audbos k5(TENHZ k5)で銀箔糸のリケーブルとの組み合わせが悪くなく、しかし在庫がなくて2PINを買うことができず残念に思っていたところ、銀箔メッキのリケーブルを見つけたので試しに買ってみました。
- 本文中に出てくる『アンバランス接続』とはスマホ・PC・TVなどにある一般的なイヤホンジャックに接続するための3.5mmプラグによる接続のことです。
- 2PINを購入したのでmmcx端子のイヤホンでは2PIN→mmcx変換アダプターを使用しています。
製品仕様
- ブランド:NICEHCK
- 型番:なし
- 芯材:銀箔メッキ高純度銅
- 芯数:8芯
- ストレートタイプ
- 12ヶ月保証
- 価格:2,999円(2018/11/30)
- 在庫は4.4mmプラグのみ
2018/11/30追記:売り切り価格のキャンペーンにもなっていてかなりお安く購入できます。4.4mmバランス環境もしくは変換アダプターをお持ちならお得です。
太さは8芯としては微妙に太めかな?
商品説明には以下のように書かれています。
- 中高域の解像度がアップ
- バランス良くしかも滑らかな音
- ディテールや音場感も良い
音質
ZO6255
- ブランド:Zodic Audio
- ドライバ構成:DD×2, BA×2
- インピーダンス:32Ω
- 感度:120db ± 3db
- 再生周波数帯域:10Hz~40,000Hz
- ケーブル端子:mmcx
- マイク搭載
- ZO6255
- 6,600円 - WTSUN Audio 3/28
- セール中US $45.59(約5,098円)- AK Audio 3/28
*AliExpressのAnniversary SALE期間は3/28 16:00~4/1 15:59
ZO6255は付属ケーブルでは弱ドンシャリ傾向ですがリケーブルによって弱ドンシャリから、低音がしっかり出るバランスの良い音質まで変化が出るイヤホンです。長時間のエージングとリケーブル推奨。『[レビュー] ZO6255 (1) - エージングで本領発揮するイヤホン』から全4回でレビューを書いています。
このリケーブルでは低音が非常に強く出るようになりました。
- 中音域がわずかに弱いドンシャリ
- 低音は強い
- 音場広め
- 低音の締まり不足
- アンプ使用で低音がボワつき
中音域全体をイコライザーでちょっとだけ上げるとフラットになるので中音域がやや弱い弱ドンシャリのようなバランスなようです。
低音の締まりが不足していて若干ボワっとします。アンプを通すと重低音が強くなるためボワつきが悪化してしまいました。ZO6255との組み合わせはおすすめできません。
audbos k5
- ドライバ構成:DD×2, BA×2
- インピーダンス:32Ω
- 感度:100±2dB
- 再生周波数帯域:20Hz-40000Hz
- ケーブル端子:mmcx
- TENHZ k5(audbos k5)
- 完売
- セール予定US $68.06(約7,363円)- Easy earphones 8/25
*AliExpressのセール期間は8/26 16:00~
audbos k5(名前が変わってTENHZ k5)はフラット傾向でありつつも適度に高音の音量のピークが高まっていて低音のアタック感もまずまずで厚みもあるので弱ドンシャリっぽさも感じる、音場が広いイヤホンです。『[レビュー] audbos k5 改め TENHZ k5 (1) - 音場の広い優秀イヤホン』から全6回でレビューを書いています。第2回から第5回はリケーブル比較レビューなので、結論だけでよろしければレビュー第1回とレビュー第6回だけどうぞ。
audbos k5のおすすめリケーブルに追加決定できる相性でした。
- フラット
- 程良い締まりだが低音だけ惜しい
- 音場はかなり良い線
- 中~高音域の解像度向上
- 分離と定位が向上
- アンプなしが良い
k5のリケーブルで狭まりがちな音場の広さですが、このケーブルはかなり良い線行ってると思います。惜しい点は低音の下の辺りの締まりでしょうか。…でもそれを解消してしまうと音場が狭まるのかもしれませんね。ウレタンフォーム素材のイヤーピースでいくらか改善しますが音場は狭まりますので。
