[レビュー] Yinyoo YYX4807 – 16芯 銀メッキ線&高純度OFCのミックスリケーブル

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今回は16芯銀メッキ線&高純度OFCのミックスYYX4807のレビューです。

16芯 銀メッキ線&高純度OFCのミックスリケーブル YYX4807(mmcx 2.5mm)の画像

所有しているイヤホンのうち付属ケーブルでの評価がだいたい終わっているもの(レビュー公開済みは一部のみ)だけを対象にしています。また、音の傾向を見るためイヤホン側がポテンシャル不足な場合も比較対象に入れています。

結論だけでよろしければ『総評』だけどうぞ。

  • 音量バランスに≒が使用されている場合はより左側が音量が大きいです。
  • 詳細解説のリンク先では一部イヤーピース変更の提案もしていますが、耳の形状によっては必ずしも私と同じ感じ方になると限りません。ご了承ください。
  • イヤホンレビューの見方や用語の説明などは『当ブログのイヤホン・ヘッドホンレビューの見方(2018/10/24版)』をご覧ください。

製品仕様

  • ブランド:Yinyoo
  • 型番:YYX4807
  • 芯数:16芯
  • 芯材:銀メッキ線&高純度OFCのミックス
  • ストレートタイプ

AliExpressで不良品が届いた場合は英語で問い合わせる必要があります。また、迅速に交換返品に対応してくれるとは限りません。自信のない方・保証が欲しい方は割高でもAmazonでの購入がおすすめです。

商品説明には以下のように書かれています。

  • クリアでレンジの広い特性のOFC導体に鮮やかで伸びのある高域と解像度の向上を可能にする銀メッキ加工
  • 低域はより深みを増し
  • 中高域は更なる解像感
  • 全体の整ったバランスの向上
  • 音の広がりや低音の音圧バランスを最適化
  • 引き締まった低音とクリアな中高音
  • 分離能力を最大限に発揮

16芯 銀メッキ線&高純度OFCのミックスリケーブル Yinyoo YYX4807(mmcx 2.5mm)を手に乗せた画像
柔らかく取り回しよし

16芯 銀メッキ線&高純度OFCのミックスリケーブル Yinyoo YYX4807(mmcx 2.5mm)の拡大画像
銀メッキ線と銅線がきれいに編み込まれています。

音質

ZO6255

  • ブランド:Zodic Audio
  • ドライバ構成:DD×2, BA×2
  • インピーダンス:32Ω
  • 感度:120db ± 3db
  • 再生周波数帯域:10Hz~40,000Hz
  • ケーブル端子:mmcx
  • マイク搭載

*AliExpressのAnniversary SALE期間は3/28 16:00~4/1 15:59

ZO6255は付属ケーブルでは弱ドンシャリ傾向ですがリケーブルによって弱ドンシャリから、低音がしっかり出るバランスの良い音質まで変化が出るイヤホンです。長時間のエージングとリケーブル推奨。『[レビュー] ZO6255 (1) - エージングで本領発揮するイヤホン』から全4回でレビューを書いています。

高音域の音量
4.0
★★★★★
★★★★★
中音域の音量
4.1
★★★★★
★★★★★
低音域の音量
3.8
★★★★★
★★★★★
アタック感*1
4.1
★★★★★
★★★★★
アタック感*2
4.2
★★★★★
★★★★★
アタック感*3
4.3
★★★★★
★★★★★
  • 高音域=中音域≧低音域だがアタック感で低音域を底上げ
  • 高音域が少し衰えた
  • 高音の主張は適度
  • 中音域が若干出てきた
  • 低音域のボワつき改善
  • 低音のアタック感はしっかりめ
  • 低音に厚み
  • 適度な締まり
  • 情報量増加
  • 解像度向上

YYX4807との組み合わせでは高音域が衰え高音域=中音域≧低音域かつ低音のアタック感は強めなバランスになりました。結果、音楽を聞いていると上も下もバランスの良い弱ドンシャリ(低音域≒高音域≒中音域)に聞こえることが多いです。

16芯の効果で情報量が増え、解像度が向上、メリハリや締まりが適度なので付属黒(銅線)ケーブルより締まっていて付属銀(銀メッキ)ケーブルほど締まり過ぎず、ZO6255との相性は良いと思います。

