2022年初夏からAmazonで再販されているYYX4778(Amazon 2,990円)は本レビューのYYX4778と同じ線材かどうかは確認できてません。また、再販された他のケーブルが別線材だったことがあります。価格差を考慮すると別線材の可能性も高いと思います。
BQEYZ KC2でおすすめ上位に入ったリケーブル、16芯銀メッキOFC(無酸素銅)リケーブルのYYX4778を他のイヤホンでも試してみました。
中華イヤホンはロット差・個体差があることがあります。同じイヤホンをお持ちで参考になさる場合はイヤホンごとのコメントを読んでお手持ちの個体と同じような感想かどうかも参考にして下さい。なお購入したのはmmcxなのでmmcx→2PIN変換アダプターを使用して評価しています。
最終評価だけでよろしければ『総評』だけどうぞ。
製品仕様
- ブランド:Yinyoo
- 型番:YYX4778
- 芯材:銀メッキOFC
- 芯数:16芯
- 価格:6,320円(2019/02/02)
- YYX4778
*AliExpressのAnniversary SALE期間は3/28 16:00~4/1 15:59
※AliExpressで不良品が届いた場合は英語で問い合わせる必要があります。また、迅速に交換返品に対応してくれるとは限りません。自信のない方・保証が欲しい方は割高でもAmazonでの購入がおすすめです。
商品説明には以下のように書かれています。WTSUN Audio(Easy earphones)さんの商品説明は概ね使ってみた時の感想と合致するようなので参考になりますよ。
- OFCの表面に二重銀を加工された16芯ケーブル
- 今までの16芯線よりも銀の量がもっと多い
- 音の広がりや奥行き感を向上
- 低域はより深みを増し、中高域は更なる解像感
- 帯域が広がる
- 迫力が増す
- 正確な定位感
- 自然で表情豊かなサウンド
- クロストークを抑制
- 音の広がりや低音の音圧バランスを最適化
- 引き締まった低音とクリアな中高音
- 分離能力を最大限に発揮
- 接続機器の潜在能力を極限まで引き出す
メーカーの自信の現れでしょうか。音質の解説が長いですね。
こうやって見るとそこそこ太いですが所有している16芯は大体同じくらいの太さなので、こんなもんでしょう。
16芯まるごと皮膜で覆われたタイプではなく芯1本ごとに処理されています。
YinyooのYYX4731(4芯)、YYX4732(8芯)と並べてみると一見太そうに見えるのですが、デジタルノギスで計測するとどれも4mm程度でさほど差はありません。
YYX4731(4芯)とYYX4732(8芯)よりもきっちり編まれているので密度が高い感じはしますし、相応に重くはあります。
音質
ZO6255
- ブランド:Zodic Audio
- ドライバ構成:DD×2, BA×2
- インピーダンス:32Ω
- 感度:120db ± 3db
- 再生周波数帯域:10Hz~40,000Hz
- ケーブル端子:mmcx
- マイク搭載
- ZO6255
- 6,600円 - WTSUN Audio 3/28
- セール中US $45.59(約5,098円)- AK Audio 3/28
*AliExpressのAnniversary SALE期間は3/28 16:00~4/1 15:59
ZO6255は付属ケーブルでは弱ドンシャリ傾向ですがリケーブルによって弱ドンシャリから、低音がしっかり出るバランスの良い音質まで変化が出るイヤホンです。長時間のエージングとリケーブル推奨。『[レビュー] ZO6255 (1) - エージングで本領発揮するイヤホン』から全4回でレビューを書いています。
- 低音寄りフラット傾向
- 高音しっかり
- 低音に重みと厚み
- 音場が広がった
- 情報量増量
- 解像度向上
- 定位と分離よし
低音にかなり重厚感が出るのですが、それでもイヤーピースが緩かったりして低音が減衰しやすいと惜しい感じのフラットっぽくなってしまうので、きっちり耳をふさぐイヤーピースが良いと思います。私はシリコンならAET07a、ウレタンフォーム素材ならクリスタルチップスが合いました。ひとまずクリスタルチップスで聞いていきます。
高音はしっかり出ていますが刺さらず、低音はタイトでありつつ重みと厚みが出ます。量感はかなりのもので濃い目の低音寄りフラット傾向です。中音域から高音域にかけてに部分的な凹みがあるようですが、アンプ使用で復活します。
付属ケーブルと比較すると当然ながら情報量と解像度が大幅に向上します。低音の量感がすごいので低音に限って言えば解像度が高いのとはちょっと違うと思います。中高音の解像度の向上の方が分かりやすいです。音場も結構広がったように感じます。
