[レビュー] KZ ZS6 (4) – リケーブル編その3(5千円~1万円)

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KZ ZS6のレビュー第4回はリケーブル編その3です。ZS6にこの価格帯のケーブルを使うかどうかはまた別の話ではありますが、5千円~1万円のリケーブルについて書いて行きます。結論だけでよろしければ『まとめ』だけどうぞ。

なお中華イヤホンはロットの違いやばらつきで音が違うことがあるため、レビュー第1回を読んで付属ケーブルのレビューがご自身の感じ方に近いかどうか確認しておいてください。

ちなみに私の手元にあるKZ ZS6は耳で聞いたときの音量バランスが高音域>低音域≧中音域の高音寄り弱ドンシャリです。

銅線

Kinboofi KBF4779(16芯高純度銅)

16芯高純度銅リケーブル Kinboofi KBF4779(2PIN 2.5mm)の画像
きれいな銅色です。
  • ブランド:Kinboofi
  • 型番:KBF4779
  • 芯材:高純度銅
  • 芯数:16芯
  • ストレートタイプ

*AliExpressのAnniversary SALE期間は3/28 16:00~4/1 15:59

良くも悪くもイヤホン本来の音色を引き継ぐ傾向のあるリケーブルです。他のイヤホンでも試してレビューを書いています。⇒『[レビュー] Kinboofi KBF4779 16芯高純度銅リケーブル

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  • 高音域
  • 中音域
  • 低音域
  •  音場
  • 情報量
  • 解像度
  • 全体的なバランスは概ね変化せず
  • 派手さが落ち着いた
  • 全体的に程良く厚みが増した
  • 少し反響が抑えられた
  • 自然さ向上

全体的なバランスは大きくは変化せず、全体的に音の角が取れ柔らかな自然さが出てきました。柔らかさで高音がちょっと落ち着いたように聞こえますが実際はしっかりと出ています。このことに加えて反響が抑えられるので、ZS6の派手さやきらびやかさがやや衰えます。

反響の抑制で若干音場は狭まりました。しかしそれは極端ではなく、反響が気になっていた楽曲が聞きやすくなりました。

付属ケーブルのバランスが気に入っているならお好みのシリコンのイヤーピースで良さそうです。個人的にはもうちょっと低音のアタック感が欲しいのでradius DEEP MOUNTが好みでした。

ウレタンではFSCのウレタンイヤーピースとの相性が良く、高音が更に適度に抑えられつつ他の安価なウレタンイヤーピースよりも低音のアタック感があります。ウレタンを選びつつ高音対策も含めて聞きやすくしたいなら良さそうです。ちなみにコンプライだと高音の減衰が大きすぎる気がしました。

16芯と言うと情報量がかなり増える印象ですが、この組み合わせでは大きく向上することはないようです。ZS6との組み合わせに限ってはケーブルの特徴だけではなくZS6のポテンシャルの限界もあるのではないかと思います。

アンプをいくつか変えてみるとむしろ直挿しの方が良いと感じられることがあったので、アンプ必須ではなさそうです。

付属ケーブルではウレタンイヤーピースを使っても高音が辛い、もっと自然さが欲しい人にはFSCのウレタンイヤーピースと合わせておすすめです。高音はしっかり出ていますのでシリコンのイヤーピースを使うなら高音対策にはなりません。また、音色が適度にやんわりするので付属ケーブルのくっきりした派手さが好みなら合わないでしょう。

HiFiHear HiF4780(16芯OFC)

16芯OFCリケーブル HiFiHear HiF4780(2PIN 2.5mm)の画像
こげ茶色です。
  • ブランド:HiFiHear
  • 型番:HiF4780
  • 芯材:OFC(無酸素銅)
  • 芯数:16芯
  • 2PINは0.75mm

*AliExpressのAnniversary SALE期間は3/28 16:00~4/1 15:59

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5
  • 高音域
  • 中音域
  • 低音域
  •  音場
  • 情報量
  • 解像度
  • 低音強化
  • 反響が少し抑えられる
  • 解像度は高い
  • 情報量が増えた
  • 分離・定位よし

低音が強化され音量的にもキレ的にもアタック感が強まったと感じます。キレは全体的に向上するので空気感がスッキリとしていますが、高音はスッキリを通り越してシャープ過ぎてかなり耳に入ってきます。シリコンのイヤーピースだと気になるのでウレタンフォーム素材の方が合いそうです。

クリスタルチップスでは高音の刺激が少しだけ抑えられ、低音はやや強化されました。ドンシャリとの評判でZS6を買ったら購入ロットではさほどドンシャリだとは感じずがっかりしている方には良さそうですね。

歪みなのか高音が刺さっているのかよく分かりませんが、耳障りな高音が出る楽曲があります。これもウレタンフォーム素材のイヤーピースの方が気になりづらいので尖った高音が原因なのかも…?