付属品から変更済みで使いやすいイヤーピースが良いならfinal Eタイプがおすすめです。高音もそこそこ出て低音のアタック感は付属品より少し強めです。

SpinFit CP145なら高音を拾うので、高音が弱りすぎたと感じるならこれが良いでしょう。低音のアタック感も付属品よりは強いのでメリハリの効いた音色になります。

radius DEEP MOUNTを使用すると高音域が音量的に衰えて低音のアタック感は付属黒ケーブル並み、ボワつかない程度に厚みもあるので付属ケーブル2本と比較すると低音寄りに感じられます。

ウレタンが良ければ高音の減衰が小さいKeepjoyのウレタンイヤーピースか低音がしっかりするコンプライ Ts-500が良さそうです。

ZO6255との組み合わせでは音質のためなら本体より高いリケーブルにでも投資できる、付属黒ケーブルと銀ケーブルの間くらいのバランスにしたい、情報量と解像度を向上させたい人におすすめです。アンプの有無で音は変わりますがアンプを使ったから音質が上がった、直挿しでイマイチ、と言った変化ではなく好みの範疇なようです。必ずしも必要ないと思います。

Yinyoo V2

  • ブランド:Yinyoo
  • 型番:V2
  • ドライバ構成:1DD
  • インピーダンス:16Ω
  • 感度:108dB
  • 再生周波数帯域:15-35000Hz
  • ケーブル端子:2PIN(0.78mm)
  • 付属ケーブル:4芯銀メッキ

*現在のYinyoo V2はAmazon、AliExpressともに改良ロットです。
*AliExpressのセール期間は8/26 16:00~

Yinyoo V2は音域ごとの音量差が小さい中音域≧高音域≒低音域ですが、低音が下の方からよく出ていて厚みと重みがあることと低音の控えめさを補うアタック感があるためその分低音寄りに聞こえ、音楽を聞いていると低音域≒中音域≧高音域だと感じます。人によっては飽和感を感じるかもしれません。『[レビュー] Yinyoo V2 (1) – 低音がゆったりと心地よいイヤホン』からレビューを順次公開中。

高音域の音量
4.0
★★★★★
★★★★★
中音域の音量
4.0
★★★★★
★★★★★
低音域の音量
3.8
★★★★★
★★★★★
アタック感
4.2
★★★★★
★★★★★
  • 高音域=中音域≧低音域だがアタック感と厚みで低音域を底上げ
  • 高音域が音量的に少し出る
  • 低音域の下の方の帯域が音量的に少しだけ弱る
  • 低音が締まる
  • 情報量が多い
  • 解像度が高い
  • 分離と定位良し

概ね同じ音量の音源で聞いた場合は音域間の音量バランスは高音域=中音域≧低音域です。しかしアタック感が弱くないことと低音域に厚みがあることで音楽を聞いていると付属ケーブルと同様に低音寄りに聞こえます。

高音域は付属ケーブルよりも音量的に強まったと感じます。実際は高音域全体が大きくなったのではなく高音のピーク部分が更に出っ張ったようです。しかし金属音やサ行の不快感はまだマイルドです。

低音域の下の方の帯域が音量的に弱まりました。低音が締まったように感じるのはそのためだと思います。他のイヤホンではあっさりしたと感じることもある変化ですが、V2は低音が濃く広がりがあるため、低音だけ飽和していると感じている人には適度になったのではないでしょうか。

中音域は低音域の影響もあってか適度に締まりました。しかし低音域の広がりが抑えられたことで現実よりも艷やかだったり音の隙間を埋めるような広がりが衰え、古い音源や質の悪い音源が艷やかになる効果やV2の特徴だったふんわりと包み込まれるような感覚も衰えました。

V2の中低音域に飽和感を感じて不服だった人には良さそうです。アンプを使うと締まりのバランスが崩れるのでアンプなしで良いと思います。ただし付属ケーブルのバランスをキープしたまま締まるのとはちょっと違い、やや弱ドンシャリ感があるかなと。

ちなみにV2については現在リケーブル評価中なのでもっと安くてコスパの良いケーブルの中に相性が良いものがあるかもしれません。リケーブル編レビューは近日公開予定です。

audbos k5(TENHZ k5)

  • ドライバ構成:DD×2, BA×2
  • インピーダンス:32Ω
  • 感度:100±2dB
  • 再生周波数帯域:20Hz-40000Hz
  • ケーブル端子:mmcx