低音域の高い辺りから高音域までは適度に締まっており、過剰な音の伸びや響きはありません。これによって分離と定位が付属ケーブルに勝っていると感じます。音の聞き分けがし辛い楽曲でも問題なく聞き分けられます。解像度は特別高いとまでは行きませんが付属ケーブルよりは良いでしょう。販売店の解説にある通り、確かに中~高音域の解像度が上がった気がします。
イヤーピースはfinal Eタイプとの組み合わせでチャカチャカと軽い音になったり部分的にぼやっとしやすい楽曲が迫力十分になりました。
アンプなし、アンバランス接続が最も良かったです。アンプを使うと中音域が出てきてバランスが変わり、音場が狭まり迫力が衰える傾向があるようです。アンプを持っていない、フラットさを変えたくない、付属ケーブルで迫力が衰える楽曲がある、という方におすすめです。
KZ ZS10
- ドライバ構成:DD×1, BA×4
- インピーダンス:32Ω
- 感度:104dB
- 再生周波数帯域:7Hz~40000Hz
- ケーブル端子:2PIN(0.75mm)
- KZ ZS10
*AliExpressのAnniversary SALE期間は3/28 16:00~4/1 15:59
KZ ZS10は高音域≒中音域≧低音域かつ低音のアタック感がやや強いため低音寄り弱ドンシャリ感のあるバランスで、音場が広めのイヤホンです。アンプなしでも普通に聞けますが、本領発揮させるためにはアンプが欲しいイヤホンだと思っています。なお基本的にKZ製品は長時間のエージングが必要です。
- フラット傾向は変わらず
- 重低音が若干強化された
- 付属ケーブルよりクリア
- 音場は付属ケーブルより少し狭い
- 解像度、分離、定位向上
- 全体的にややおとなしめ
音域間のバランスはほぼ変わっておらずフラットなままです。しかし重低音が少し強化されて重みが増したように感じられます。
エージング済みZS10と付属ケーブルとの組み合わせでは再生環境によって全体的にベールが掛かったような印象を受けることがあるのですが、それが雰囲気を変えない程度に解消されるようです。ウレタンフォーム素材のイヤーピースよりシリコンの方が相性が良いです。final Eタイプが高音がしっかり出つつ低音が薄くならなくて良い感じでした。
音場は広めではありますが少しだけ音が近くなったようです。付属ケーブルで感じる遠さを感じにくくなります。中音域から高音域が締まったことで音の輪郭が付属ケーブルよりははっきりしてきて、解像度、分離、定位は良くなりました。
メロディが盛り上がる部分で物足りなさを感じました。全体的にはややおとなしいようです。
パワフルなアンプがあると音質が向上するのは付属ケーブルと同様です。小型アンプ+アンバランス接続+コンプライ Ts-500(接着剤加工なし)が最も厚みが出ました。重厚感は劣るもののクラシックなどの楽器が多い楽曲でなければアンプなしでも悪くはないです。
アンプがあればベールが取れてクリアになり、ウレタンフォーム素材のイヤーピースで重厚感が増すことが期待できます。アンプなしでも悪くはないのですが、もうちょっと合うリケーブルを探したい気分になります。
KZ ZS6
- メーカー:KZ
- ドライバ構成:DD×2, BA×2
- インピーダンス:15Ω
- 感度:105dB
- 再生周波数帯域:7Hz-40000Hz
- ケーブル端子:2PIN(0.75mm)
- KZ ZS6
*AliExpressのAnniversary SALE期間は3/28 16:00~4/1 15:59
KZ ZS6の初期ロットは刺さる高音がすごかったようですが、私が購入した2018年夏時点のロットは付属ケーブル+シリコンのイヤーピースでは高音寄り弱ドンシャリです。派手めな音色、クリアでなかなか解像度の高いイヤホンだと思います。『[レビュー] KZ ZS6 (1) - 手元の個体は弱ドンシャリ…ただし本質的には刺さる可能性あり』からレビューを書いています。
- 高音の出具合は付属ケーブルと同じくらい
- 低音のアタック感が少し強まった?