アンプなしだと低音のタイトさがもうひと息な感じがして濃すぎるような気もします。付属ケーブル(黒)の音が好み、アンプを持っている、低音を強化したいならおすすめです。
audbos k5(TENHZ k5)
- ドライバ構成:DD×2, BA×2
- インピーダンス:32Ω
- 感度:100±2dB
- 再生周波数帯域:20Hz-40000Hz
- ケーブル端子:mmcx
- TENHZ k5(audbos k5)
- 完売
- セール予定US $68.06(約7,363円)- Easy earphones 8/25
*AliExpressのセール期間は8/26 16:00~
audbos k5(名前が変わってTENHZ k5)はフラット傾向でありつつも適度に高音の音量のピークが高まっていて低音のアタック感もまずまずで厚みもあるので弱ドンシャリっぽさも感じる、音場が広いイヤホンです。『[レビュー] audbos k5 改め TENHZ k5 (1) - 音場の広い優秀イヤホン』から全6回でレビューを書いています。第2回から第5回はリケーブル比較レビューなので、結論だけでよろしければレビュー第1回とレビュー第6回だけどうぞ。
- フラット傾向から弱ドンシャリ感
- 高音ははっきり出る
- 低音が強化
- 全体的に重み
- 中音域の下の方に凹み
- 音に艶が増した
- 音場は少し狭まる
- 情報量増量
- 解像度向上
イヤーピース選択が難しかったです。個人的に一番良かったのはfinal Eタイプでした。高音も低音もちゃんと出て締まり過ぎず解像度も向上します。ウレタンはどれも今ひとつ…。
フラット傾向と言えばフラット傾向ですが弱ドンシャリ感というか、高音の上の方と低音の下の方がよく出ています。明確に強化されたのは低音の量感ですが、低音だけではなく全体的に重みが増したような、やや濃い音になりました。
中音域にちょっと凹んでしまう部分があるようです。これはアンプの使用で取り戻すことができます。
このケーブルに限らずaudbos k5と付属ケーブルは音場面での相性がかなり良く、リケーブルすることで付属ケーブルより伸びが抑制され音場が少し狭まることが多いです。しかしこのケーブルでは残響音を程良くキープしているので比較的音場は広めです。audbos k5の特徴である縦方向への広がりも所有している他のリケーブルと比較すると保っている方だと思います。
解像度は特に中高音域で向上したと感じます。低音域は量感が増したことで解像度よりは迫力の方が増したようです。もちろん付属ケーブルと比較すれば低音の解像度も上がってはいます。
スマホ直挿しでも音量は取れますし音質も向上するのですが、アンプを使った方が相当に良いです。ある程度のパワーは必要なようで、小型Bluetoothアンプ(RADSONE EarStudio ES100)のアンバランス接続ではちょっと足りない気がしました。普通サイズのポタアンなら問題なさそうです。
音質はかなり向上しています。しかし付属ケーブルとは若干バランスが異なるので、そこを変えたくないのであればおすすめしません。個人的にはaudbos k5のバランスは好きなのでこの組み合わせでは使わないかも。
KZ ZS10
- ドライバ構成:DD×1, BA×4
- インピーダンス:32Ω
- 感度:104dB
- 再生周波数帯域:7Hz~40000Hz
- ケーブル端子:2PIN(0.75mm)
- KZ ZS10
*AliExpressのAnniversary SALE期間は3/28 16:00~4/1 15:59
KZ ZS10は高音域≒中音域≧低音域かつ低音のアタック感がやや強いため低音寄り弱ドンシャリ感のあるバランスで、音場が広めのイヤホンです。アンプなしでも普通に聞けますが、本領発揮させるためにはアンプが欲しいイヤホンだと思っています。なお基本的にKZ製品は長時間のエージングが必要です。
- フラット傾向
- 音場広め
- クリア
- 情報量増量
- 中高音域の解像度向上
- アンプ必須
私の手元にあるZS10は付属ケーブルでアンプなしだとちょっとこもるのですが、かなりクリアになっています。シリコンよりもこもりやすかったウレタンフォーム素材のイヤーピースも使えそうです。
付属ケーブルよりは若干高音が出ている気がするものの概ねフラット傾向だと思います。低音は強化され、重厚感がやや増しました。
個人的に付属ケーブルでは音場が広いと言うより音が遠いと感じていましたが、このリケーブルではバランスが取れて遠さではなく広さになっていると思います。しかし付属ケーブルの音場が気に入っている場合はちょっと狭まったと感じるでしょう。
やはりアンプの必要性は感じます。アンプなしよりも更に締まって一枚膜が取れたかのようにクリアです。それが良いのか定位と分離が良くなったように感じます。情報量は増え、解像度は中高音域が特に向上しました。