*AliExpressのセール期間は8/26 16:00~

audbos k5(名前が変わってTENHZ k5)はフラット傾向でありつつも適度に高音の音量のピークが高まっていて低音のアタック感もまずまずで厚みもあるので弱ドンシャリっぽさも感じる、音場が広いイヤホンです。『[レビュー] audbos k5 改め TENHZ k5 (1) - 音場の広い優秀イヤホン』から全6回でレビューを書いています。第2回から第5回はリケーブル比較レビューなので、結論だけでよろしければレビュー第1回レビュー第6回だけどうぞ。

高音域の音量
4.0
★★★★★
★★★★★
中音域の音量
4.0
★★★★★
★★★★★
低音域の音量
4.0
★★★★★
★★★★★
アタック感*1
4.2
★★★★★
★★★★★
アタック感*1
4.3
★★★★★
★★★★★
  • 高音域=中音域=低音域
  • 高音の主張がやや強まった
  • 低音のアタック感が少しだけ強まった
  • ややメリハリ強化
  • ふわっと感が衰えた
  • 情報量が多い
  • 解像度が高い
  • 分離と定位良し

概ね同じ音量の音源でチェックした場合、音域間の音量バランス自体は高音域=中音域=低音域であまり変わっていないようです。ほんのちょっとだけ中音域が出たようなそうでもないような…。

高音の主張がわずかに強まりました。また、低音のアタック感が音量的に強まりました。k5の弱ドンシャリっぽさが更にドンシャリ感が強まります。しかし低音がちょっとだけあっさりしました。低音域の下の方がごくわずかに弱ったようです。

反響がちょっとだけ抑えられたためかふわっとした音の広がりがやや衰えました。

全体的に少し締まったのか情報量が増え、分離と定位が良くなります。解像度についてはアンプを使用した方が高まると感じます。

付属ケーブルのふわっと感と万能型バランスからは少し外れてしまいますが、ドンシャリ感をちょっとだけ強めたい、ちょっとくらいなら厚みが減っても良いのですっきりさせたいなら悪くなさそうです。ほどほどのDAPやアンプを持っているなら更に良いと思います。万能型から外したくない、k5にメリハリを求めていないなら合わないでしょう。

KZ ZS10

  • ドライバ構成:DD×1, BA×4
  • インピーダンス:32Ω
  • 感度:104dB
  • 再生周波数帯域:7Hz~40000Hz
  • ケーブル端子:2PIN(0.75mm)

*AliExpressのAnniversary SALE期間は3/28 16:00~4/1 15:59

KZ ZS10は高音域≒中音域≧低音域かつ低音のアタック感がやや強いため低音寄り弱ドンシャリ感のあるバランスで、音場が広めのイヤホンです。アンプなしでも普通に聞けますが、本領発揮させるためにはアンプが欲しいイヤホンだと思っています。なお基本的にKZ製品は長時間のエージングが必要です。

KZ ZS10はなかなかポテンシャルの高いイヤホンで、お高めリケーブルを使うとかなり音質が上がります。

高音域の音量
4.0
★★★★★
★★★★★
中音域の音量
4.2
★★★★★
★★★★★
低音域の音量
3.8
★★★★★
★★★★★
アタック感
4.2
★★★★★
★★★★★
  • 中音域≧高音域≒低音域
  • 高音域の主張が強まった
  • 中音域が出てきた
  • 低音が締まった

YYX4807との組み合わせでは中音域≧高音域≒低音域です。

高音域は音量的にはさほど変わっていないようですが金属音とサ行の不快感に当たる部分がやや強まりました。辛いほどではありません。

中音域が音量的に出て来ました。低音域は音量的には変わっていないようですが締まりが良くなり、アタック感が強まったように感じられます。中低音域は付属ケーブルよりもクリアだと思います。しかし低音域の下の方が衰えたのか、低音の重みがややあっさりしてしまいました。

アンプを使用すると更にクリアになります。また、低音域のアタック感が音量的に強くなるようです。ただしZS10は元々アンプで音質が上がる(アンプがないと本領発揮しきれない)イヤホンだと思うので、ケーブルの問題ではなくZS10側の問題じゃないかと…。

付属ケーブルよりもクリアになるので、radius DEEP MOUNTで低音を強めて元々のZS10のバランスに寄せつつすっきりさせるのに悪くないと思います。

KZ AS10

  • メーカー:KZ
  • ドライバ構成:BA×5
  • インピーダンス:14Ω
  • 感度:105dB
  • 周波数特性:20Hz-40000Hz
  • ケーブル端子:2PIN(0.75mm)