解像度は付属ケーブルと似た傾向で高く、情報量もいくらか増加したので音質がかなり上がったように感じられます。分離と定位も良いです。

アンプ使用で高音がまた目立つようになり、反響が復活したのかシャープさがなくなります。これはこれで良いのですがイヤーピースで高音を調整する必要がある気がしますし、アンプやDAPを使用するなら機器に合わせてイヤーピース選定をする必要がありそうです。

クリスタルチップスとの組み合わせなら相性が良いと思います。もっとドンシャリに寄せつつ音質を向上させたい方に良さそうです。ちなみにイヤーピースの次点はNew Beeのウレタンイヤーピースです。他のはイマイチ…。かなりイヤーピースが限定的なおすすめになります。

銀メッキ

HiFiHear HiF4747(16芯銀メッキ高純銅)

16芯高純銅銀メッキリケーブル HiFiHear HiF4747(2PIN 2.5mm)の画像
黄色と銀メッキ色のミックス色です。
  • ブランド:HiFiHear
  • 型番:HiF4747
  • 芯材:銀メッキ高純銅
  • 芯数:16芯
  • 2PINは0.78mm

*AliExpressのAnniversary SALE期間は3/28 16:00~4/1 15:59

*2PINが0.78mmなのでZS6(0.75mm)に使用するとおいおい穴が緩くなる可能性はあるかもしれません。

ZO6255レビュー(3)audbos k5(TENHZ k5)のレビュー(4)BQEYZ KC2のレビュー(4)でおすすめに入っています。

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  • 高音域
  • 中音域
  • 低音域
  •  音場
  • 情報量
  • 解像度
  • 高音がわずかに抑えられた
  • 低音のアタック感が弱まった
  • 反響がわずかに抑えられた
  • 解像度向上

HiF4780で生じた耳障りな高音(歪み?)がHiF4747でも出ました。そのためシリコンのイヤーピースは合わないと思います。

FSCのウレタンイヤーピースなら気になる高音を適度にしつつ低音のアタック感の弱さを回復させてくれるようです。他に合うと思えるウレタンイヤーピースはありませんでした。

個人的に好きなケーブルで音も良いのですがおすすめイヤーピースがFSCのウレタンイヤーピース一択です。また、他のリケーブルと比較した時の音質向上や音色の良さも微妙なため、今回はランキング外ですね。

Yinyoo YYX4745(16芯銀メッキ銅線)

銀メッキ16芯リケーブルYinyoo YYX4745(mmcx 2.5mm)の画像
意外と太くなくケーブル自体も柔らかです。
  • ブランド:Yinyoo
  • 型番:YYX4745
  • 芯材:銀メッキ銅線
  • 芯数:16芯

*AliExpressのAnniversary SALE期間は3/28 16:00~4/1 15:59

*購入したのはmmcxなのでmmcx→2PIN変換アダプターを使って評価しています。

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  • 高音域
  • 中音域
  • 低音域
  •  音場
  • 情報量
  • 解像度
  • 高音域が少し衰えた
  • 低音域が少し衰えた
  • 反響の抑制はわずか
  • 解像度向上

ある程度の反響をキープできていますが高音が少し落ち着くので派手さが衰えます。しかし所有しているリケーブルの中ではだいぶ付属ケーブルの雰囲気を残せている方だと思います。

音量のバランス的に高音域と低音域が衰えました。また、高音の主張の強さも低音のアタック感もイヤーピースの選択次第で差が出やすいようです。

私の耳で最もバランスが良かったのはAET07aです。他のシリコンイヤーピースでは低音のアタック感がおとなしくなってしまいましたが、AET07aでは弱まりを感じませんでした。反響も一番良い感じに残っています。

ウレタンフォーム素材のイヤーピースではどうしても響きが抑制されてしまうため、それを避けたいならシリコンの方が良いでしょう。多少響きが減ってもウレタンが良いならクリスタルチップスが一番良さそうでした。

情報量はわずかに増えていますが多くはないため、やはりこれもZS6のポテンシャルの限界かなと感じました。解像度は自然な感じに高まりました。

音質のレベルは高くバランスも非常に良いです。そこだけ見ればおすすめなのですが、このケーブルもイヤーピースを選ぶため、合うものを持っていなければ期待はずれになりそうです。

Yinyoo YYX4778(16芯銀メッキ銅線)

16芯銀メッキOFCリケーブル Yinyoo YYX4778(2PIN 2.5mm)の画像
黒い被膜で覆われたタイプ
  • ブランド:Yinyoo
  • 型番:YYX4778
  • 芯材:銀メッキ無酸素銅(OFC)
  • 芯数:16芯
  • 2PINは0.78mm

*AliExpressのAnniversary SALE期間は3/28 16:00~4/1 15:59

リケーブルのレビュー記事を書いています。

*2PINが0.78mmなのでZS6(0.75mm)に使用するとおいおい穴が緩くなる可能性はあるかもしれません。

  • ややフラットに寄る
  • 低音に厚み
  • 艷やか
  • 滑らか
  • 音場の広さはまずまず
  • 情報量増量
  • 解像度向上

クリスタルチップスではフラットに近いように感じられますが、低音と高音の主張の強さ(音域全体が音量的に大きいのではない)から弱ドンシャリっぽさが残っています。コンプライ Ts-500では全域で不足を感じずフラットに寄ります。シリコンでは高音の主張が強くなり、フラットに寄ったのにシャリシャリするのであまり良くなかったです。