ZS10はまだリケーブルの比較をあまりしていないのでもっと相性の良いケーブルがあるかもしれません。しかしYYX4778は高音から低音まで不足なくクリアになるのでなかなか良いと思います。ただしやっぱりアンプがないと満足できませんでした。ZS10もYYX4778もアンプが欲しいタイプのようなので仕方がないですね。
ZS10の低音に不満がある、アンプを持っている方に良いと思います。
KZ ZS6
- メーカー:KZ
- ドライバ構成:DD×2, BA×2
- インピーダンス:15Ω
- 感度:105dB
- 再生周波数帯域:7Hz-40000Hz
- ケーブル端子:2PIN(0.75mm)
- KZ ZS6
*AliExpressのAnniversary SALE期間は3/28 16:00~4/1 15:59
KZ ZS6の初期ロットは刺さる高音がすごかったようですが、私が購入した2018年夏時点のロットは付属ケーブル+シリコンのイヤーピースでは高音寄り弱ドンシャリです。派手めな音色、クリアでなかなか解像度の高いイヤホンだと思います。『[レビュー] KZ ZS6 (1) - 手元の個体は弱ドンシャリ…ただし本質的には刺さる可能性あり』からレビューを書いています。
- フラット傾向
- 低音に厚み
- 艷やか
- 滑らか
- 音場の広さはまずまず
- 情報量増量
- 解像度向上
イヤーピースで音域のバランスが結構変わります。クリスタルチップスではフラットに近いように感じられますが、YYX4778の低音と高音の主張の強さ(音域全体が音量的に大きいのではない)から弱ドンシャリっぽさが残っています。コンプライ Ts-500では全域で不足を感じずフラットに寄ります。シリコンでは高音の主張が強くなり、フラットに寄ったのにシャリシャリするのであまり良くなかったです。
他のイヤホンと同様に低音が強化されますが、ZS6では重みと厚みは増しすぎずまずまずタイトで、一聴してすぐ量が多いなと感じるほどではありません。
音の伸びと残響音が適度なので締まり・分離の良さを邪魔しません。音場の広さもまずまず保てています。
特に中音域周辺の解像度は高めで艶やかさも感じられます。ただしアンプがないと部分的な凹みが解消できないため、アンプはあった方が良いと思います。
ZS6のリケーブルは現在比較検討中なのでより相性の良いケーブルがあるかもしれませんが、YYX4778もおすすめリケーブルに入れられると思います。シリコンイヤーピースで聞いた時に弱ドンシャリ&シャリ感のあるZS6をお持ちでウレタンフォーム素材のイヤーピースが嫌いでないならおすすめできます。
KZ ZSR
- メーカー:KZ
- 型番:ZSR
- ドライバ構成:2BA+1DD
- インピーダンス:22Ω
- 感度:107db
- 再生周波数帯域:10Hz-40000Hz
- ケーブル端子:2PIN(0.75mm)
- KZ ZSR
*AliExpressのAnniversary SALE期間は3/28 16:00~4/1 15:59
KZ ZSRは独特の響きが作り出す音場の広さと、やや重みのある低音を持つイヤホンです。付属ケーブルでは弱ドンシャリとフラットの間くらいのバランスですが、その独特の響きのため付属ケーブルでは若干楽曲を選びます。ボーカル曲をノリよく聞けるタイプですが楽器が多いと響きが邪魔して気になる印象です。
- 弱ドンシャリ傾向
- 低音から高音までよく出ている
- 音場は広め
- 定位と分離よし
- 情報量増量
- 解像度向上
低音から高音まで全域でしっかり出ています。YYX4778との組み合わせでは音域間のバランスは大きくは変わっていないようです。フラット感より弱ドンシャリ感の方が強めかも。他のイヤホンでアンプを使用しない場合に少し感じる中音域の凹みはZSRではさほど感じません。
ZSRは付属ケーブルでも低音に個性的な重みがあるためすごく低音が強化されたとは感じませんが、厚みは増したような気がします。
ちょっとだけ伸びつつちょっとだけ反響させているような独特の響きは概ね衰えていないようで、音場は広めです。情報量、解像度は大きく向上しました。
アンプなしの方が聞きやすく低音の迫力もしっかりと感じられました。複数のアンプを試してみましたがどれも高音が半端に出てきて、クリアにはなるものの全体的なバランスが良くありませんでした。
付属ケーブルよりも楽曲が選びにくくなりました。しかしZSRの個性はちゃんと残っているのでZSRの個性は好きだけど自分のよく聞く楽曲に合わせづらいという方に良さそうです。アンプはむしろ不要です。
BQEYZ KC2
- ブランド:BQEYZ
- ドライバ構成:2BA+2DD
- インピーダンス:15Ω