KZ AS10は高音域=中音域≧低音域ですが低音域は下の帯域からよく出ていて重みがあることと締まり具合が中高音域より緩くて少し広がること、アタック感が音量的に少しだけ強いことからか低音寄りフラット傾向に聞こえるバランスです。音色はマイルド系。音の抜けがもっと良かったらお値段以上だったのですがそこだけちょっと惜しい。

高音域の音量
3.9
★★★★★
★★★★★
中音域の音量
4.0
★★★★★
★★★★★
低音域の音量
3.8
★★★★★
★★★★★
  • 高音域≒中音域≧低音域だが厚みで低音域を底上げ
  • 低音が太くなった
  • 情報量が多い
  • 解像度が高い
  • 分離と定位良し

YYX4807との組み合わせでは音域間のバランスは高音域≒中音域≧低音域かつ低音に厚みと適度なアタック感があるので実際はやや低音寄りに聞こえることが多いです。付属ケーブルから大きくは変わっていませんが高音域が音量的に微妙に衰えた気がします。

低音域の下の方が音量的に少し弱まったようですがわずかで、そのことによってややクリアになり、唯一惜しいと感じていた抜け具合が少し改善しました。重さは残っているのであっさりしたとまでは感じません。

高音域は金属音系が緩和され、凹んでいるとこもりの原因になりやすい帯域も音量的に衰えたようです。高音域の音量的に小さい部分に近寄るようにバランスが均されたように感じます。そのため微妙に弱まったように感じられ、人によっては高音不足かもしれません。

しかし高音域を補うためにSpinFit CP145を使ってみたところ低音がタイトになり高音が少し補われ、よりフラットに近寄りました。

アンプを使用すると更にタイトに締まり低音のアタック感が音量的に強まりますが、クリアさはアンプなしと大きくは変わりませんでした。再生環境がチープなせいで低音のアタック感が弱いとか、イヤーピースとの相性で低音不足だと感じるのでなければアンプはなければないでも良さそうです。

KZ ZS6

  • メーカー:KZ
  • ドライバ構成:DD×2, BA×2
  • インピーダンス:15Ω
  • 感度:105dB
  • 再生周波数帯域:7Hz-40000Hz
  • ケーブル端子:2PIN(0.75mm)

KZ ZS6の初期ロットは刺さる高音がすごかったようですが、私が購入した2018年夏時点のロットは付属ケーブル+シリコンのイヤーピースでは高音寄り弱ドンシャリです。派手めな音色、クリアでなかなか解像度の高いイヤホンだと思います。『[レビュー] KZ ZS6 (1) - 手元の個体は弱ドンシャリ…ただし本質的には刺さる可能性あり』からレビューを書いています。

ZS6には5千円以上のリケーブルはオーバースペックなため音質向上が頭打ちになりますが、音の傾向を見るためにチェックしていきます。

高音域の音量
4.3
★★★★★
★★★★★
中音域の音量
4.2
★★★★★
★★★★★
低音域の音量
4.0
★★★★★
★★★★★
  • 高音域≧中音域≧低音域
  • サ行の不快感が許容値ギリギリ
  • 中音域が出てきた
  • 低音のアタック感が少し弱まった
  • 反響が抑えられた
  • 派手さが衰えた
  • 中音域の解像度が上がった

私の所有しているZS6の本来のバランスはおそらく高音域>低音域≧中音域ですが、音域間の音量バランスは高音域≧中音域≧低音域に変わりました。中音域が少し出てきたようです。低音域はあまり変化していないように感じられます。

高音域は音量的に上がった分だけ主張するようになりました。シリコンのイヤーピースではサ行の不快感は許容値ギリギリで、サ行刺さりまくりな楽曲では私にはウレタンでないとちょっと辛いです。しかし金属音は逆に抑えられたような気がします。高音域の凹凸が変化したようです。サ行が気になりにくい楽曲や楽器演奏は聞きやすくなります。

ZS6は元々非常にクリアでシャキッとした音色なためメリハリ強化したという印象は受けません。反響が抑えられ高音の金属音系の強さが抑えられたためか派手さはかなり衰え、自然さが増しました。

TENHZ P4 Pro

  • ドライバ構成:4BA
  • インピーダンス:26Ω
  • 感度:110db ± 3 db
  • 再周波数帯域:10Hz~40,000Hz
  • ケーブル端子:mmcx
  • 4N銀メッキリケーブル付属