- 自然な音の伸びでタイトさが落ち着いた
- 音場に自然さ
音域間のバランスはあまり変わっていないようで高音寄りです。しかしSpinFit CP145ではドンシャリ感が増した印象を受けます。低音は多少増した気がするものの大きな変化ではないので、アタック感が少し強めになったのかもしれません。
ウレタンフォーム素材のコンプライ Ts-500(接着剤加工済み)を使うと高音のシャリ感が抑えられ低音に厚みが増します。接着剤加工していないものなら更に高音が減衰するのでよりフラットに寄ります。
音に伸びが出たのか付属ケーブルではかなりくっきりしていた音の輪郭が少し柔らかくなり、全体的に自然さが増しました。また、付属ケーブルでは音の広がりが音域によって層になったような感覚がありアンプを使用しないと改善しないのですが、このリケーブルではアンプなしで改善できています。ZS6の広めな音場もキープできており、むしろアンプなしが良いと思います。
相性は良いのではないでしょうか。イヤーピースは未加工のコンプライ Ts-500が最も自然な音色でした。アンプを持っていない、より自然にしたい、ウレタンフォーム素材のイヤーピースが苦手でない方におすすめです。ZS6のシャキッと感を維持したい方には向きません。
KZ ZSR
- メーカー:KZ
- 型番:ZSR
- ドライバ構成:2BA+1DD
- インピーダンス:22Ω
- 感度:107db
- 再生周波数帯域:10Hz-40000Hz
- ケーブル端子:2PIN(0.75mm)
- KZ ZSR
*AliExpressのAnniversary SALE期間は3/28 16:00~4/1 15:59
KZ ZSRは独特の響きが作り出す音場の広さと、やや重みのある低音を持つイヤホンです。付属ケーブルでは弱ドンシャリとフラットの間くらいのバランスですが、その独特の響きのため付属ケーブルでは若干楽曲を選びます。ボーカル曲をノリよく聞けるタイプですが楽器が多いと響きが邪魔して気になる印象です。
- 全体的にやや均された
- 音の輪郭が和らいだ
- 響き具合が増した
- 低音域の重厚感が増した
全体的なバランスがやや均されたような印象を受けます。ドンシャリっぽさが和らいだような。
音の輪郭が和らいだと言うかやや緩み、響き具合も増しました。付属ケーブルのスキッとしたクリアさが好きな方はボヤけたと感じるかもしれません。
付属ケーブルの若干もったりした重みを感じていた重低音は締まりました。低音域全体に重厚感が増したように感じます。しかしこちらも響き具合が増したため、締まったのに響いているというややアンバランスな状態になっています。
ZSRのリケーブルはまだ検討前ですが、それでももっと合うリケーブルがあるのでは?という気持ちになります。響きの強い音が好みでなければ不満でしょう。
BQEYZ KC2
- ブランド:BQEYZ
- ドライバ構成:2BA+2DD
- インピーダンス:15Ω
- 感度:105dB/mW
- 再生周波数帯域:7-40000Hz
- ケーブル端子:2PIN(0.78mm)
- 付属ケーブル芯材:純度銅芯
- BQEYZ KC2
*AliExpressのセール期間は8/26 16:00~
BQEYZ KC2は高音域=中音域≧低音域なフラット傾向に近いバランスで高音域に主張があるため高音寄りフラット傾向だと感じる、音場広めのイヤホンです。『[レビュー] BQEYZ KC2 (1) - エージング必須!箱出しがダメでも返品しないで欲しいイヤホン』から6回に分けてレビューしています。第2回から第6回はリケーブル比較レビューなので、結論だけでよろしければレビュー第1回とレビュー第6回だけどうぞ。
- フラット傾向
- ややマイルド
- 反響が少し抑えられた
- 中音域の上~高音域の下が衰えた
- 低音は厚みあり
中音域の上の方から高音域の下にかけて少しだけ凹みがあるようで、一部の音が音量的に小さく(遠く)なりました。音にはやや伸びが感じられるため、全体的にマイルドになった印象を受けます。音の遠さと音の伸びでやや大人しくなっているのか、迫力を感じるためには音量を上げたくなります。
反響音が落ち着きつつも伸びがあるおかげか音場はほぼ狭まっていません。しかし解像度などの向上は見られないので全体的に惜しい感じがします。
アンプ使用で凹凸が出るので、このケーブルを使うのであればアンプなしアンバランス接続が良さそうです。
正直なところあまり相性の良さを感じませんでした。
総評
全体的に伸びつつも程々に締まり、低音域は大人しくなったように見せかけて実は重低音だけを少し強調しているような印象を受けます。イヤホン本来の音を強調するのとも違っています。
付属ケーブルとの組み合わせで音場に違和感を感じる場合は、それが整うようです。音の伸びで音の発生場所の間を埋めているような感じがします。これによって輪郭がやや緩んでマイルドになり、シャキッとしたイヤホンで自然さが増すのだと思います。シャキッとしたイヤホンでは気づきませんが、程良く締まる効果でマイルドなイヤホンのクリアさ不足が改善する場合もありました。
特にシャキシャキしたフラット傾向のイヤホンに少し自然さを足したい時に良さそうなリケーブルです。自然さ、程よい音の伸び、ごくわずかではあるものの重低音の強化を望まないなら不満が出るでしょう。
最も相性が良かったのは2018年夏に購入のKZ ZS6でした。初期ロット(高音が刺さるらしい)との相性は不明です。audbos k5はシャキシャキではないのですが何故か意外と良かったのはイヤホン自体の音の伸び具合とリケーブルの音の伸びの傾向が似ていたからかも。ZSRはもっと合うかと思ったのですが全体的に惜しかったです。
相性が良い場合はアンプなしアンバランスで良さそうなので、使いやすいケーブルではあると思います。