- 感度:105dB/mW
- 再生周波数帯域:7-40000Hz
- ケーブル端子:2PIN(0.78mm)
- 付属ケーブル芯材:純度銅芯
- BQEYZ KC2
*AliExpressのセール期間は8/26 16:00~
BQEYZ KC2は高音域=中音域≧低音域なフラット傾向に近いバランスで高音域に主張があるため高音寄りフラット傾向だと感じる、音場広めのイヤホンです。『[レビュー] BQEYZ KC2 (1) - エージング必須!箱出しがダメでも返品しないで欲しいイヤホン』から6回に分けてレビューしています。第2回から第6回はリケーブル比較レビューなので、結論だけでよろしければレビュー第1回とレビュー第6回だけどうぞ。
- フラット傾向
- 高音も低音も程良く出ている
- 低音強化
- 厚みと重みが増した
- 定位、分離よし
- 情報量増量
- 解像度向上
KC2の音の傾向として高音寄りだったところへ低音が強化され中音域も十分なので、低音から高音まで良く出て迫力があるフラット傾向になりました。イヤーピースはウレタンフォーム素材でもシリコンでもバランス的に大きく変化はしないようですが、ウレタンフォーム素材の方がより迫力が出てバランスも取れていると思います。クリスタルチップスが良かったです。
特に低音の厚みと重みが出ました。しかし低音域だけが厚くなったのではなく、全域で低い部分の音が増強され、濃くなった印象を受けます。
中音域に部分的な凹みがわずかに感じられますがアンプなしでも軽微ですし、アンプを使用すれば解消されます。アンプは小型Bluetoothアンプ(EarStudio ES100)が良かったのでパワフルである必要はないようです。
付属ケーブルでは情報量の多さに対して解像度が追いついていない印象でしたが、リケーブルによって解像度も向上しバランスが取れました。
スマホ直挿しでも音質向上は十分に感じられます。音量も問題なく取れます。しかしアンプの効果が出やすい傾向があると感じました。特に音場の広がりに対して効果的だと思います。アンプの種類と音の傾向によっては高音寄りに戻るようですが、イヤーピースをコンプライ Ts-500に変えて高音をあえて減衰させるなどすれば微調整は可能です。
BQEYZ KC2とは非常に相性が良いです。KC2をフラットに寄せたい、低音を強化したいならかなりおすすめです。また、アンプがあれば更に良いです。
総評
商品説明に書かれている特徴は概ね合っていると思います。
- 高音から低音までしっかり出る
- 中音域に部分的な凹みが出ることがある(アンプで解消)
- 低音に重みと厚み
- 中音域に艶
- やや濃い音色
- 音場は広め
- 情報量増量
- 中高音域の解像度が高い
程度はイヤホンによりますが、低音が強化されて重みと厚みが増す傾向が感じられました。フラット傾向のイヤホンだと量的にも増したように感じ、ドンシャリ傾向のイヤホンだとタイトでありつつ適度な重厚感が得られます。
二重銀の効果でしょうか、高音は全く衰えず、むしろイヤホンによっては微妙に強化されます。音域全体が音量的に大きくなるのとも違うので高音周りの音域のバランスは概ね変化しないようです。
一応触れてはいるものの中音域の凹みは部分的かつ軽微でなのであまり気にしなくても良いかと思います。中音域全体としてはむしろしっかり出ているので、楽曲によっては全く気づきません。
高音寄りフラットを均しつつ迫力も欲しい、ドンシャリ傾向の低音を引き締めて重厚感を増強したいというニーズに合うのではないでしょうか。すっかりフラットなイヤホンではバランスが崩れるので相性は微妙かなと感じました。
所有イヤホンのドライバ数(2BA+2DDが多い)が影響しているのかもしれませんが、アンプを使った方が音質向上することが多いようです。凹みが解消され、音が締まり、定位と分離も向上、適度な音の伸びと残響音で音場も広がります。もちろんスマホ直挿しでも音量は取れますし音質も向上しますよ!
mmcxを購入したのですが所有しているイヤホンでは2PINの方が相性が良く、2PINも買うかかなり迷っています。BQEYZ KC2との組み合わせでレビューしたリケーブルの中ではYYX4778+RADSONE EarStudio ES100がすごく良いんです。リケーブル評価用のmmcx→2PIN変換アダプターは長めなので日常使いには向かないし…。⇒追記:買っちゃいました。
- YYX4778
*AliExpressのAnniversary SALE期間は3/28 16:00~4/1 15:59
※AliExpressで不良品が届いた場合は英語で問い合わせる必要があります。また、迅速に交換返品に対応してくれるとは限りません。自信のない方・保証が欲しい方は割高でもAmazonでの購入がおすすめです。