購入してからkinboofiの別注カラーが出たのが残念。別注カラー(青)が良かったなー。

TENHZ P4 Proは中高音域が良く出ており低音域はやや控えめですがアタック感で補えているフラット傾向なイヤホンです。付属ケーブルの相性が微妙なのでリケーブル推奨。

高音域の音量
4.1
★★★★★
★★★★★
中音域の音量
4.2
★★★★★
★★★★★
低音域の音量
4.0
★★★★★
★★★★★
  • 中音域≧高音域≧低音域
  • 高音は刺さらず
  • 中音域が少し出てきた
  • 低音域は必要十分
  • 解像度が上がった
  • 特に低音が締まった

音域間の音量バランスは中音域≧高音域≧低音域です。音量差は小さいのですが付属ケーブルのフラットさとは変わってしまいました。

高音域は音量的に付属ケーブルよりも出ています。主張が激しくなったわけではないので刺さったりサ行が不快だったりはしません。中音域は音量的に更に大きく出てきました。引っ込んだわけではないのですがボーカルのリアルさが衰えた気がします。低音域は他の帯域が出たせいで控えめに感じられますが不足はしていないと思います。

反響はさほど抑えられておらず、音場は狭まっていません。しかし元々近めだったボーカルが更に近寄りました。

情報量は期待したほど増えませんでした。ただしこれは凹凸のバランスが変わったことで聞こえ具合が変わっただけかもしれません。低音域の解像度は高まったと思いますが中高音域は付属ケーブルよりも原音から遠ざかりました。

P4 Proと付属ケーブルの組み合わせはあまり相性が良くなくマイルド過ぎて私にはこもって聞こえるのですが、YYX4807へのリケーブルでいくらか締まりました。

特別バランスが悪いわけではないのですがフラット傾向のイヤホンがフラットではなくなってしまったので、個人的にはバランスを変えずに音質を上げるケーブルを探したいです。

相性の良くないイヤホン

相性の良くなかったイヤホンは以下の通りです。解説不要なら『総評』へどうぞ。

BQEYZ KC2

  • ブランド:BQEYZ
  • ドライバ構成:2BA+2DD
  • インピーダンス:15Ω
  • 感度:105dB/mW
  • 再生周波数帯域:7-40000Hz
  • ケーブル端子:2PIN(0.78mm)
  • 付属ケーブル芯材:純度銅芯

*AliExpressのセール期間は8/26 16:00~

BQEYZ KC2は高音域=中音域≧低音域なフラット傾向に近いバランスで高音域に主張があるため高音寄りフラット傾向だと感じる、音場広めのイヤホンです。『[レビュー] BQEYZ KC2 (1) - エージング必須!箱出しがダメでも返品しないで欲しいイヤホン』から6回に分けてレビューしています。第2回から第6回はリケーブル比較レビューなので、結論だけでよろしければレビュー第1回レビュー第6回だけどうぞ。

高音域の音量
3.8
★★★★★
★★★★★
中音域の音量
4.0
★★★★★
★★★★★
低音域の音量
3.8
★★★★★
★★★★★
  • 中音域≧高音域≒低音域
  • 高音域が衰えた
  • 高音の金属音系突出は緩和

高音域は音量的にやや衰え低音域が音量的に少し強まり、中音域≧高音域≒低音域になりました。音域間の音量バランスだけでなく突出する帯域が変わったようで、金属音系の強さはわずかながら緩和されたのにサ行がわずかに刺さるようになりました。中高音域の凹凸が変化したようです。

金属音が緩和したことで楽器演奏が聞きやすくなりましたがサ行の不快感が増したことでボーカル曲は選ぶようになりました。手持ちにはサ行の不快感をバランス良く抑えきれるイヤーピースがありませんでした。また、商品説明には書いていないのですがどうも2PINが0.75mmのようで0.78mmのBQEYZ KC2だと抜けやすいです。いろいろと相性が良くないようです。

HiFiHear F30

  • ブランド:HiFiHear
  • ドライバ構成:2BA+1DD
  • インピーダンス:22Ω
  • 感度:116dB
  • 再生周波数帯域:20-20000Hz
  • ケーブル端子:mmcx
  • 付属ケーブル芯材:4芯7n銀メッキケーブル