低音の重みと厚みは増しすぎずまずまずタイトで、一聴してすぐ量が多過ぎると感じるほどではありません。

音の伸びと残響音が適度なので締まり・分離の良さを邪魔しません。音場の広さもまずまず保てています。

特に中音域周辺の解像度は高めで艶やかさも感じられます。ただしアンプがないと部分的な凹みが解消できないため、アンプはあった方が良いと思います。

シリコンイヤーピースで聞いた時に弱ドンシャリ&シャリ感のあるZS6をお持ちでウレタンフォーム素材のイヤーピースが嫌いでないなら良いかもしれません。アンプを持っているなら更に良いと思います。

その他

NICEHCK 8芯単結晶銅銀合金&単結晶銅表面銀メッキ

NICEHCK 8芯単結晶銅銀合金&単結晶銅表面銀メッキリケーブルの画像
金色のケーブルです。
  • ブランド:NICEHCK
  • 型番:なし
  • 芯材:単結晶銅銀合金&単結晶銅表面銀メッキ
  • 芯数:8芯
  • 耳掛けタイプ
  • スライダー付き
  • 通常価格:5,250円(2018/11/30)
  • 在庫は4.4mmのみ

audbos k5(TENHZ k5)のレビュー(4)BQEYZ KC2のレビュー(4)で比較しています。

購入したのはmmcxなのでmmcx→2PIN変換アダプターを使って評価しています。

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  • 高音域
  • 中音域
  • 低音域
  •  音場
  • 情報量
  • 解像度
  • 高音域が少し衰えた
  • 低音域が少し衰えた
  • 低音のアタック感が少し強まった
  • 分離良し

高音域全体の音量としてはちょっと弱まりましたがピークの高さは変わっていないようで、サ行が気になることがありました。低音域も同様に弱まっているのですがアタック感は少し強まりました。全体的に付属ケーブルよりも凹凸が激しくなった気がします。

反響はこれまで試したリケーブルの中ではかなりキープされています。このケーブルは反響が必要なイヤホンには非常に合うのですが既に4.4mmしか在庫がないのが非常に残念。

しかし高音域と低音域の弱まりの影響が強い楽曲があり、おとなしくはないのですが何か物足りないです。また、凹凸のせいで一部の音が遠くなっているようです。

激しくなった凹凸があまり上手い具合に働いていません。おすすめには入りませんでした。

Kinboofi KBF4746(16芯銀メッキ&銅線ミックス)

銀メッキ+銅線ミックス16芯リケーブルKinboofi KBF4746(mmcx 2.5mm)の画像
ピンクっぽく見えますが銀メッキと銅の色のミックスです。
  • ブランド:Kinboofi
  • 型番:KBF4746
  • 芯材:銀メッキ線+高純度銅線ミックス
  • 芯数:16芯

*AliExpressのAnniversary SALE期間は3/28 16:00~4/1 15:59

購入したのはmmcxなのでmmcx→2PIN変換アダプターを使って評価しています。

ZO6255のレビュー(3)audbos k5(TENHZ k5)のレビュー(4)BQEYZ KC2のレビュー(4)でも比較しています。

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  • 高音域
  • 中音域
  • 低音域
  •  音場
  • 情報量
  • 解像度
  • 高音域が衰えた
  • サ行が気になる

これまで比較してきたケーブルの中ではかなり高音域が弱まったように感じられます。しかし高音のピークはあまり変わっておらずサ行が気にあることがあります。高音域だけ凹凸が激しくなったようです。

高音のピークを微妙に抑えつつ他の部分のバランスを崩さないイヤーピースがありませんでした。ZS6とケーブル自体の相性が悪いようです。

まとめ

ZS6に使うには高めな価格帯ですしZS6の方のポテンシャルで音質向上が頭打ちになるのではないかと予想していましたが、やはりそう感じる部分がありました。特に16芯にリケーブルしても情報量が大きくは増えない辺り、ZS6の実力の限界だろうと思います。

また、どれも入念にイヤーピースを選ぶ必要があり、付属イヤーピースだったりいつも使っているものの流用であったりした場合は全くの期待はずれに終わる可能性も高いです。

相性が良いケーブルとイヤーピースとの組み合わせでは音質は非常に良いです。しかし高くても変えて欲しい・コスパが良いとは言えないので今回はおすすめリケーブルはありません。やはりZS6に5千円以上のケーブルはオーバースペックでした…。

これらを踏まえて1万円以上のリケーブル編はやらないことにします。次回はリケーブル編まとめの予定です。5千円以下までのおすすめリケーブルをまとめただけの回になりますので、これまでのリケーブル編2回分+追加編をご覧になっているなら必ずしも読む必要はないかと思います。