽に使うことができます。耳に合えば定位は非常に良好でゲームにもおすすめです。
加工の少ない音源を聴きたくなる、脚色が控えめな音色のイヤホンです。動画視聴時は耳障りさを抑えつつ比較的そのままに近い音で聴かせてくれていると思います。
Nintendo Switch直挿しでは普段ゲームに使っているヘッドホン(室内放置で乾燥させていない状態のSATOLEX Fumine+iXCCのAUXケーブル)に近い鳴り方をしてくれるので、ヘッドホンをしたくない時のゲーム用にも重宝しています。
- SATOLEX FumineとiXCCのケーブルは廃盤品です。
おすすめする際の懸念点は外耳道長との相性です。ベストな装着位置で高レベルに整う代償として適正位置から外れると崩れやすいです。外耳道が長い人には付属品のみでバランスを整えるのが難しくKS10の良さを感じられないのではないでしょうか。
ノイズ耐性高め、変な共振なし、アッテネーターを噛ませても音量が取れ、音色の面でも低出力に向いて鳴らしやすく、非常に優秀な定位、耳障りさをやや抑えつつ脚色控えめで自然な音色。スペック含む総合的なバランスは過去のKBEAR製品の中でも特によく出来ているんじゃないでしょうか。
初期装備のKBEAR KS10をおすすめできるのは、外耳道長が短い自覚がある人、必要に応じてアッテネーター、リケーブル、イヤーピースを用意することができる人、鳴らしやすく素直な音色のイヤホンを探している人です。
逆に初期装備のKBEAR KS10をおすすめできないのは、外耳道長が長い自覚がある人、外耳道長が合わなかった時に追加投資が必要な対策までは考えていない人、音色に個性があるイヤホンを探している人、耳障りな音は相応に耳障りに聴かせて欲しい人です。