*AliExpressのAnniversary SALE期間は3/28 16:00~4/1 15:59

耳触りが良いと評判のイヤホンですが、個体差で高音強めのものがあるようです。また、こもりもあったのでエージングは必要だと思います。ちなみにHiFiHear F30は付属ケーブル(3.5mm端子が短い)でエージングが進まないことがあるようです。

F30にはお高めリケーブルはオーバースペックなため音質向上が頭打ちになりますが、音の傾向を見るためにチェックしていきます。

高音域の音量
4.0
★★★★★
★★★★★
中音域の音量
4.0
★★★★★
★★★★★
低音域の音量
3.8
★★★★★
★★★★★
  • 中音域≒高音域≧低音域
  • 低音が適度に締まった
  • 情報量が多い
  • 解像度が高い
  • 分離と定位良し

音域間の音量バランスは中音域≒高音域≧低音域で、中音域が一番出ています。付属ケーブルに比較的近いバランスではないかと思います。

F30と付属ケーブルとの組み合わせでは低音域がぼやけていて中高音域とのバランスが悪いのですが、それが整って低音域から高音域まで同じくらいの締まり具合になりました。

アタック感が控えめなイヤホンかと思っていましたが低音域のなにかが邪魔していただけで弱すぎるわけでもなかったようです。強くはありませんが弱々しくはありません。

ですがイヤーピース選択が難しく、高音の解像度が落ちたり低音のアタック感が弱くなったり音が安っぽくなったり、これなら合いそうと思えるものがありませんでした。

総評

比較したイヤホン(傾向の評価のためにポテンシャル不足な低価格イヤホンも含む)との相性は以下の通りです。

イヤホン相性解説リンク
ZO6255本記事内解説
Yinyoo V2本記事内解説
KZ ZS10○*本記事内解説
KZ AS10本記事内解説
audbos k5(TENHZ k5)△*本記事内解説
KZ ZS6本記事内解説
TENHZ P4 Pro本記事内解説
BQEYZ KC2×本記事内解説
HiFiHear F30×本記事内解説

*はアンプ使用時の相性が良いものです。◎=相性良し、○=まあまあ相性良し、△=悪くない、×=相性悪し

YYX4807に感じた音の傾向は以下の通りです。

  • 高音域の凹凸が変わる
  • 低音のアタック感がやや弱まることがある
  • 低音域の下の方の帯域が少し衰える
  • 低音がややあっさりする
  • 低音不足になるわけではない
  • 締まりのバランスが取れる
  • 分離と定位良し
  • クロストークが少ない

低音域の下の方の帯域が衰えることと高音域の凹凸が変化もしくは強化されることで、相性が良ければバランス良く締まるようです。高音域の凹凸はイヤホンの元々の凹凸にも左右されるためメリハリが出たり出なかったりしました。

所有しているうち締まり不足な帯域のあるイヤホンは低音域が緩めなことが多いためか、低音域の締まり具合を中高音域と合わせる傾向がありました。ZO6255(本記事内解説)、KZ ZS10(本記事内解説)、Yinyoo V2(本記事内解説)に合う辺り、低音が下の帯域からしっかり出ることで重厚感(あるいはボワつき)があり、低音域の締まりが中高音域に劣るイヤホンとの相性が良いようです。

また、高音域の凹凸が変化し、イヤホンによっては中音域が出てくる場合もあるので、音域のバランス(フラットであるとか高音寄りドンシャリであるとか)が変わったりサ行の不快感が強まる場合があります。刺さりが気になるイヤホンには向かないようです。

分離と定位は良くなり基本的に情報量は増えます。所有している16芯ケーブルの中ではほどほどですが、締まりが緩めのイヤホンに合うせいで単に向上具合を確認しづらいのかもしれません。解像度は特に中低音域で向上するようです。ただしイヤホンによっては高音の一部の突出で自然さがなくなることがあります。

反響を抑えるのではなく、自然に整えているようです。そのため高音域の凹凸で自然さが衰えているはずなのに楽曲によってはかなりリアルになったりします。シャキシャキにはなりませんが適度に締まることと引き換えに広がりが抑えられることがあるため、広がり具合を変えたくないなら向かないでしょう。

単純に締めるケーブルではないので、低音域に飽和感もしくは緩さと広がりがあるフラットでないイヤホンに試してみる価値はあると思います。ただし低音の厚みが薄いとあっさりしてしまう可能性もあります。

高音の変化については、私に判断する技量がないこともありますが事前にはなかなか読めませんでした。時間が取れればもうちょっと詳しく調べたいところ…。